[京造からあなたへ]芸術で社会を変える。

服を変える。気分を変える。ものの見方を変える。間違ったやり方を変える。私たちはいつも、何かを変えている。新しい答えを探し、前へすすむために。それは、生きるために必要なこと。そして、世の中にこそ必要なこと。だから、単なるひらめきや情熱、テクニックだけではなく、深い思考と理論、実践する力によって、自分を、世の中を、いい方向へ。

なぜ、変える、
なのか。

どうして「社会を変える」ことが必要なんだろう。空気も食べ物も普通にあるし、家に帰ってベッドに入れば、変わらず朝がやってくる。 けれど、そうしている間にも、世の中は急激に変化しつづけている。少子高齢化、異常気象、国際紛争。これらがすぐに他人事でなくなることが、ほんの少しの知識と想像だけで恐ろしいほどよくわかる。 あなたの明日は、当たり前のように「変わる」。いや、「変えさせられる」。だからこそ、その変化にのまれないよう、自分から「変える」チカラを。流されるまま「変わる」のは容易い。その行方を見つめ、より良い方向に「変える」のは難しい。けれどそれが、明日を生きることだから。まず、いまを見つめよう。変えるべき問題を見つけよう。じつは、この大学であなたが学ぶことも、すべてはそこからはじまる。

芸術の力で
変える。

「だからって、芸術で何が変えられるの?」そう言うのは、若い人より年上の大人たち。さらに昔、芸術をやたら高みにまつりあげた人々が残していった、負の遺産。
本当の芸術とは、人文科学、社会科学、自然科学など、あらゆる分野や社会問題に直結する、何より総合的で実用的な学問。すでに欧米などの先進国では、政治や経済・経営よりも芸術を学んだ学生への期待が高まっている。また、芸術系以外も、アートやデザインが必須科目の大学は多い。世界をリードする多くの有名企業が「デザイン・ソリューション」を掲げ、デザインの力で経営戦略を展開し、世界を席巻している。するどく問題を発見する目を持ち、豊か な想像力で、その問題を解決する形や仕組みを提案できる。芸術には、そんな能力を育てるチカラがある。芸術を学んで、問題解決能力を持つ人々が、ひとりでも多く世の中に増えること。それこそが、これからの社会をより良く変える大きなエネルギーになる。

京都から変える。

「アート・デザインを学ぶなら、最先端の都市で」。もちろんそういう考え方もある。けれど、社会を変えるような芸術を学ぶつもりなら、もっと深く「根」を伸ばさなければいけない。「変える」ということは、これまでのあり方をいちから見つめ直すことでもあるから。
「変わらないモノ」を見つめることで、何を変えるべきか、何を変えなくていいか、はっきりと目に見えてくる。場合によっては、「未来に守り伝えるための変化」が必要だということも。京都には、そんな「変わらない価値」が時をこえて受け継がれ、いまもそのまま息づいている。伝統工芸をはじめ、寺社仏閣、建築、街並み、文化、風習、祭礼、芸能まで。すべてに、いま私たちが営んでいる日常生活のルーツがある。歴史の歩みを知り、これからすすむ道を探そう。伝統の型を身につけ、「形無し」ではなく「型破り」の新しい表現をつくりだそう。日本を深く理解して、世界に羽ばたく原動力としよう。
千年の都、京都だからこそ、時代の何歩も先をゆく芸術が学べる。

京造から変える。

「社会を変える前に、まず変えてほしい」。これは、私たちからのメッセージ。 「まず変えてほしい」ものとは、他でもない、あなた自身のこと。もちろん、授業で学べば知識も増えるし、技法を教わればテクニックも身につく。ただ、それだけなら他所でも学べる。それだけでは、社会を変えるチカラにはなれない。京都造形芸術大学が掲げる「藝術立国」とは、藝術を学んだ学生たちが、周囲はもちろん地域社会や日本、世界をより良く変えていくことをめざすもの。そのため、単に専門的な技術や知識だけでなく、「社会の物事を観る目」「他者の痛みを感じられる想像力」「新しい価値を生み出す創造力」や、自立した人として他者とともに生きる「人間力」を、すべての学生が手にすることを目標としている。
代表的な教育プログラムである「リアルワークプロジェクト」や「ウルトラファクトリー」も、学生だからという意識を変え、社会に通用する力や具体的な気づきを得るための取り組み。こうした学びによる劇的な変化は、あなた自身を驚かせ、見守る私たちの想像さえ軽く上回り、途方もない感動をくれる。 芸術のチカラ、そして、自分自身のチカラを信じて。つぎの社会につながる、この場所へ。