「歴史遺産」は、古い寺社や工芸品だけを指す言葉ではありません。
例えば、民家や民具。たった50年前にはありふれていたものが、
現在では過去の暮らしを知る貴重な手がかりとなります。

文化財について考えることは、かつての人々の営みを知り、
現在と未来を考える「視座」を与えてくれます。
過去を知り、歴史を学ぶことは、「未来に向かってどう生きていくのか」を
考えることにつながるのです。

京都は宮廷や社寺、町衆の文化が今も息づき、歴史と文化を学ぶには絶好の環境です。
当たり前のように目にしている風景の中にも、将来継承が危ぶまれるものが必ずあります。
文化財の保存・修復、調査研究の実践を通じて、「歴史遺産」を守り伝える一員を目指しましょう。

京都・瓜生山キャンパス

芸大の中にある歴史遺産学科でしか学べない教育とは!?

3つの特長

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「文化財保存修復」の技術と、
「歴史文化」の知識を両輪で育む

一般的な講義で歴史文化に関する広範な知識を学ぶことは、どの文学部や歴史学部でも行われています。
しかし、京都造形の歴史遺産学科の実習では、古文書・仏像・漆工芸・日本画・寺社・庭園など
本物の文化財を教科書に、文化財保存修復の高度な技術も身につけることができます。
知識と技術の双方を充実させることで、歴史遺産を多面的にとらえる視点を学びます。

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f1-p1 古文書演習

f1-p2 文化財保存修復基礎

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    東日本大震災、被災資料の修復

    日本庭園・歴史遺産研究センター歴史遺産研究部門による東日本大震災の被災資料の救援事業に多くの学生やボランティアが参加し、安定化処置を行いました。その中で大船渡市の旧家の襖の修復も行いました。

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    ガラス乾板保存処置プロジェクト

    約40年前まで写真ネガとして使われていたガラス乾板は歴史資料として保存の対象に。京都国立博物館所蔵の貴重な記録を、学生たちが調査・保存処置に取り組んでいます。

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    虫損被害の絵図の保存処置プロジェクト

    明治時代の甲賀市域を描いた絵図の保存処置を行っています。虫損で固着した絵図を展開し、裏打ちを施すなど、技術を駆使して文化財を次世代に残します。

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    庭園遺構移築保存プロジェクト

    大阪府島本町で発見された水無瀬離宮の一部とみられる遺構が都市開発によって失われる可能性があり、庭園遺構の移築保存を実施。市民参加型のプロジェクトに発展。

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特長2

千年の都・京都
豊富な文化財に囲まれて学ぶ

「机の前だけで、歴史は学べません」。実物の歴史遺産に触れることによって、モノを見る本物の目を養うことができます。
そういった意味でも、京都は宮廷や社寺、町衆などの文化が今なお息づいており、歴史と文化を学ぶには絶好の環境です。
授業では、まず京都の文化財を実地で訪れ、伝統行事へも参加するなど歴史遺産が息づくまちの魅力を体感します。

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庭園研究

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フィールドワーク

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在学生の声

まち全体がフィールド!京都だからこそ学べること。 絵を描くことは好きだけど、専門にするには自信がない…。そう思っていた時、文化財修復の仕事について知りました。美術と歴史は近い関係にあると思い、ならば芸大で学ぼうと進学。領域をわけずに学べるのが京造の良さですね。「京造ねぶた」制作などを通じて、続けたかったものづくりもできています。そして何より歴史のまち、京都で学ぶこと。歴史や本物の美がすぐそばにある環境は、ものを見る目も育ててくれます。

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歴史遺産学科専門の専用工房で、
実践教育を展開!

本物に触れて、自分で修復したモノを後世に残す過程を体験します。

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その他にもこんな授業を実施!

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    古文書などの史料から過去の出来事を明らかにするとともに、東洋書画など紙資料の保存修復に取り組む。

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    工芸品とその技術、祭礼と習慣、茶の湯・煎茶の授業の文化などを学び、未来へ伝える。

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    文化財の芸術的価値を感性で捉えるとともに、模写・模刻・復元制作を通じて文化財の保存・修復・活用に取り組む。

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担当教員

教授・学科長 仲 隆裕 日本庭園史、文化財庭園保存修復

教授 岡田 文男 文化財科学、考古遺物の保存処理

専任講師 坪井 剛 日本中世仏教史

教授 中村 利則 中近世住宅史、生活文化史

教授 伊達 仁美 民俗文化財の保存修復

教授 大林 賢太郎 装潢文化財(東洋書画)、写真の保存修復

教授 五島 邦治 日本文化史

客員教授(2016年度)

上杉 和央 歴史地理学

千 宗室 裏千家十六代家元

仲尾 宏 日朝関係史

山崎 隆之 日本彫刻技法史・保存修復技術(仏像)

[ 現在進行形 ]で活躍する卒業生たち!

博物館学芸員資格や地理歴史・社会科教員資格の取得
修復工房へのインターンシップを通じて、卒業後に本格的に歴史文化に携わることが可能です。
4年間の多彩な学びを活かす進路は多岐に渡ります。

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文化財を修復し、未来につなぐ
水谷 誠さん(みずたに まこと) 公益財団法人美術院 国宝修理所勤務

「仏像の修復家を志す多くは、美大でずっと彫刻を専攻してきた人。その人たちとは違う特徴を身につけるには、歴史遺産の学問的なアプローチが必要だと考えたんです」そう語る水谷さんは、技量が足りないなら、歴史遺産の理論的な裏づけを手にし、その学びを自分の武器にしようと考えて歴史遺産学科で4年間学んだ。また、歴史遺産学科だけではどうしても不足する力については、積極的に学科の枠を飛び越え、彫刻をはじめとする教員に教えを請いに行ったという。「本で見てきた仏像を実際に修復した先輩たちの言葉は違う。ここに入所する前は非日常だった世界が目の前にある。自分が作る側に立つと、当時の仏師の想像もつかない高みに畏敬の念を覚える。仏師の考えが痕跡の中に見えると、思わずため息がこぼれる。もうこの世界の深みにはまっているんです」そんな仕事に出会えたことが幸せだと感じ、日々研鑽の毎日を送っている。

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その他、卒業生インタビューはこちら

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元気な未来の作り方3(PDF)
歴史を学び、歴史をつなぐ

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目指せる進路 (進路実績)※一部

技術職
公益財団法人 美術院 国宝修理所
(仏像等彫刻作品の修理技術者)
株式会社 老松(和菓子職人)
株式会社 修美(文化財の保存修復師)
株式会社 さわの道玄(文化財の保存修復師)
角漆工(漆工職人)
笹谷芳仙堂(文化財の保存修復師)
株式会社 植弥加藤造園(庭師)
株式会社 開化堂(茶筒製造職人)
日本通運株式会社関西美術品支店(美術品梱包)
研究員
(公財)元興寺文化財研究所
(公財)大阪府文化財センター
吉田生物研究所
学芸員
(一財)調布市武者小路実篤記念館
(公財)真田山陸軍墓地維持会
石川県立歴史博物館
名古屋城総合事務所
康耀堂美術館
村上家資料館(海士町)
国立済州博物館(韓国)
舞鶴引揚記念館
日本観光開発 株式会社(企画運営)
株式会社 伊と忠(企画開発・販売)
PORT STYLE株式会社(店舗運営・販売)
株式会社 きものブレイン(きものの修理・修復)
総合職
日本観光開発 株式会社(企画運営)
株式会社 伊と忠(企画開発・販売)
PORT STYLE株式会社(店舗運営・販売)
株式会社 きものブレイン(きものの修理・修復)
事務職
大分市役所
京都芸術高等学校
石清水八幡宮
宗教法人 相国寺
河瀬満織物
市原亀之助商店株式会社
京都国立博物館
進学
筑波大学大学院
神戸大学大学院
京都造形芸術大学大学院
東北芸術工科大学大学院

Q & A
皆さまからよくいただく質問に
お応えします。

Q 「美術やデザインについての経験がないのですが、大丈夫でしょうか?」
Q-A 大丈夫です。事実、京都造形芸術大学に進学した約85%が美術・デザインコース以外の普通高校出身です。
(歴史遺産学科の場合、ほとんどの受験生が普通高校出身です)
Q 「歴史と美術、どちらにも興味があるのですが…」
Q-A 京都造形芸術大学の教育カリキュラムは「学科の学び」だけで完結するのではなく、「大学全体の教育」が、すべての学生に開放されていることが特長です。自分の専門外の分野に産学連携プロジェクト等を通じてチャレンジすることにより、新たな可能性を探求することができます。

学科の枠を超えたプログラム

Q 「受験科目はどのようなものがありますか?」
Q-A 京都造形芸術大学では表現技術の優劣だけにとらわれず、評価基準の異なる複数の入学試験を実施して多用な学生を選抜しています。
体験授業型入試を始め、公募制推薦入試・一般入試・面接型入試・大学入試センター試験利用入試など、受験生の得意とする能力に応じて受験することが可能です。
歴史研究クラブ 未経験からでもダントツ成長できる京都造形 卒業生のビフォーとアフター