こども芸術学科

Project “Ring” 展示はじまっています!

藤浩志× 村山修二郎× こども芸術学科学生 として、Project “Ring”の展覧会が京都造形芸術大学内の人間館1階で31日まで行われています!

今回特別講義のゲスト講師として来ていただいた、藤浩志さんは秋田公立美術大学の教授であり、日本を代表とする美術家です。その藤さんに、こども芸術学科の学生に講義をしていただきたく連絡を取り、そしてせっかくの機会ですので、教員の村山、そして学生と何らかの活動、展示など出来ないかお願いをして、今Project “Ring”を企画していただき、展覧会に至ります。9月位からこのプロジェクトを動かしはじめて、学生はゆるゆると考え、素材を集め立ち上がっていきました。

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そして、どのような展示かと言いますと、日常生活の中で集まってしまうもの、あるいは収集できるものを利用してなんらかの”ring” を制作し、それをツールとしてなんらかのプロジェクトを実施し、その記録とリングを発表展示する。美術家の秋田公立美術大学教授の藤浩志氏と、京都造形芸術大学教員の村山修二郎、こども芸術学科学生による、”ring” を介した展覧会です。

リングを一つのキーワードにして、各学生が様々なプロジェクトを行ってきた記録と成果物を展示しているので、それぞれの志向性の中でリングからの記憶をたどったり、ビジュアルからのイメージから発展するもの、はたまたリングを考えることで違う連鎖からの活動が誘発されたものを展示しているなど、一つ一つゆっくり味わいながら見ていただけるととっても楽しく、日常から出て来た生の活動、表現ですので、より何らかを確かに感じていただける機会になっております。

 

それでは、展示の様子を少しだけ紹介いたします。

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こちら、プロジェクトの中での記録などをポートフォリオにまとめたものです。A4ファイルは決めてあとは各自のつくりで作成しているので、各個性が出ていると思います。展示作品と両方振幅して見ていただけると、より深くご理解していただけると思います。

 

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こちら、1回生の朝平さんの、T r e e r i n g。『年輪をモチーフにしたのは「成長」「繁栄」「発展」などの意味があり、制作を通して私自身が成長し、発展につなげたい思いと重なったから。素材には車椅子にリサイクルされているプルタブを使用した。モノの循環のRing、人から人への繋がりのRingがあると考えた。』(朝平)

プルタブが一つの形式の中で形に連鎖していくと、ものを越えて行くことを感じさせてくれていますね。

 

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1回生、中垣くんの、時の輪。『私がリングと聞いた時頭に浮かんだのは歯車でした。この作品は使われなくなった機械のパーツでできています。今の私たちの生活は過去の発明で成り立っている。今の私たちの努力もいつか未来につながるのであろう。そうして人の世は廻っていくのだ。』(中垣)

このプロジェクトにより触った鉄の重さ、廃材から多くをキャッチして活動と制作が出来たと言う息づかいを感じさせます。

 

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1回生、松井さんの、長いものに巻かれたかもしれない。『高校の教科書を捨てようと思ってまとめていた時ふとノートを開いた。勉強は得意じゃなかったけど、頑張っていた私がいた。なんだ、あれほど頑張ったのに結局捨ててしまうのかと無駄なことだったのかと思ったらなんか嫌だった。長いものに巻かれたかもしれない、けどだからこれを作品にしたいと思った。』(松井)

作品のスケール感や、ビジュアルの色、素材感の良さが、リングの考えをも越えて制作の中で生まれた行ったところが素晴らしい。

 

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1回生、石山さんの、はなむすび。『種から始まり、芽が出て、花が咲  き実がなってまた種になって…
植物、生きているものは廻っている。色とりどりで小さなものも人々を魅了し、そこにある、生きていく。日々身にまとっているもの、何気なく手に触れているもの。変われるもの。何一つ同じものはない。違うもの同士がそばに存在して咲いて生きていく。』(石山)

端切れが、新たな生命を生んで行くあたたかさ。過去の日本人が持ち得ていた大事なことを教えてくれているように思います。

 

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1回生、石原さん、リースの向こうがわ。『リースには、太陽を象徴するものとして「幸福を呼ぶ」「永遠に命を繋げる」という意味があり、平和と幸福のシンボルとして家や神聖な場所に飾る風習があります。私はそんなリースの魅力に惹かれこのproject Ring で制作しました。そこには、私が2016 年に経験した、素敵な出会いと永遠の別れが現れているような気がします。リースを通して幸せが訪れますように 願いを込めて。』

この素材は、総て紙袋で出来ています。身近な素材の中にも明るい色彩を見出し、それをポジティブに、リースの向こう側にある未来とつなげて、輪から見ている風景がいいですね。

 

まだまだいっぱい紹介したいのですが、さすがに編集疲れました、すみません、少ない紹介ですが、あとは会場の生の作品や活動を見ていただきたいと思います。いいねっと言う作品や活動が満載です! 見に来ていただいたら絶対損はさせません。

 

こちらは、村山と藤さんとのコラボです。

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わら縄で、しぜんのわをつくりました。好きなように、あそびをつくってもらうものです。作品と言う意識は毛頭なく、制作しているときは、田舎の農家の人になっているように、わを組んでいくのが不思議な感覚でした。日本人の遺伝子が自然のものに触れていると出てくるのですかね。そこに、藤さんのかえっこやで集まったぬいぐるみを幾つか取り付けて行きました。(藤さんがつけてくれました。)なんとも面白いですね。ある種、レオナルドダビンチの円形のウィトルウィウス的人体図のようにも見えます。

 

 

ゲスト講師の藤浩志さんと共に学生の発表会と合評を行った際の様子も紹介いたします。

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まず全体に向けてお話いただきました。前日藤さんも一緒に制作と展示を行いましたので、展示会場に藤さんの代表作でもある、ハッピーリングなどが所狭しと展示されています。

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一人一人発表がはじまり、丁寧に学生の話に耳を傾けていただき、お話をいただきました。

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そうなんです、野外にも展開しています。ラウンジ室内、ピロティ半野外、芝生の場所などその環境と共に見ていただけると楽しいですよ。

 

そして、講義の時の様子です。

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ホワイトボードに書かれて行く文字や図形などが、作品のようで、またお話も過去の作品を紹介しながらわかりやすく、テーマである、表現手法としてのワークショップを講義していただきました。とても学生には、勇気づけられる言葉も沢山いただきましたし、活動の手法、制作の手法などの展開もわかりやすく話しとボードにより、多くの学びをいただきました。京都造形の学生全員に聞いて欲しい内容でもありました。貴重なお話を、ここで聞けているということが感謝でしかありません。

 

藤浩志さん、遠路京都までお越しいただき、多くの学びを学生にはもちろん私もいただき、本当にありがとうございました。

 

 

日時:2017年1月26日(木)‒ 1 月31日(火)10時00 ‒17時00 最終日16時00分まで
場所:京都造形芸術大学・人間館1階ピロティ、ラウンジ(入口界隈) ※入場無料
企画:藤 浩志(サポート村山修二郎)
展示作家:藤浩志、村山修二郎、朝平千尋、石原佳奈実、石山真帆、上田珠里、小川楓、奥村彩奈、小城茉奈、柴田圭真、新宮夏樹、杉山風胡、高橋実華子、滝谷優樹、辻屋伽衣、中垣匠人、二宮慈、松井七海、宮石百花、山下紗弥香、山下菫、長谷川夏子、大塚紗瑛、平田真弓、石田有紗、是常寛子、窪咲乃(こども芸術学科1回生19 名+3回生6 名・A ゼミ)

 

(教員/村山)

 

 

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