情報デザイン学科

2016年2月

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2016年2月29日  ニュース

【卒業展】2015年度 学長賞 受賞者コメント

卒展3日目はあいにくの雨となりましたが、ご来場くださった皆様ありがとうございます。

今日は学長賞を受賞した水野開斗さんの受賞コメントをご紹介します!

mizumo

映像メディアコース

水野 開斗さん

 

【受賞のコメント】
学長賞を授賞いだだきありがとうございます。

この作品では映像を扱っていますが、映像を投射するための壁を立てるなど

ひとりでは出来ない作業がたくさんありました。

アイデアから作品構成まで指導してくださった先生方やスムーズな作業環境を

提供してくださったスタッフさん、そして一緒に作品を完成させてくれた同級生のみんなに、

本当に感謝しています。

 

これまでは画面上で再生されるデータとしての映像作品が多く、

今回の立体物と組み合わせての展示は自分にとって、とても大きなチャレンジでした。

そのぶん今までに味わったことのない手応えを感じながら制作を進めることができました。

モチーフになっている「 ◯ 」と、イメージを与えるように投影されている映像の、

このふたつの関係性に注目してご覧ください。

受賞ノミネートを目標にしてきましたが、結果この賞をいただけて本当に光栄です。

zuroku

mizuno_work

ものを見るというごく日常的な行為にフォーカスし、目に入った光に認知が働きかけて

情報をまとうまでの過程が、いかに普段、高度でさりげなく行われているかを自覚させてくれる作品です。

自分の意識の外側をかいま見る静かな興奮があります。

ぜひ会場で、体験してくださいね!

 

京都造形芸術大学 卒業展/大学院 修了展 

日程:2/27(土) – 3/6(日)

時間:10:00~18:00

場所:京都造形芸術大学 瓜生山キャンパス

http://www.kuad-sotsuten2015.com/

 

 

3/5-6 同時開催!オープンキャンパス 

http://www.kyoto-art.ac.jp/opencampus/sotsuten/ 

 

 

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教員紹介 イベント ゲスト講義  情Dの日常

授業風景   1年生   2年生   3年生  4年生

受賞、展覧会、メディア掲載情報

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2016年2月28日  ニュース

【卒業展】2015年度 特別賞発表

昨日から卒業展が始まりました。

 

初日の昨日は、各賞の発表とゲスト講師を招いての情D講評会を行いました。

熱い講評会の様子と2015年度 学長賞/優秀賞受賞者のコメントは

明日以降のブログでじっくりお届けしますね!

 

今回は、情D学科の特別賞 受賞情報を

豪華なゲスト講師陣の選評付きでお知らせします。

 

受賞者記載情報は以下の通りです。

【賞名称】

氏名|Name|コース

「作品タイトル」

表現メディア|展示場所

 

※ 情報デザイン学科は2013年度1年生から「情報デザインコース」「イラストレーションコース」の

112コース編成になりました。

11現4年生「コミュニケーションデザインコース」「映像メディアコース」「先端表現デザインコース」の

11カリキュラムは「情報デザインコース」として統合されています。

 

 

 

【榎本了壱 特別賞】1名

 

11221001_YuukaAsada

 

浅田優花|コミュニケーションデザインコース

「存在」

切り絵|人間館 NA309b

 

【選評】

表現の先端性・未来性を求めて、作品を見て回りましたが、あなたの作品のプリミティヴさ、

古典性、手仕事性に、そこはかとない共感を感じました。

古い事に少しも恥じることなく、新しい仕事へと、発展されますことを、期待します。

榎本了壱

 

 

 

【カムズグラフィック 特別賞】1名

 

図録用

田中優希|イラストレーションコース

「Dinosour cell In Aspic」

パネル|人間館 NA311

 

【選評】

興味のあるものに、まっすぐに取り組んだところに好感を持ちました。

まだまだ物足りないところはありますが、どんどん手を入れて10年後にまた観せてください。

寺田順三

 

 

 

【ヒロ杉山 特別賞】1名  ※「優秀賞」も併せて受賞

 

11222024_AkinaTokiyoshi

時吉 あきな|TOKIYOSHI Akina|イラストレーションコース

「ブラントワール京都30700号室」

インスタレーション|望天館 B24

 

【選評】

イラストレーションという古くなりかけている概念をぶち壊すような作品でした。

講評会のなかでは「汚い」というコメントも多々ありましたが、僕はそれも含めてエネルギーを感じました。

左脳を刺激する作品が多い中、右脳を刺激してくれる魅力的な作品でした。好きな作品です。

ヒロ杉山

 

 

 

【増田セバスチャン 特別賞】

 

11221022_YukaNakai

 

中井友香|コミュニケーションデザインコース

「…!」

映像|人間館 NA309a

 

【選評】

実際に難聴の方だと聞いて、この作品を選びました。

自己の身体と表現のリアリティが上手く結びついているおり、誰もマネしたくてもできない作品。

残念なのはコンセプトに対して映像のパッケージが普通過ぎること。

身体的なデメリットは優位性でもあるので、小さくならずに、もっともっと我々の知らない世界を表現していってほしい。

増田セバスチャン

 

 

 

京都造形芸術大学 卒業展/大学院 修了展 

日程:2/27(土) – 3/6(日)

時間:10:00~18:00

場所:京都造形芸術大学 瓜生山キャンパス

http://www.kuad-sotsuten2015.com/

 

 

3/5-6 同時開催!オープンキャンパス 

http://www.kyoto-art.ac.jp/opencampus/sotsuten/ 

 

 

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2016年2月27日  ニュース

【速報】2015年度 卒業展 受賞情報

2015年度 京都造形芸術大学 卒業展における、情報デザイン学科の受賞情報速報をお知らせします。

 

記載情報は以下の通りです。

氏名|Name|コース

「作品タイトル」

表現メディア|展示場所

 

※ 情報デザイン学科は2013年度1年生から「情報デザインコース」「イラストレーションコース」の

112コース編成になりました。

11現4年生「コミュニケーションデザインコース」「映像メディアコース」「先端表現デザインコース」の

11カリキュラムは「情報デザインコース」として統合されています。

 

 

 

【学長賞】1名

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水野 開斗|MIZUNO Kaito|映像メディアコース

「Image ものをみることについて」

インスタレーション|人間館 NA310b

 

【選評】仕組みを知るのは面白い。日常生活の中では当たり前過ぎて気にも留めないようなところにデザインの種はある。「エデュケーショナル」という共通テーマ(※)に則って、「見る」という行為の仕組み、私たちが何気なく使っている「イメージ」という概念についての考察を、水野は◯(正円)に着眼し、視覚的愉楽から思考を誘う精錬されたデザインアウトプットで見事に具現化してみせた。

※ 映像メディアコース卒業研究「共通テーマ」 

 

 

 

 

【優秀賞】4名(コース別、五十音順)

11121023_SyokoSekiya

 

関屋 晶子|SEKIYA Syoko|コミュニケーションデザインコース

「ME&HER typography」

プロダクト|人間館 NA309b

 

【選評】書体を日常品に置き換えて遊ぶ企画。たとえばumbrella の持ち手は小文字のu、メガネのglasses はダブルデッキになった小文字のg、ちょっぴり楽しい世界ができました。商品企画としてのおもしろさを評価しました。

 

 

 

11222024_AkinaTokiyoshi

 

時吉 あきな|TOKIYOSHI Akina|イラストレーションコース

 「ブラントワール京都30700号室」

インスタレーション|望天館 B24

 

【選評】原画と複製物としてのイラストレーションとの境界に目を向け、原画と複製物がだいたい同じだと認識できる状態を「ほぼイラストレーション」としてテーマにしている。「ほぼイラストレーション」の確認に留まらず、「ほぼ」や「だいたい同じ」を逆手に取り、たまに実家からやってくる愛犬から見た風景を構築し、あえて微妙な違和感を発生させる空間づくりを目論んだ優れた作品である。

 

 

 

11222043_ManaYamana

 

山名 真奈|YAMANA Mana|イラストレーションコース

「やまのやまい」

絵本|人間館 NA311

 

【選評】作者の看病体験がこの作品の根底にある。山が緊急入院するという導入から、よくある自然保護の絵本かと先読みする読者は、パンクな展開に唖然とするだろう。絵と文とモンタージュのダイナミズムと現代性。きわめて健全に受け継がれたヘタウマとバッド・チューニング。飄々と見えるのが不思議なほど破壊的なナンセンスがわれわれの日常の倦怠を引っくり返してくれる。新しい絵本作家誕生の予感。

 

 

 

11224006_ReiOriyama

 

折山 黎|ORIYAMA Rei|先端表現デザインコース

「羊と向き合う」

インスタレーション|人間館 1Fラウンジ

 

【選評】折山黎は、小学校の時クラスで羊を飼い大変可愛がっていた。その羊がある日持ち主に返却され、その後羊がどうなったかが気になっていた。卒業制作を通して、家畜としての羊、ペットとしての羊、食料としての羊、キャラクターとしての羊等、様々な面を見せる羊と「向き合う」ことを行った。屠殺場に行き、皮や骨に触れることによって得られたものは、答えではなく、新たな「問い」を生み出した。その問いかけとしてのモノ達が展示されている。

 

 

 

 

【奨励賞】19名(コース別、五十音順)

11221006_AyakoOyama

大山 文子|OYAMA Ayako|コミュニケーションデザインコース

「PAVE」

立体 |人間館 1Fラウンジ

 

【選評】まずプロダクトとしてその完成度が高い。充分インテリアとして耐えうる。チェス、バッグギャモンなど、これもボードゲームとしての価値である。次に実際にプレイしてその奥深さに驚く。ルートを作りながら進む双六は経験がない。短時間では存分に体験していただけないのが非常に残念だ。彼女の長所は自己表現に拘らず、多くの意見を昇華させる力である。試作をゼミ内で繰り返しプレイすることで多くのアドバイスを受け、最もゼミを活用していた。

 

 

 

11221007_YokoOgawa

小川 洋子|OGAWA Yoko|コミュニケーションデザインコース

「らくごくらぶ」

ミクストメディア|人間館 NA306

 

【選評】落語には必ず「見せ場」があります。その見せ場を文字にして視覚化し見せ場だけを映像にして落語を学ぶ落語倶楽部。口伝で伝えられてきたことをわかりやすく情報を編集したことを評価しました。

 

 

 

11221016_NaokiSugimoto

杉本 尚樹|SUGIMOTO Naoki|コミュニケーションデザインコース

「分けましょう和束」

プロダクト|人間館 NA306

 

【選評】宇治茶の中の和束茶ブランドのプロモーション。学生自らが継続的に現地プロジェクトに参加し、内部からリサーチを重ねることで問題発見から解決の方法を探る制作プロセスは、7 つの能力そのものの実証である。宇治茶発祥の地でありながら、個別のブランド力が弱い「和束茶」。高級で絶対の自信を持つ商品力を、まずはお試しのパッケージデザインから展開させているのは、周知力を高かめる魅力的なアプローチである。

 

 

 

11221017_HanaeSuzuki

鈴木 英恵|SUZUKI Hanae|コミュニケーションデザインコース

「他人想記」

冊子|人間館 NA309b

 

【選評】市井のひとびとから見えてくる想像。名前も職業も年齢もわからない人々を描き僅かな情報から「その人」を想像する楽しさ。鈴木にしか描けない繊細な線と発想力、表現力を評価しました。

 

 

 

基本 RGB

降矢 瑞生|FURIYA Mizuki|コミュニケーションデザインコース

「flying」

アニメーション|人間館 NA309a

 

【選評】終始アニメーションに興味を持ち、コミュニケーションデザインで幅広く学ぶカリキュラムを、アニメーション制作に展開できたことが今回の結果である。卒業研究で難しいことの一つとして、スケジュールコントロールがある。繰り返し修正を加えながら、緻密な背景までもひとりで手描きアニメーションとして仕上げることは至難のことだ。一貫してアニメーション制作にエネルギィを注ぎ、ゼミ内で誰よりもコツコツと制作に時間を割いてきたことは充分に評価できる。

 

 

 

11221036_MomokoMatsuuchi

松内 桃子|MATSUUCHI Momoko|コミュニケーションデザインコース

「色覚異常の可視化」

ミクストメディア |人間館 NA306

 

【選評】これからの時代、ヴィジュアルコミュニケーションを行ううえで、色覚異常への問題を避けて通ることは難しい。とはいえ学びの場で正面から向きあうのはもっと困難である。そんな大きな問題にテーマとして正面から向き合い研究できたことは、それだけで充分に評価できる。しかもその難しい問題を見事にさらりと、誰にでもわかるように表現できていることはプロでも見習うところが多く見受けられる。身近な問題発見から解決まで見事だ。素晴らしい!

 

 

 

11221039_AyaMiyoshi

三好 綾|MIYOSHI Aya|コミュニケーションデザインコース

「 暮らすまち」

写真|人間館 1Fラウンジ

 

【選評】自分の育った町がとなり町など数個の町と合併して香川県三豊市になった。しかし昔からの町の存在は今も変わりなく、逆に市としての認識を低く感じている。このことを問題として卒業研究を開始。この研究制作はひとりで全ての取材・編集・デザインを行うのではなく、「自分にできること」とは何か、「地元の人にもできることがあるはず」と考え、本人は写真家として活動。この制作から「地域を共につくるきっかけ」を提案したことに評価した。

 

 

 

11221041_MisakiMega

妻鹿 美咲|MEGA Misaki|コミュニケーションデザインコース

 「suntory「 七つの海」」

ポスター|人間館 1Fラウンジ

 

【選評】卒業研究着手当初より、2 つの研究テーマを探求していた。ひとつは「水」をモチーフになにか新しいイメージが創れないだろうか。もうひとつはアドバタイジングである。前者はドローイングとして身体からあふれ出す軌跡であり、後者は企業研究からの理論に基づく。両者を融合させることで、新しい企業イメージを創造している。オーソドックスに見えがちだが、研究として「表現」「思考」2 つを着地させたことは見事であり、そのプロセスが完成度を導いている。

 

 

11222025_Ena Nakano

中野 愛菜|NAKANO Ena|イラストレーションコース

「よるをつぐ」

パネル・映像|望天館 B23

 

【選評】美しく儚(はかな)いものを求めてきた作者がたどりついた風景……風景というより情景。情報デザインの「報」よりも「情」に彼女は深く分け入った。描かれた原風景の中に不意に現われ消えていくものの一部でも共有する人は、忘れていた大切なことを思い出し、またここに帰ってきたくなるだろう。絵画と動画と音楽がスタティックに合わさって湧き出た静けさは、自己表現の喧噪の中のオアシスのようでもある。

 

 

 

11222027_MaoNagai

永井 麻央|NAGAI Mao|イラストレーションコース

「a course」

アニメーション|人間館 NA301

 

【選評】鑑賞者を壮大な旅に連れ出す線画によるアニメーション。そこに繰り広げられるスペクタクルは、制作の中心軸にある厳密な快感原則による効果のため、モノトーンでありながらも実にサイケデリックだ。独特な視点の移動が、次々に立ち現れる風景を予測不可能にし、その楽しさは見事にエンターテイメント性をも獲得している。ダリの引用も効果的である。アナログ動画の可能性を広げた作品といえるだろう。

 

 

 

11222032_AkariFujikawa

藤川 明莉|FUJIKAWA Akari|イラストレーションコース

「Counterpoint」

ポスター|人間館 NA311

 

【選評】藤川は、アナログとデジタルを行き来する方法論により、物質の透明性と音楽の重層性を巧みにリンクさせた。抽象的な美しさが際立つドローイング、思考のプロセスを映像化したアニメーション、シルクスクリーンによる透明感の演出等、メディアの使い分けも興味深い。湧き出る多様なイメージを的確に捉え繊細かつダイナミックに展開した意欲的な作品である。

 

 

 

11222037_ShingoMinamida

南田 真吾|MINAMIDA Shingo|イラストレーションコース

「ツアー」

インスタレーション|人間館 NA311

 

【選評】Google ストリートビューを題材に、壁面をディスクトップ、キャンバスをウィンドウに見立て、仮想空間をトレッキングする作者自身の網膜イメージをシリーズ絵画として表現。トレッカー(ストリートビュー専用カメラ)の撮影現象による風景のメタモルフォーゼ、デジタル画像特有のグリッチ、ディスクトップ上のアイコンを再現し、Web やGUI の先進技術を批判(的)にとらえ、観光と情報のゆらぎを明示化。

 

 

 

11222042_TomomiYamakawa

山川 友美|YAMAKAWA Tomomi|イラストレーションコース

「名刺」「マゼンタ」「100%ラグラン」

「CARROT SALE」「モデルシラサギ」

ミクストメディア|望天館 B24

 

【選評】イラストレーションを広義に「通常はこうなるだろうというイメージを現実化させること」ととらえ、イメージの複製物としてイラストレーションを描こうとしている。しかし、そう簡単にイメージは現実化されず、ズレが発生する。そのズレを「ノーフィクション」というテーマにし、一ヶ月に一作品を作成し、様々な現実におけるイメージとのギャップを提示する優れた作品である。

 

 

 

11223002_ishizusachi

石津 祥|ISHIZU Sachi|映像メディアコース

 「立ちのぼる」

映像|人間館 NA301

 

【選評】この作品の魅力は、何と言っても被写体と絵作りのアンバランスだろう。主人公の女は、男の前では決して見せない年頃の女性らしからぬ姿をカメラの前に晒している。しかし、それは息をのむほどに美しくキレのある映像となって切り取られている。観る者は、ここに作者のテーマを垣間見る。“いつだって女は女だ”と作者は語った。鋭い感受性と確かな技術が高く評価された。

 

 

 

11223011_ReijiNomura

野村 怜史|NOMURA Reiji|映像メディアコース

「fin」

実写映像|望天館 B41

【選評】4年間、劇映画一筋に研究と制作を続けてきた作者の集大成というべき力強い作品となった。物語の展開を巧みに利用しながら、映像の表現特性、特に回想表現を基軸にした時間感覚の再構成に挑戦し自分のものとしている点が高く評価できる。照明や構図、キャメラワークなどにも工夫がみられ、全体として完成度の高い作品となった点が評価された。

 

11223013_Ayukohayashi

林 亜由子|HAYASHI Ayuko|映像メディアコース

「Video-tope」

インスタレーション|人間館 NA302

 

【選評】自身の制作した映像世界の中に、生身の自分が入り込みたいという冀求。些細な、しかし作者にとって根源的な発想は、映像と音とのシンプルな仕掛けによって、緻密にブラッシュアップされた。「つくる者」と「つくられるモノ」との往復体験を、映像の仮想機能を巧みに活かし、「自己」と「環境(情報)」の関係を意識させる装置としてデザインしている。

 

 

 

11224007_TomokoKinugawa

衣川 智子|KINUGAWA Tomoko|先端表現デザインコース

「文字と線、線と装飾」

ポスター、冊子|人間館 1Fラウンジ

 

【選評】欧文書体と花形装飾は同じ平面の印刷物としてまとめて捉えられがちだが、歴史や起源からは全く異なった発展を遂げ活字となっている。双方の共通点として人間が自然を見本に生み出し法則をつけ美を求めてきた。「トラヤヌス帝の碑文」を衣川智子は自身のストロークによって、「文字」と「装飾」という二つの歴史から不可視化した線をふりかえる試みをした作品。

 

 

写真データ

 

松村 優里|MATSUMURA Yuri|先端表現デザインコース

「re—view」

インスタレーション|人間館 NA312

 

【選評】田中一光著『田中一光自伝われらデザインの時代』から歴史の視覚化を試みた。著者自身の生涯をふりかえり、グラフィックデザインの歴史とその社会的役割、仲間のデザイナーとともに築いたデザイン界の経緯、それらの時代における背景を「田中一光」を中心として1950 年代から1980 年代をダイアグラムによって視覚化した作品は松村優里の視点を通して大切なことを伝えようとしている。

 

 

 

11224025_RyoichiYokota

横田 凌一|YOKOTA Ryoichi|先端表現デザインコース

「カミのオング」

インタラクティブ|人間館 1Fラウンジ

 

【選評】横田凌一は、身近な素材である紙に注目し、紙に触れることによる様々な変化を、自身がプログラミングした電子音響システムに導入することにより、身体と紙の接触によって生まれるゆらぎのある音が生まれる装置を制作した。これらの装置に触れることにより、楽器を演奏するような感覚となり、普段紙を触っているという当たり前の行為も、実は音楽を奏でていることであるというメッセージを発している。

 

 

 

京都造形芸術大学 卒業展/大学院 修了展 

日程:2/27(土) – 3/6(日)

時間:10:00~18:00

場所:京都造形芸術大学 瓜生山キャンパス

http://www.kuad-sotsuten2015.com/

 

 

3/5-6 同時開催!オープンキャンパス 

http://www.kyoto-art.ac.jp/opencampus/sotsuten/ 

 

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授業風景   1年生   2年生   3年生  4年生

受賞、展覧会、メディア掲載情報

 

 

 

 

 

 

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2016年2月25日  インタビュー

【教員紹介】第9弾:岡村先生

「情報デザイン学科をもっともっと知ってもらいたい!」ということではじまった、

インタビュー企画の第9弾!!

 

今回は、“絵から映像・アニメーションまで、分野をこえた視覚表現の達人” 

岡村寛生(おかむらひろき)先生のご紹介です。

_MG_6051

主な授業:イラストコース2年次「思考・発想・表現力基礎」 主な授業:      

     イラストコース3年次「総合演習 -ナラティブ-」

 

イラストレーションコースと映像メディアコース(※1)を担当する岡村先生は、

1年生の基礎的授業から4年生の卒制指導まですべての学年を受け持ち、

ユニークな授業内容で評判の先生です。

同じ情Dの川合匠先生とのアートユニットカワイオカムラ」の一員としてもご活躍で、

そのコマ撮りとCGを合わせた精巧なアニメーション作品は

国内外の展覧会や映像フェスティバルでも高い評価を受けています。

 

しかも!今週末から始まる卒業展では、学科のディレクターとして

たくましい腕で情D生全体をまとめ上げてくださっています!

まるで頼れるパパのような岡村先生

卒業展を間近に控えた4年生2人がインタビューを決行しました。

 

作品制作の肝からなんとお笑いまで、“つくる・描く”ことについて、

4年生との対談ならではのリアルで熱いお話が展開されました。

(岡村先生の詳細なプロフィールはこちらからご覧いただけます。)

 

京都造形芸術大学 卒業展/大学院 修了展    

日程:2/27(土) – 3/6(日)  時間:10:00~18:00  

場所:京都造形芸術大学 瓜生山キャンパス  

http://www.kuad-sotsuten2015.com/    

 

3/5-6 同時開催!オープンキャンパス     

http://www.kyoto-art.ac.jp/opencampus/sotsuten/

 

※ 情報デザイン学科は、2013年度入学生から

※ 「情報デザインコース」「イラストレーションコース」の2コース編成になっています。

※ 現4年生「コミュニケーションデザインコース」「映像メディアコース」

※ 「先端表現デザインコース」のカリキュラムは「情報デザインコース」として統合されています。

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

話し手|情報デザイン学科 准教授 岡村 寛生 先生

インタビュアー|映像メディアコース 4年生 杉本 龍哉 くん(写真 右)          

        映像メディアコース 4年生 中西 綾 さん(写真 中央)       _MG_5963

中西(以下、中):まず「カワイオカムラ」結成のきっかけを聞かせてください。

 

岡村(以下、岡):みんなにはカワイオカムラの話をほとんどしてなかったですね。もともと僕と相方の川合さんは京都市立芸大の同級生で、いっしょにバンドを組んでたんです。川合さんは彫刻専攻でラグビー部でドラムス担当、僕は油画専攻でテニス部でギター担当。僕がこんな体格やからか、周囲からはよく逆に見られてました(笑)最初はずっとそれぞれ個人で制作してたんやけど、大学院の時に「バンドをするような感じで作品をつくったら可能性が広がるんちゃうかなあ」って話になって。当時僕はでっかいライトボックスに絵を描いた、舞台装置や巨大看板みたいな作品をつくっていて、川合先生は樹脂や鉄でつくった大きな立体文字に照明を当てたり、と、やはり舞台装置的な作品をつくっていた。そうした路線が似ていたということもあって、大学院の時に共同制作を始めたんです。それがきっかけでもう結成20周年を超えました。正直こんなに続くとは思ってなかった(笑)

 

:もともとの専門は絵画と彫刻ということですが、今は映像ですよね。どういう風に役割分担されてるんですか?

 

:当初は「何つくろう?」みたいなことから話し始めて、それぞれが作った彫刻的なものと絵画的なものを組み合わせてました。同じような過程でいくつか制作しているうちに、「次の制作はどんなルールでつくるか」という、“つくったものを組み合わせていくプロセス” が面白くなってきて。それが映像作品を制作する時の技術的なプロセスとリンクしたんです。ただ二人とも映像に関する技術や技法については専門的な教育を受けたわけではないので、ずっと試行錯誤の連続でした。なので今でもあまり役割分担はなくて、たとえばあるカットは撮影を始めた方が最後まで担当する、別のシーンでは手をつけた方がやりきる、というような感じで、スパッと分かれてはいないですね。テニスのダブルスで前衛と後衛が入れ替わるみたいな感じ。そうはいっても、アニメートや立体造形的なことは川合さんが中心になったり、そのイメージを起こすストーリーボードを僕が描いたりなど、担当する作業に傾向はあります。

 

:初めて作品を見た時、人形の顔が川合先生に似てたので、完全に川合先生がつくってるのかなって思ってました。

 

:それは初めての指摘やわ(笑)キャラクターには元になるモデルが実在してるんです。それを僕が絵で起こして、川合さんが造形して、その着色を僕がまたやって、と、互いの手が入ってます。

  _MG_6082_2

:二人で作業する時に意見がぶつかったり、困ることはありますか?

 

:ぶつかることは結構あります(笑)でも、ともに「とりあえず相手が言ったことを試してみよう」というタチやから、実際に試してみて決めることがほとんど。だから二人だけでやってるわりに、途中で意見が合わなくなって中断するということはほとんどない。むしろ、いかに中断させずに続けられるか、どこで納得できるか、並走しながらせめぎ合っている感じです。

 

杉本(以下、杉):そういう関係性って、研究室の個人ブースの位置にも関係あるんですか?岡村先生、李先生、川合先生ってならんでるじゃないですか。間にクッションをはさむような感じで。

 

:位置は関係ないですよ(笑)前任の方が退職されて空いた場所に新しい先生が入るという習わしで、たまたま今の場所になっただけ。でもそう言われてみれば、カワイオカムラの間にはさまれた李先生は気持ちわるかったかもなぁ・・・

 

一同:笑

 

遊び_派手系

 

:今から考えるとですが、確かにブースがとなり合わせだったら何かとやりづらかったかもしれない。“カワイオカムラとして” と “学科教員として” との兼ね合いがね。二人そろって情Dの教員になると決まった時は、授業の合間に制作の話ができるかもとか、あわよくば授業を終えた後に制作できるかもとか、淡い期待があったけど、結局大学内で自分達の制作の話はしないです。コンセプトやアイデアをつくる打ち合わせは学校以外のところで、その場所のムードを借りて頭を切り替えてます。

 

:なんだか微妙な関係性なんですね。岡村先生は造形大の前にも他の学校で教えてたんですか?

 

:うん、大学院を出てからずっと何かしら先生をやってました。コンピュータの専門学校とか、京都市立芸大とか。

 

:市芸出身の副手さんが、情デに着任した時「カワイオカムラを作家としてしか知らなかったから、情デにおられてびっくり。完全に“先生”って顔をしてはって」って言ってましたよ。

 

ポートレート(mono)

 

:今は教育ユニットとしてもバリバリ活動してるから(笑)人生で最初に担当した授業は、コンピュータの専門学校で、200人くらいの学生を相手に、ビジュアルコミュニケーションをテーマにした授業でした。今でこそコンピュータとデザインって、全く違和感なくつながるけれど、20年くらい前はコンピューターが「マルチメディア」と言われていた頃で、コンピュータの専門学校に通う学生が視覚デザインや美術を学ぶことにまだ違和感があった時代でした。でもこれからはプログラマーやシステムエンジニアを目指す学生も視覚表現の素養が必要だということで、まずはデザインの基本や面白さを教えて、コンピューター言語以外の特技も持ってもらおう、というような目的の授業でした。

 自分達の制作においても、“ポップであること” は中心に据えていたんですが、ファインアートというフィールドで発表していたこともあって、やっぱりどこかで、わかる人にしかわからないことを良しとしていたところがあった。それが授業を通して学生と関わり合う中で、からまったものをいかにひも解き、上手く伝えられるかということの面白さについて、少しずつ考えを深めていきました。今思うと、人に教えることが制作につながっている部分があったんやなと。表現としてやっていることと、教員としてやっていることにつながりがあったから、どちらも続けて来れたんだと思います。

 

:”教えること”から”発表すること”にフィードバックがあるんですね。では逆に、アート作品を発表している経験をデザイン教育に反映させているのはどんなところですか?

 

:ものをつくる時のプロセスで自分が工夫し学んできたことを、一方では方法論的に、もう一方では感覚的に伝えられることです。たとえば一枚の絵を描く中でもいろんな工夫があるでしょう? モチーフ選びから、いかに描き進めるか、どう偶然を取り入れるか、どこに着地させるか、とか。そういったプロセスの視点や、表現技法、画材やグラフィックソフト等、方法全般について伝えたいこともあるし、これまでの経験から得た感覚的なアドバイスもしたいと思っています。作品発表の経験談よりも、ものをつくる・描くプロセス、その素晴らしさをいかに伝えられるかを意識しています。

 

:合評の時に、それぞれの先生がコメントされるじゃないですか。その時、岡村先生と川合先生は “お笑い” みたいなものが主軸にありますよね? さっき言ってらした “ポップさ” だったり。さっき、やりとりのプロセスに重きを置いているって言われたじゃないですか。僕、サッカーをしてたんですけど、先生達の作品の『ヘコヒョン』や『コロンボス』を見てると、サッカーの試合を見ている感じがするんです。

 

コロンブス

:それはどういうこと?

 

:たとえば、サッカースタジアムの一番上のヒマラヤ席から試合を見たら、ピントは合わせられるけどズームはできない。だけどテレビで見ていたら凄くズームされたりする。そういうのって、僕は「義務的にやらされてる」「見させられてる」っていう風に感じる。お笑いもそういう、ある種「見方を誘導する」っていう要素があると思うんです。で、『コロンボス』だったら急にズームになっちゃったり、『ヘコヒョン』だったら視聴者としてニュースを見てるはずなのに、気がつくとその元になったニュースをキャスターの人と同じ目線で見ていて、結局そのニュースの内容には触れずに、3分っていう始まりと終わりはしっかり決まってて、そこで起きる偶然性なんかも回収されないまま終わっちゃうっていう。それが「見ようとして待ったのに通り過ぎさせられた」みたいな、お笑いの要素でもあると感じて。思い返してみれば、先生達のコメントはそういうところを意識してるんだなっていう部分が多かったなぁと。

 

:“お笑い” は大事やし、そもそもすごく深いテーマ。“お笑い” を感じることは、人間の感覚としてある意味一番高度な構造なんちゃうかと思います。最近のニュースで「2045年には人工知能が人間を支配してるいうのがあるけど、このあいだ川合さんとも、人工知能の最後のハードルになるのは“お笑い”の感覚なんじゃないかって話をしました。”お笑い“ って「ワハハ」と笑うだけじゃなくて、ちょっとズラせば恐怖にも感動にもなる。その辺は実際に扱ってみないとわからないから、常に試運転みたいなところもあって、みんなの作品を見る時もついついそういうところが気になります。一年くらい前に上映された「フォックスキャッチャー」という映画は、実在する大金持ちのデュポン財団というところの御曹司が、アマチュアレスリングの選手を射殺した怖い殺人事件を映画化したもので、映画全体のトーンもずっと緊張感があって物悲しいんですけど、構造としては完全にコメディーで。そういう感覚ってすごくよくわかる。僕も、面白いなぁと思うものを探っていくと、どこかで “お笑い” の構造がある。映画とか映像作品だけじゃなくて、イラストやデザインにしてもそういうところを見てしまうんです。

 

フォックスキャッチャー

:“お笑い”でもぜんぜん面白くないやつ、たまにあるじゃないですか。でもそのお笑い芸人のファンは絶対いて。先生達は自分がつくってるものをわかる人がわかればいいって信じてやってるんですか?それとも、もっと大衆に開いてる感じなんですか?僕としては、少し大衆に合わせるために、映像のデザイン性だったり、単純に装置とかフィギアの完成度だったりで、わかりやすさの部分を回収してらっしゃるのかなあって思います。さっき副手さんとも話してたんですが、カワイオカムラのコンセプトの部分に「ものを見せられている人間への風刺」とか「笑わせているフリをして情報やモノの見方を操作しているメディアへの皮肉」みたいなコンセプトはあったんですか?

 

:当初はそういうコンセプトは全くなかったけど、どこかで意識はしてたと思います。つくっている僕達はわりとシンプルに面白いものを探してつくってるだけなんやけど、でもその「僕らが何を面白がるか」っていうところに時代性が現れたり、そもそも “笑い” のなかにはブラックな要素が絶対にあるから、その辺は自ずと表れるのかなと思います。

 

:『ヘコヒョン』っていつ作られたんでしたっけ?

 

:『ヘコヒョン7』?

 

:『ヘコヒョン』ってシリーズなんですか?

 

:『ヘコヒョン7』と『ヘコヒョン・ナイン』があるから。

 

:へぇーーー!

  遊び組

:『ヘコヒョン7』は2000年ぐらいにつくり始めて、何度も再編集を重ねてるから、いくつかバージョンがあるんです。最終的に完成したのは2004年かな。コンペで賞をいただいて、ようやく再編集を止めれた(笑)

 

:再編集の過程で、なにか腑に落ちないことがあったんですか?

 

:いや単純にゴールを決めずにやっていたから、なんかこう・・・終わらへんかった(笑)クライアントワークじゃなかったしね。『ヘコヒョン7』はデジタルカメラで撮影しているんですが、それまではHi8っていうSONYの規格のビデオでつくってた。Hi8は編集を重ねるとダビングの回数が増えて画質がどんどん荒れるから、それを目安に、もうここでおしまい(これ以上のノイズは視聴に耐えられない)!って、できたけど、デジタル編集には際限がないねん。納得するまでやっていると、気がつけば3,4年経ってる、ってことになりかねない。というか現実にそうなってしまった(笑)『コロンボス』も編集を重ねましたが、最初は水戸芸術館で展示するためにつくって、それをベースに今度はアニメーションの映画祭で上映するためにつくり直して、と、見てもらう場に合わせ変えていきました。最初に「最終的にこれをつくりたい」というのはもちろんあるけど、それよりも ”どうつくっていくか” とか”つくっている最中のプレーしている感覚” も楽しむことで、それがまた可笑し味となって作品に表れる。そういう制作スタイルも時間がかかってしまう要因やと思いますね。

 

:そもそも、作品タイトルの『ヘコヒョン』って何なんですか?

 

:造語です。公表はしてないけど、元になっているものがあるんです。「これ(元になっているもの)を仮にヘコヒョンと呼んだとして」みたいなね。

 

:私は『ヘコヒョン』を見て、これって夢なのかなぁと思いました。人物と事柄は存在するのに時間軸はバラバラで、なんか夢みたいだな、と。

 

:ニュース番組に似た形式を使っているのは、どういう意味があるんですか?

 

:ニュース番組は、ビジュアルイメージもそうだし、最初の設定に別の要素が入ってくる装置として重要な形式でした。ある要素どうしを組み合わせることで、視覚的な組み合わせだけじゃなくて、それぞれの要素が持っている文脈自体も再構成されていく。そういうユニークなものができあがるための装置というか。最終的には、出来上がった映像に関して個々にああだこうだ言ってもらうのも楽しみです。僕らがやっているワークショップで、小学生に作品を見せた後、カメラの前で『ヘコヒョン7』を自分の体験として語ってもらうというのがあって。つくった映像がまた別のイメージへと展開されてくのが面白い。

 

:サッカーの試合中継って、それと同じような装置だと思うんです。11人のプレイヤーがいて、それぞれがボールを持っていない時も走っているはずなのに、ボールを持っているプレイヤーだけがカメラに抜かれちゃう。実は試合を運ぶ上で一番重要なのって、ボールを持っていない時の選手の動きであったり、個々のプレーヤーの思考の部分。でもテレビ中継では見栄えのするフェイントやシュートの美しさが重要視されてて、確かにあるはずの経緯とかがバサッとはぶかれたり、と、違うもののように編集されてる。

 

:画面上はこういう流れがあるけど、実はそれぞれが動きながら、総体としてあるいはゲームとして一つのものができあがっているみたいなね。確かに似てるかもしれません。

  _MG_5993_2

:話はかわりますが、好きな作家や作品を教えてください。

 

:自分の原点を探っていくと、イギリスの『モンティ•パイソン』です。『ダウンタウンのごっつええ感じ』とか、日本のああいったコント番組の原点になっていると思う。僕はモンティ•パイソンをリアルタイムで見たわけではないけど、再放送で日本語吹替え版をやっていて。コメディーなのにオチがない。いろんなコントがメドレーのようにつながっていく感じで、メンバー全員が芸達者でものすごい。メンバーのなかでも、特に影響を受けたのはテリー•ギリアムです。コントの間に挿入される短いアニメーションを、放送局に一人で泊まり込んでつくっていた人で。後に映画監督になって『未来世紀ブラジル』等いろいろな素晴らしい映画を撮っていて大好きです。

 

↓ 左から『 モンティ・パイソン』、『ダウンタウンのごっつええ感じ』、テリー・ギリアム『未来世紀ブラジル』

スクリーンショット 2016-02-21 17.38.33 ごっつ 未来世紀ブラジル

  ↓ 左から『 バードマン』、『ゼログラヴィティ』、『リトルプリンス 星の王子さまと私』

バードマンゼログラビティリトルプリンス

:最近の人では、『バードマン』『ゼログラヴィティ』という映画の撮影監督エマニュエル•ルべツキ。『バードマン』では最初から最後までワンショットで撮影してるんです。ワンショットって昔からの手法ではあるけど、この映画は今までとはどこか違う、今一番新鮮に感じる映像になっています。他には『リトルプリンス  星の王子さまと私』という映画。見に行った?

 

:まだ見てないです。

 

:劇中に出てくる『星の王子さま』の物語をストップモーションアニメーションで映像化しているのがジェイミー•カリリという人で、素材感を活かした表現が素晴らしい。他にもいろいろなアニメーションやCMを制作しているので、ぜひ見てください。

二人は、影響を受けている作家はいますか?

 

:うーん・・・僕の実家は農家なんですね。主に野菜とか果物を作っているんですけど、両親は市販されている誰でも手に入る農具を使ってるんです。なので耕すやつがすぐに使いにくくなったり、イスだと高さが合わなかったりするから、両親は自分たちに合うように道具をよく加工していました。仕事が終わった後、夜中に削ったり、取っ手に棒をくくりつけたり。そういう姿を小さい頃から見ていました。好きな作家とは違うかもしれませんが、今でもその場面を思い返すし、そういった日常の発見が僕のすべてのベースになっている気がします。日常生活と芸術はかけ離れていない、という姿勢というか。

  _MG_6103

:さらに話が少し変わるんですけど、僕が実家の高知県にいたころ、高知県立美術館では古美術とか印象派とか、どこか技巧的な展示内容で年配層をターゲットとした展覧会が多かったんです。だから京都に来た時は、まず単純にアーティストという存在に驚きました。今では高知県立美術館でも、学芸員の方が変わったからか、一年の半分は今までどおりの年配層に向けての作品、残りの半分は現代アート作品を扱っています。僕からするといいバランスだと思うのですが、美術教育のシステムとして、良し悪しの結果がわかるのはすごく時間がかかるなぁとも思います。従来型の展示じゃないぶん、将来、高知に住んでいる僕の同世代の人が歳をとった時に芸術を見る角度が少しだけ変わるかもしれない。でも、そもそも集客ができないという理由で現代アートの企画自体がなくなっちゃうかもしれない。もしかしたらむしろもっと増えるかもしれない。誰にもわからないですよね。どちらにせよ、地元の美術館の展覧会方針の変わり目というか、これからの流れになるかもしれないスタートに立ち会え、いっしょに年を重ねていけるのは楽しみなんです。そういう風に、作品を通してその人を知ろうとすることだったり、理解しようとすることは時間のかかることだから、僕の中でも、この前初めて拝見した『コロンボス』や『ヘコヒョン』への見方もまたこれから変わるだろうし、すぐには理解できないことの面白さとはこれから長く付き合っていくことになるのかなと思って楽しみにしてるんです。

 

:私は漠然と映像がしたいと思って大学に来て、アニメーションを始めたら楽しくなって、今でもその延長でアニメーションをやりつづけている感じがあります。作家さんだと、最近の人でぬQさんって人がすごい好きです。

 

ぬQ

:ぬQさんは中西さんとほとんど同世代やんね?

 

:はい、そうです。

 

↓中西さん作品画像『からだにめーしょん』(2016

中西卒制画像

 

 

:最近の若いアニメーターには面白い人がいっぱいいるし、中西さんもそのなかに入っていけたらいいね。

 

:がんばります。

_MG_6154 _MG_6143_2 :ところで、岡村先生はいつもアウトドアな服を着ていますよね? なにか理由があるんですか?

 

:えー、なんやろう?(笑)学生の時は革ジャンに赤いジャージに緑のエナメル靴とか履いてたけど。ある時期から変わったんですよ。んーアウトドアスタイルやと何が起こってもサバイバルできるし、あと楽やし、かな?・・・いや、そんな面白い理由は出てこないですよ(笑) 僕のほんまのことより、杉本が想像した「理由」が知りたい。なぜ岡村はいつもアウトドアの服を着ているのか。

 

:いつも山から下りてきているからだと思ってました。以前に、先生は工繊大(京都工業繊維大学)が蚕を育てている施設の周辺に住んでいると聞いたことがあったので、家から学校へ来る時に山から降りてきて町中を通り、大学の建つ瓜生山を登って来られる、と想像していました。実用的な山越えファッションってことで。

 

:なんで毎日登山やねん!ちがうちがう!(笑)

 

:休みの日は何をしているんですか?前に聞いた、休みの日にお子さんとプリキュアの映画を見に行って、一緒にペンライトを振ったっていう話がすごく好きなんです。今も子供とよく遊ばれるんですか?

空とオレンジ 中西とオレンジ

:家族サービスっていう意識はないんですが、単純に子供と遊ぶのは面白いんです。娘が肉球にはまっていて、この前お絵描きをしたときも、猫とかムーミンとか、みんなに肉球が描いてあって。肉球だらけのリスとか富士山とか・・・。

 

:へー・・・?お子さんは本物の肉球を見たことがあるんですか?

 

:いや、実際には見たことがないから、テレビや図鑑で見てるんちゃうかな。だから向きがおかしい。肉球の向きが。

 

↓娘さん直筆の肉球絵

IMG_7914

 

:本当だ!怖い!

 

:プリキュアの映画にしても、それをフィクションと思ってない何百人もの観客が「プリキュアがんばれー!!」って本気で願っている中で見る映画体験なんです。それって一人で映画館に行く時とは全然違う。子供たちはプリキュアがピンチになったら「プリキュアー!」って叫びながらペンライトを必死で振る。大人は(ペンライトを)もらえないんやけど、僕も心はいっしょに応援しました。本気の子供達に囲まれて。KISSのライブでもそんな経験できないですよ。子供といっしょだから見られる世界ですね。

 

:子供が生まれたことで、作品への影響はありましたか?

 

:うーん、きっと何らかの影響はあったと思いますが、ストレートには表れてないかな。ただ、子供と遊んだり話をしていると、自分の子供の頃の記憶や感覚がふとよみがえることがあって、そういう体験は作品制作に影響してると思います。

 

:今日の話を聞いていると、先生はいわゆる作品としての完成に重きを置いているというより、それまでのプロセスであったり何気ないやりとりに面白味を感じているのかなと思いました。プロセスさえ楽しめれば、わざわざ作品を作ったり完成させたり発表するのは必要ないのでしょうか?

 

:いやいや、作品は一番つくりたいです。正直、今まではつくるプロセスの方に集中する傾向があって、作品発表にあまり重きを置いていないところがあった。今後は作品を介したコミュニケーションみたいなところももっと考えていこうと思っています。これは、いま教員をしてることも関係してるのかもしれません。単なる作品の上映会ではなく、人に見せるための仕掛けや企画を中心に考えてみたいです。

 

:これからも作品を楽しみにしています。

 

:僕も、二人のこれからの活躍を楽しみにしています。

 

_MG_6231 記事/杉本 龍哉、中西 綾   写真/常 程(情報デザインコース3年生)

 

《 岡村先生に聞いた!  20歳のときに読んでおきたかった本  3選 》

 

51y69s8omGL._SX334_BO1,204,203,200_
「ファイトクラブ」 チャック・パラニューク 著(早川書房 、1999年)

 

61-dqElvOiL._SX352_BO1,204,203,200_
「高い城の男」 フィリップ・K・ディック 著(早川書房 、1984年)

 

516YE2Z324L._SX328_BO1,204,203,200_
「退屈な美術を辞める為の長い長い人類の歴史」 若林 直樹 著(河出書房新社 、2000年)

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

_MG_6134

 

インタビュー後半では、杉本君の作品『甘い放物線/Sweet parabola』制作の一環で、

オレンジを使ったキャッチボールを行いました。

オレンジは揉むことでさらに甘くなるらしく、

取材の後にあまーいボール(オレンジ)をスタッフ一同おいしくいただきました。

 

今回のインタビューでは「先生と学生」としてだけでなく、

お互いを“表現を学びつづける同士”として認め合う関係性がとても印象的でした。

カワイオカムラは今年の年末に京都で展覧会を行われるそうですので、またこのブログでも紹介します!

岡村先生、ありがとうございました!

 

さて、今回のインタビュアーである杉本君と中西さんの作品をはじめ、

今週末から始まる卒業展では総勢118名の情D生の卒業制作をご覧いただけます!

ぜひぜひ足をお運びください!◎

 

この企画は、約ひと月に1回のペースで更新する予定です。

次回もぜひご期待ください。

 

・・・・・・

↓前回のインタビュー記事

【教員紹介】8 根之木正明 先生

過去のインタビュー記事はこちらからご覧いただけます

・・・・・・

スタッフ:森川

 

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2016年2月23日  ニュース

【卒業展】搬入作業が始まりました!

 

学生生活4年間での一番大きなイベント

卒業展の搬入作業がいよいよ始まりました!!

 

展示会場は京都造形芸術大学 瓜生山キャンパス内となっています。

 

情報デザイン学科の目印にもなっている青色ののれんを

学生や先生と協力しあいながら少しずつ組み立て、

普段は授業教室となっている教室や廊下が

瞬く間に展示場所へと変わっていきます!

 

IMG_2407

教室の床もピカピカに磨かれ

作品展示に向けての準備は万端です!

 

IMG_2359

教室や廊下など目に付きやすいところだけでなく

展示で使用する展示台も卒業展のために塗り直します。

学生の横顔も真剣ですね…!

 

IMG_4007

作業がスムーズに進むように、タイムスケジュールを組んでいるコースも!

長いようであっという間に過ぎていく搬入期間。

まだまだ作業は続きますが、最後までケガなどに気をつけて頑張りましょう!

 

IMG_2493

 

また、搬入準備の他にも、卒業展と合わせてオープンする

情報デザイン学科 グッズ販売ショップ「卒店」の準備も進んでいます!

 

今年も、4年生の卒業制作と関連させたグッズや

1〜3年生の力作も揃っていますので

卒業展と合わせて是非お立ち寄りくださいね!!

 

IMG_4018

IMG_4023

IMG_4026

 

 

スタッフ:ハシジ

 
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 京都造形芸術大学 卒業展/大学院 修了展 

日程:2/27(土) – 3/6(日)

時間:10:00~18:00

場所:京都造形芸術大学 瓜生山キャンパス

http://www.kuad-sotsuten2015.com/

 

 3/5-6 同時開催!オープンキャンパス 

http://www.kyoto-art.ac.jp/opencampus/sotsuten/

= = = = = = = = = = = = = = = = = = = = = =

 

 

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