オペラ「椿姫」の稽古を見てきました。

12月 01日, 2014年
カテゴリー : プロデューサー目線 

11月16日、オペラ「椿姫」の音楽稽古を聴きに東京へ行ってきました。この日は、松下京介さん指揮のもと、ヴィオレッタ役の川越塔子さんとジェルモン役の黒田博さんお二人だけの稽古でした。本番は川越さんが片桐直樹さんと、黒田さんが江口二美さんとのコンビになるため、お客様にはお目にかかれない組み合わせでした。それでも、厳格な父親とその息子を愛してしまった高級娼婦とのバトルは迫力満点でした。徐々にヴィオレッタの真剣さに気づいていくジェルモン。父親の家族に対する愛情に身を引くことを決心するヴィオレッタ。川越さんは繊細な表現力でその心情を歌い上げ、黒田さんは深みのある声で父親の威厳とヴィオレッタへのいたわりを演じていました。江口さんと片桐さんの組み合わせが聴けないのは残念でしたが、逆に期待感が高まりました。
アルフレード役の清原邦仁さん、松本薫平さんを含め「凄いキャストを良く集めましたね」と京都ヴェルディ協会の幹部に褒められたのをはじめ、何人かの評論家も認めてくれている今回のキャストは、皆様の期待を裏切らない舞台を見せてくれることでしょう。

11月26日はアンサンブルの方たちの立ち稽古初日を大阪で見てきました。
指揮の松下京介さん、演出の三浦安浩さん、そして公演監督の松山郁雄さんが東京から駆けつけての稽古でしたが、皆さん大変明るく、積極的に役作りをしていました。元気な関西を象徴するような活気は本番が楽しみです。脇を固めてくれているソリストも、レベルの高い人が揃っていました。
春秋座の回り舞台を使った三浦さんの演出やエレクトーンと生の弦楽器との調和を実現し、新しいサウンドを目指す松下さんの指揮も斬新です。また、舞台美術デザイナーの第一人者、石井みつるさんによる、お金を掛けずにアイディアで勝負する美術にも注目です。

オペラ「椿姫」はいよいよ今月の20日(土)、21日〔日〕に迫りました。1万円未満で感動していただけるこのオペラを、どうぞお見逃しなく!

橘市郎(舞台芸術研究センター 顧問プロデユーサー)