文化財保存修復・歴史遺産コース

【大瓜生山祭】学生作品展の振り返り②

こんにちは、歴史遺産学科副手です!

間が空いてしまいましたが、学生作品展の振り返りをお伝えしたいと思います。

 

今回は、文化財の修復をコンセプトにした大林先生のクラスです。

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○大林先生クラス

 

こんにちは!歴史遺産学科文化財保存修復コース3回生の石田奈々子です。

私の所属ゼミは大林ゼミなので、大林ゼミの学科展の展示の内容と様子をご紹介しようと思います!

今回の私たち大林ゼミの展示のコンセプトは“文化財の修復”でした。

主に私たち3回生が授業の中で実際に行った被災資料、掛軸の修復の展示、そして修復の際に使用する道具を展示しました!

まずは、被災資料の展示についてご紹介いたします。

写真は私の相棒うさがご紹介いたします!(※ウサギの木の置物です。)下張り文書のパネル  実物

うさ

うさ

被災資料は、東日本大震災で被災した襖と京都・松ヶ崎で水害にあった文書を展示しました。襖に関しては、修復する前段階である下張文書の回収を行いました。

下張文書?と首を傾げる方も多いかと思われます。現在の襖にはそのようなものはありませんが、紙が貴重だった昔の襖には当時要らなくなった文書などが多く使われました。

昔の人にとっては必要なくなった紙(文書)だったのですが、現代の私たちにとっては歴史的に重要な”資料”が潜んでいる可能性が高いので、回収する必要があります。展示を見に来て下さった方も普段見ることの出来ない実物の下張文書がある襖を、興味津々に見て下さいました。

 

松ヶ崎の文書(もんじょ)に関しては、文書の修復作業についてのパネルを展示し、完成した実物も展示しました。パネルでの痛んでいる文書の様子と修復し終えた綺麗な文書の様子の違いに皆さんとても驚かれていました。

修復を終えた文書(実物)文書の修復の様子のパネル

うさ

次に掛軸の修復についての展示についてご紹介いたします。

掛軸の修復については、A班は布袋図の修復、B班は浮世絵作品のみのや小万の修復をしました。詳しく説明をし出すと、きっとうーんと頭を痛くされる方が続出すると思いますので(笑)、簡単に説明させていただきますね。

 

A班の方では左半分の方にシミが大きく目立ったので、それをどう低減させるかを実験的に行った修復となりました。

B班の方では、作品の顔料が水に滲むことが判明したので、安定的に保存ができて裏面も見せることが可能なブックマットに保存することにした、ものをどう残していくかを観点においた修復となりました。

大林ゼミ5大林ゼミ6

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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大林ゼミ7

 

学科の先生方も、私たち大林ゼミ生が取り組んだ修復をとても興味深く見て下さいました。

 

そして、最後の展示である修復作業に使用する道具の展示についてご紹介いたします。

これはタイトル通り、修復するときに実際に使用している道具を展示し、触っていただこうという展示でした。

大林ゼミ8

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右下の方に写っている霧吹きには、水を実際に入れていたので、押した方は驚かれたり楽しまれたり・・・とされていました!(子供には大好評で、ひとりの大人の方はこの霧吹きを通販で買おうか真剣に悩んでらっしゃいました(笑))

 

これは私が考えた展示案だったのですが、意外にも好評をいただきました。

(ちょっぴり自慢してしまいました・・・(笑))

この道具の展示をしてみて、私たちが当たり前に使っているものは、実は皆さんが当たり前に知っているのではないのだということを改めて感じさせられ、展示してよかったなと感じました。

 

私は展示のリーダーとして最初は形に果たしてなるのだろうか・・・という不安もありましたが、展示が形になって本当に良かったと思いました。

京造の他のコースの方にも歴産を知れて楽しかったというお声や、展示が素敵だったので来年も見に来るというお声をいただくことが出来ました。

皆さんに歴産を分かっていただくいい機会になったと思っています。

文章長かったですね・・・ここまでお付き合いして下さり本当にありがとうございました。

 

最後に、私たちのゼミの先生である大林先生、副リーダーの後藤さん、大林ゼミの皆さん、他ゼミの皆さん、歴産事務・副手のお二人、そして展示を見に来て下さった方々

本当にありがとうございました!

 

来年もぜひ学科展に足を運んでくださると嬉しいです。

ではまたお会いできるのを楽しみにしております!

 

石田奈々子

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リーダーとして、企画からパネル作りなどさまざまな仕事を引っ張ってくれた石田さん。

本当にお疲れ様でした◎

 

さて、この振り返りもあと1クラスです。

ご期待ください!

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