アートプロデュースコース

【特別講義レポート】『ゴッホはなぜ「ひまわり」の絵を繰り返し描いたのか?―一冊の本を書くのに、必要なこと―』ゲスト:朽木ゆり子さん

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後期1回目の特別講義は、NY在住のノンフィクション作家、朽木ゆり子さんにゲスト講師としてお越しいただきました。
朽木さんは、ジャーナリズムの視点から美術にまつわる著書をこれまで数多く出版されています。
ひとつの記事または本を執筆するためにどのような調査・分析が必要なのか、なかでも今回は、ゴッホの「ひまわり」に焦点を当てた著書での経験を元にご講義いただきました。

 
大衆に向けた一つ物語を作るために、あるテーマを探究し、説得力をもたせた構成に組み立てていく作業は、朽木さんもおっしゃられていたように「どうやって展覧会を作るかということに似ている」と感じました。

また本の内容を決める際にポイントとなるのは、「おもしろい資料に出会う」「興味深いことを知っている人に出会う」ことだとも話されていて、一つひとつの出会いを大切に、常にアンテナを張っておくことが、人に伝わる新しいアイディアに繋がるのだと感じる講義でした。

 

 

■以下、学生レポートから抜粋■

 

・ノンフィクションは徹底的に調査した情報の上に成り立つ作品であることを感じた。朽木さんのゴッホとゴーギャンのひまわりを巡る話は史実でありながら非常にドラマチックで、一枚一枚のひまわりにドラマが垣間見えて、ゴッホがひまわりを繰り返し描く動機がただ単に描きやすいという理由ではないことが分かった。ゴッホはその時々の自分のテーマやコンセプトをひまわりという花に投影し、受け取り手もその時々で自分を投影しながら「ひまわり」という作品を見ているという朽木さんの言葉が印象的だった。

 

・疑問に思ったこと、興味を持ったことを、徹底的に掘り下げ説得力のある文章にする。それは本当に全てに通ずることだ。社会に出てからのことにも繋がっている。だからこそ、こうした「探究心」を私も今から付けていきたい。そうして自分の「主張」をより明確な説得力のあるものにしてきたいと思う。

 

・自分の書きたいこと、興味があることを記事にして本にするには、調査してわかる事実以外に、誰に向けて発信しているのかを意識することも大切だと思った。

 

 

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