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ドキュメンタリーは真実か?

皆さんこんにちは。
京都は寒暖の差が激しく、私の課でも体調を崩す方が増えてきました。
皆さんも健康にご注意下さい。

入学課は出張が多く、ビジネスホテルなどに泊まることが多いのですが、ホテルの部屋って、とても乾燥しますよね。
朝起きると喉がガラガラ、なんてことありませんか?

ホテルでは、私は必ず湯船にお湯をはったまま寝るようにしています。
こうするだけで、湿度が保たれ、随分と違うので皆さんもお試し下さい。

さて話し変わって、
先日NHKスペシャルで「クジラと生きる」というドキュメンタリーを放映していたのですが、皆さんはご覧になりましたか?

私はもともとドキュメンタリーも扱うテレビ制作者でしたので、大変興味深く拝見しました。

以下websiteより概要の引用です。

400年前から鯨を糧に暮らしてきた和歌山県太地町(たいじちょう)。沖合に、黒潮と陸潮(おかじお)がぶつかる豊かな漁場があり、そこに集まる鯨が、今もこの町の経済を支えている。
しかし今、その暮らしが危機に直面している。一昨年7月に公開された映画「ザ・コーブ」をきっかけに、海外の反捕鯨団体が町に常駐し、漁師たちの動きを監視している。狙いは、鯨の命を絶つ瞬間だ。カメラでとらえた映像をインターネットで公開することで、反捕鯨の声を高め、漁を中止に追い込もうとしている。その主張は「知能の高い鯨を殺すというのは許されない」というものだ。牛や豚などと同じように鯨肉を食べてきた町の人たちにとっては、代々受け継がれてきた食文化を否定されたも同じだ。
矢面に立つ漁師たちは、思わぬ外圧に憤り、抗いながらも、その意味を問い始める。命を奪うということは何か、人間が生きていくということは何か。やがてその波紋は、家族、学校、そして町全体へと広がっていく。
小さな町で巻き起こった捕鯨をめぐる国際問題。海外から全く異なる価値観を押しつけられる中、自らの暮らしを真摯に見つめ直す、太地町の人々の半年に密着した。

捕鯨問題に関して、このブログでその賛否について議論しようなどとは思いませんし、私の意見を他人に押し付けようとは思いません。

ただ一つだけ確かなのは、
人間は生きるために他の生き物を食べている」ということ。
命をいただいている」という意識。

さて、本題に入ります。

映画「ザ・コーブ」は、2009年度第82回アカデミー賞長編ドキュメンタリー映画賞など数々の賞を受けた作品です。

一方のNHKスペシャル「クジラと生きる」も同じドキュメンタリー番組。

一般的にドキュメンタリーとは、制作者の意図や主観を含まない事実の描写とされています。
だとすれば、同じ「太地町の捕鯨」をテーマとして描いているのにも関わらず、なぜこうも違う作品となるのでしょうか?

制作者として私が思うに、その理由は、実は制作者の意図や主観を含まないドキュメンタリーは存在しないからだと思います。

何をどのように撮影し、撮影したどの部分を使用してテープをつなぎ合わせ、どのくらいの時間の作品にするのか、

それらはすべて制作者の主観の元に行われます。

したがって、同じ題材を扱っていたとしても、
企画構成の仕方、撮影の仕方、編集の仕方などにより、様々なコンセプトのドキュメンタリー作品ができるのです。

「ザ・コーブ」の場合は、捕鯨は残酷極まりないということを訴えることが目的であるため、このような映画ができるわけです。最初から真実をありのままに伝えることが目的ではなく、自分たちが伝えたい事実を伝えているわけです。

ちなみにこれが「報道」であれば、事実をありのままに伝えることが目的であるため、その過程においてできる限り客観性や中立性を常に意識に置かなければなりません。

つまり、どちらかの主義主張に肩入れした内容であってはなりません。

この点、NHKはどちらかと言うと報道の要素の強いドキュメンタリーだったと思います。

捕鯨の賛否についてというよりも、太地町の人々が「命を奪うということは何か、人間が生きていくということは何か」について悩み、自分たちの文化を見つめなおす様子を克明に描いていたからです。

ある著名なドキュメンタリー監督は、
ドキュメンタリーは、現実の素材を再構成したフィクションであり、世界を批判的に受け止めるための手段」と定義しています。

テレビやインターネットを通じて様々な映像(のみならず情報)を、誰でも気軽に見ることができるようになりましたが、すべてが事実とは限りません。
さらには、それらの情報は様々な価値感やイデオロギーを押し付けてきます。

それら情報を鵜呑みにせず、主体的に解読する力、所謂メディア・リテラシーが求められている時代だと改めて感じました。

番組について詳しくはこちら
→NHKスペシャル「クジラと生きる」

投稿者:入学課 作山