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2016年1月16日  授業風景

【歴史遺産コース】京都「歴史遺産学研修2 清水寺参詣道」スクーリング

新しい年を迎え、みなさんいかがお過ごしでしょうか。全国的な暖冬の影響か、京都市内では、いまだ初雪の便りを聞きません。さて今回は、師走の京都を舞台としたスクーリングのご紹介です。

 

さる12月19日~20日に「歴史遺産学研修2 清水寺参詣道」のスクーリング授業がありました。いまも観光名所として知られる八坂の塔や清水寺には、「参詣曼荼羅」という絵画が残されています。それは勧進聖たちが寺社への参詣を勧誘し、霊場としての意味を語るために、霊験あらたかな寺社の様子や参詣までの道のりを描いた絵画でした。そうした寺社参詣の文化が中世以降に発展していく経緯や意味を、清水寺や八坂の塔のある現地のフィールドワークを通して理解しようという科目です。

1枚目_八坂の塔

 

1日目の19日は瓜生山キャンパスにて、中世における寺社参詣の文化について、じっくりと講義を聴き、その上で2日目の20日はフィールドワークを通じて、歴史の「現場」で中世の参詣文化を体感します。さっそく現地でのフィールドワークの様子をご紹介しましよう。

2枚目_松原橋

 

抜けるような青空のもと出発です。『清水寺参詣曼荼羅』に描かれる参詣道は「五条橋」から始まります。しかし写っているのは現在の「松原橋」。その理由はぜひ講義でお聞きください、としたいのですが、少しだけ。現在の位置に架かる五条大橋は、豊臣秀吉が1590(天正18)年に、方広寺大仏殿の造営にあたって石柱の橋に改修したもので、かつての五条橋は現・松原橋付近に架かっていました。

DSC_4643

六道珍皇寺門前。この付近は、かつて死者を「鳥辺野(とりべの)」へ葬送する野辺送りの地であり、「この世」と「あの世」の境とされていました。「六道の辻」とも呼ばれます。

4枚目_六道珍皇寺境内

ここ六道珍皇寺は、かの小野篁(おののたかむら)が冥界とこの世の行き来をしたとされる井戸が残されていることで有名です。毎年8月7日~10日には「六道まいり」が行われ、先祖をこの世に呼び戻す「迎え鐘」を撞く人々でにぎわいます。今回は特別に巨大な本物の「参詣曼荼羅」を拝見させて頂きました。

5枚目_八坂の塔

そして京都らしい景観といえば、まさにこの塔。八坂の塔と呼ばれることが多いですが、正式には臨済宗霊應山法観寺の五重塔です。寺の歴史は古く、一説には聖徳太子にゆかりがあるとも言われています。塔は永享12(1440)年に再建されたもので、高さ49mあります。 もちろん、ここでも特別に塔にも上らせていただきました。洛中が望めます。

6枚目_三年坂

清水寺へむけて歩いていきますと、道すがらに「参詣曼荼羅」の世界が、現在も息づいています。例えばこの三年坂の付近にはかつて川が流れていたとか!まさに地形に刻まれた歴史といえるでしょう。詳しい内容は、ぜひ実際の講義でお聞き頂ければと思います。

DSC_4729

清水寺から洛中を遠望。清水寺の開基は778(宝亀9)年ともいわれますが定かではありません。坂上田村麻呂とのかかわりが深く、805(延暦24)年に田村麻呂が清水寺の位置する寺地を賜り、810(弘仁元)年には、嵯峨天皇の勅許を得て朝廷公認の寺院となったことは史書に記されています。本尊は独特のお姿の千手観音で秘仏とされますが、この観音信仰の「霊場」として、長く信仰を集めることになりました。

DSC_4728

しかし清水寺の伽藍は幾度も火災に遭い、その再建のためには諸国を行脚して勧進を行う必要がありました。今に伝わる「参詣曼荼羅」は、そうした勧進や信仰を広める意味で必要不可欠なものであったといえるでしょう。

さて観光として訪れる清水寺といえば、「清水の舞台」と「音羽の滝」といったところがメインで、もう見飽きたと思われる方もあるかもしれません。しかし、この「参詣曼荼羅」に導かれ五条大橋から「参詣道」を歩んでいきますと、多くの中世以来の痕跡が残されていることに驚かされます。

今回ご紹介した場所以外にも、このフィールドワークではたくさんの「痕跡」を訪ねます。ぜひ次回はみなさんも、これまでとは一味違った清水寺の姿を学びにいらしてください。

 

※今回の写真のうち、一枚目の八坂の塔以外は、実際にフィールドワークに参加した歴史遺産コースの現役学生さんよりご提供頂きました。ありがとうございました。

 

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