文芸表現学科

〈つたえたいこと、つたわること、つたわらないこと〉山田毅さん特別講義レポート

 
7/8(金)に山田毅さんの特別講義を開催しました。
山田さんはKANSAI ART BEAT内のブログ「KABlog」編集長であり、
フリーペーパー専門店「只本屋」代表を務めておられます。
 
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山田さんは、アート系イベント情報を集めて、それをKAB(Kansai Art Beat)というウェブサイトのなかで紹介しているのですが、そのときにいつも
「このDMのデザインは良いけれど、いったい何人の人が実際に足を運んでくれるだろうか」「ちゃんと届けて、行動してもらうためには、これでいいのだろうか」
ということを考えるのだそうです。
 
関西圏だけでも、月に600件ほどのイベントがあるそうですが、
KABでは、たんに情報を掲載して紹介するだけではなく、
KABlogのコンテンツのなかで、イベント主催者にインタビューしたり、
実際に美術館やギャラリーに行って、別の視点(展覧会そのものではなく、たとえば建築についてなど)からレポートするなど、読者に届けるために、さまざまな工夫を凝らしていらっしゃるそうです。
 
どちらかといえば編集者やライターが担うことの多い仕事かと思いますが、
「伝える」「表現する」ということは創作にも通じること。
根本的な話なだけに、小説家志望の学生も多く参加していました。


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写真右は編集論IVを担当されている大坪晶先生です。
作家としても活動されるかたわら、KABのマネージャーも務めておられます。


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また、只本屋からたくさんのフリーペーパーやDMも持ってきてくださり、紹介していただきました。
自由に読んだり持ち帰ってOKとのことだったので、みんな机に群がって、遠慮なく持っていきました(笑)。
私が狙っていた「少女マンガチーフ」も、あっという間になくなってしまいました……。


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IMG_3600のコピー
↑山田さんのお気に入りフリーペーパー、「岐阜マン」。
 
ここに写っているフリーペーパーの大半は同年代の学生さんが作ったものだそうです。
最近は、表現としてフリーペーパーを発行する人が多くなってきているとのことでした。
長年、誰に見せるでもなく「馬」に関する文章を書き溜めていたおじさんが只本屋に来て、「自分がやりたかったことはコレだ!」と開眼し、知り合いに馬の絵を描いてもらったものを表紙にして、「オグリ」というフリーペーパーを発行された話は、個人的に印象に残りました。
 
それに触発されてか、「作った冊子があるので、只本屋さんに置かせてください!」と山田さんに直談判する学生も。
思えば、フリーペーパーを置かせてもらったり、
好みのものを探すのってけっこう大変なのですが、
只本屋はフリーペーパー専用のスペースなので、置くにも探すにも便利です。
お店というか、集会所という感覚が近いかもしれません。


ちなみに、この学生は後で山田さんに紙袋いっぱいの冊子をお渡ししていたので、
近いうちに店頭にお目見えするかと思います。




KANSAI ART BEAT:http://www.kansaiartbeat.com
只本屋:http://tadahon-ya.com

(スタッフ・加藤)

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