- 2016年9月11日
- 日常風景
一人ではできないこと【100cmたいそう】
こども芸術学科2年次前期【造形表現III 担当教員:梅田美代子/荒島智子】の授業課題「100cmの世界」は「100cm」というキーワードを基に身近ないろいろなモノやコトから関係性を探ります。
この課題はこども芸術学科1期生から継続して行ってきた課題です。毎年学生たちを悩ませてきました。兎に角、「100cmの世界」というキーワードから各自が自分で構想を膨らませないと先へ進めないのです。課題を聞いた後の学生たちはほぼ毎日、「100cm、HYAKUSENCHI、ひゃくせんち、…」という言葉が頭の中でぐるぐるしているそうです。(これを読んだ卒業生のみんなもきっと「うん、うん」と言っている姿が目に浮かびます。)ごめんね。ややこしい課題を出して。
今年も面白い視点の作品が多くありましたが、ここでは「100cmたいそう」を紹介します。
作者は鴨川采佳さん。
鴨川さんは、「100cm」というキーワードから次のように導き出したそうです。
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小学3年生のときに、算数の授業で1m=100cmということを学びます。小学3年生の身近にある100cmというと、両腕を横に広げた時の指先から指先までの長さが大体100cmになります。両腕を広げた長さは、成人男性では、身長とほぼ同じになります。しかし、女性や子どもの場合は異なります。小学3年生では、身長−20cm程で腕を広げたときの長さになるそうです。一般的なラジオ体操では「腕を伸ばす」「体を前後に曲げる」などは、具体的にどのぐらい体を伸ばすのか、曲げるのかは、個人の判断に任されています。具体的に体を動かす範囲をその腕を広げた直径100cmに設定した「100cmたいそう」を考えました。
「100cmたいそう」とは
・直径100cmの円の中で体を動かすたいそう
・100cmという具体的な長さを意識して、手足を伸ばしたり広げたり、上げたり下げたりするたいそう
・曲は100cmの長さ分のピアノの鍵盤のみで作曲してあるたいそう
「100cmたいそう」作詞作曲/ピアノ演奏/振り付け:鴨川采佳
「100cmたいそう」振り付け解説
https://app.box.com/s/7ir12w8i1h4xgnc8c0hcaso0n7agl9ks
「100cmたいそう」楽譜
https://app.box.com/s/h9jcwt7dl7pbdx5cjwo9prsqmuhoghf4
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合評のときにクラスメイトも一緒に「100cmたいそう」をしました。
すると、クラスメイトから「みんな体操服を着てやってみたい」という声が挙りました。
それならということで、集中授業日の1限空きの時間にクラスメイトに協力してもらってPVをつくろうということになりました。撮影は大学のコンテンツ配信室の方々に協力していただいて、本格的に撮影と編集をしていただきました。
完成した楽しい動画はYou Tubeにアップしています。ご覧ください。
8月30日の朝9:30です。
体操服に着替えたクラスメイトが松麟館の屋上に集合。ウォーミングアップをしていますね。
覚えているかな?撮影前に練習しよう。
えーっ!。ちょっとテンポが合わないよー。
集中して、もう一回。
作者の鴨川さん、運動は苦手と言ってましたが体育の先生みたいです。
だんだん揃ってきましたよ。いい感じです。
足元には直径100cmの円が描いてあります。これが動きの基準エリアです。
揃ってきたので本番いきまーす。ちょっと待って!もう一回おさらい。
撮影本番いきまーす。
本番。グループ① 流石本番に強いですね。動きがシャキッとしてます。
何ともいい感じの松と京都の街を風景に100のポーズ。
本番。グループ② いい天気です。大きく手を伸ばしてー。
本番。グループ③ はい。ジャンプ!。
みんなで100のポーズでパチリ! 2限の授業が始まります。授業に遅れないように!ね。
完成した動画を見た鴨川さんから下記のようなメールが届きました。・・・・・・・・・・・・・・
前期の造形表現という授業は、今までになかったほど自分の「好きなこと、嫌いなこと」「出来ること、出来ないこと」「やりたいこと、出来るけどやりたくないこと」などの普段深く考えていなかった、自分自身と向き合い自分を考える機会が多く、それらを再確認できる場でもありました。
制作では、対象年齢を設定したりして、誰かのための「りんごかもしれないの絵本」や「おままごとセット」「100cmたいそう」と色々な作品を作りましたが、やっていることは毎回違うはずなのに、どこかで「私はいつも同じような作品を作っているな。」という自分自身でも、なぜそう思うのか分からない気持ちがずっとありました。しかし今回、動画を撮ったことで、私は自分一人でできることしかやってこなかったことに気がつきました。誰かに協力してもらえば出来るけど、そこまでするのは大掛かりだから、それなら自分一人でできることをやろうという考えで動いていたことを反省しました。挑戦することで、自分の世界が広がることを頭では分かっていても行動に移すことができていなかったのです。自分という人間が変われば、作品も自ずと変わっていくことを身に染みて知れる、私にとって特別な授業でした。長くなってしまいましたが、今回は貴重な経験をさせてくださって本当にありがとうございました。
今までやったことのないことに挑戦したこの一歩は、必ずこれからの制作に生きてくる大きな一歩であると思います。これからも、授業一つ一つを大切にして自分に何が作れるのか、何が作りたいのか見つめていきたいと思います。(鴨川采佳)
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いやー、こちらこそ、ありがとう。とても楽しい作品でした。
協力してくれたクラスメイトにも感謝ですね。
後期からもこの勢いで鴨川ワールド全開で頑張ってください。
今回のPV撮影でお世話になった大学事務局コンテンツ室のみなさん、
急なお願いにもかかわらず、快くお引き受けくださってありがとうございました。感謝です。
梅田美代子:教員
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【お知らせ】
9月18日(日)~9月19日(月・祝)
学園祭&オープンキャンパス「大瓜生山祭」 開催!
こども芸術学科展示会場:人間館NA413
3年生による個性豊かな作品が発表されます!
ちいさな子供たちも参加できるワークショップ
【わくわくこがく:10000個の紙コップであそぼう】をおこないます。
9月19日(月・祝)には
tupera tuperaの中川敦子(本学客員教授)によるギャラリートークを行います
(↑知らない人はぜひ検索!)
お友達やご家族の方もお誘いの上 ぜひ、遊びに来てくださいね!