文化財保存修復・歴史遺産コース

日帰り研修旅行ー元興寺から奈良町をめぐる!ー

京都の冬は寒いですが、雪景色はとても絵になりますね!

 

先週22日(日)に2回生たちと日帰りの研修旅行に出かけました。

天候は生憎のくもりのち雨・・・・・しかし!

学生たちはしっかりと参加してくれました。

 

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集合は元興寺の入り口。

今回の研修旅行では、講師として元興寺文化財研究所の狭川先生にお越しいただきました。

狭川先生には、元興寺と周辺地域(奈良町)の歴史を案内していただきました。

 

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まず、元興寺極楽堂の中でその歴史と成立についてをお聞きしました。

元興寺は「古都奈良の文化財」の一つとして世界遺産に登録されています。

 

創建は古く、588年といわれています。

当時は現在の場所とは異なる、飛鳥の地に建立されました。

 

 

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そののち、平城京遷都にともない移転し、名を変え、元興寺となりました。

 

しかし朝廷勢力が強い創建時に比べ、平安時代に入ると次第に奈良のお寺も衰退が進んでいきます。

元興寺も例外ではなく、主要伽藍を残して荒廃が進み、そこに民家が入るようになりました。

その民家が町屋を形成するようになり、これが奈良町の前身といわれています。

 

現在の元興寺は、移転した際に新しく作り変えられたものと考えられていましたが、

最近の研究では、建築部材や屋根瓦は創建当時の飛鳥からのものであると明らかになりました。

 

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写真右側の色が違う瓦は、創建時のもの。

 

お堂の中は撮影禁止なので写真での紹介ができませんが、

模写によって復元された浄土曼荼羅はとても見ごたえがあります!!

 

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さて、そして元興寺見学を終えて昼食休憩をはさみ、

今度は奈良町を歩きながらこの地域の成り立ちと歴史について解説していただきました。

 

 

 

もともと元興寺境内にあたる奈良町には、 現在でもその伽藍配置の遺構が残っています。

 

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そのひとつが東塔跡(五重塔)です。

現在は基壇上に礎石17個を残すのみとなっていますが、 安政6年(1859)に焼失しなければ、 奈良時代創建の五重塔が町中に残っていただろうといわれています。

 

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そのほかに、魔よけの猿のお守りで知られている庚申堂や、

 

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奈良の陰陽師が住んでいた「陰陽町」のなかにある鎮宅霊符神社をお参りしました。

 

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元興寺の建物に由来するいくつかの町名を解説していただきながら奈良町をまわり、

最後は旧大乗院庭園に訪れました。

 

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大乗院は、1087年に創建された興福寺の門跡寺院で、

庭園は室町時代の徳政一揆で荒廃しましたが、

その後、室町時代に活躍した善阿弥によって改造されました。

中世の遺構を残す貴重な庭園として国の名勝に指定されています。

 

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そして大乗院庭園の文化館内にて狭川先生への質問タイム!

 

2回生は来年度から個人の研究がスタートしますので、

元興寺文化財研究所についての質問なども出ていました。

 

雨のちらつく冬の研修旅行ではありましたが、

みんなは熱心に参加してくれました。

 

狭川先生にはとても丁寧に解説していただき、良く学ぶことができました。

ありがとうございました。

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