アートプロデュースコース

【卒業展】受賞者の発表!&3/4イベント告知!

2月27、28日の二日間、卒業論文発表会が開催され、会の最後に今年度の受賞者発表と授与式が執り行われました。

発表会にはアートプロデュース学科の1回生から4回生、そして歴代の卒業生も何名か駆けつけてくれて、

様々な面からの指摘や議論が交わされ、中身の濃い充実した時間となりました。

 

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今年度は学長賞、優秀賞、奨励賞3名、同窓会特別に加え、

発表会の内容に対して観衆の投票で決めるASP学科オーディエンス特別賞から合計6名が受賞しました。

 

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【学長賞】

三重野優希

『〈私〉と〈他者〉が出会う美術館—公的空間の捉えなおしから—』

 

〈教員のコメント〉

一般大学を卒業後、美術への興味が捨てきれず2年生編入した筆者は、入学後、本学科の特色ある授業、「対話型鑑賞教育」と「美術館調査」を受講し、2つの美術館でインターンを経験した。本論文はこうした学びを基礎に、美術館の公共性とはなにかを論じた意欲作である。

美術館とは作品(モノ)の展示場美術館とは作品(モノ)の展示場にとどまらず、鑑賞者(ヒト)がいればよいというわけでもなく、「モノを介してヒトとヒトが出会う場でなければいけない」ということを、ハンナ・アーレントの公共性論を用い、且つ、学科での学びを分析しながら説得力をもって論じている。

「アートと人、そして社会をつなぐ」ことを目指す本学科で学んだ学生ならではの論文としても、高く評価できる。

 

 

 

【優秀賞】

井上寛太

『反消費的な引き延ばし消費、反消費的な学び—「わからなさ」からの出発—』

 

〈教員のコメント〉

「消費者として育った子どもは学ばない」という内田樹の理論を端に、筆者は、どれほどまでに消費は私たちを特徴づけるのかと疑問を抱く。

「ものそのものを丹念に味わう充たされた時間を、他者と共に味わう」という独自の消費論を唱えた山崎正和の理論を駆使しながら、消費と学びの関係を見事に分析した、独自性溢れる論文。

 

 

 

【奨励賞】【同窓会特別賞】

穐ヨシ七奈
『衣服の可能性を見つめなおす:抵抗から受容へ変様する性』

 

〈教員のコメント〉

筆者は自身の性の宿命と対峙し、「現代ファッションと性」をテーマに展覧会を企画、その経験を通じて衣服の可能性を追求した。

性に傷つき翻弄される人にとってこの論は、それに抵抗しかつ受容するための有効な提言である。

 

 

 

【奨励賞】
野澤美希
『<社会>と対話するオーケストラへ—日本センチュリー交響楽団music project「The Work」にみる、楽団員の変化過程とその構造』

 

〈教員のコメント〉

オーケストラ団体の変革を、楽団員の内面の変化から提示。

2年間におよぶ参与観察の成果を元に、クラシック音楽にまったく縁のなかった“他者”との関係が楽団員の意識を変えていく構造を明らかにした意欲作。

 

 

 

【奨励賞】

上野綾香

『日本製ディズニーランド/妖精の死をこえて』

 

〈教員のコメント〉

主観的な「好き」に、論文として客観的なカタチを与えようとした真摯な試み。

ディズニーランドという夢と魔法の消費空間が、やはり生身の人によって生産・維持されていることを改めて問い、解いた、「夢のある」論。

 

 

 

【ASP学科オーディエンス特別賞】

赤津さくら

『現代“実話”怪談考—受動から能動へ—』

 

 

受賞者の皆さん、おめでとうございます。

卒業生それぞれ、自分の課題とも向き合いながら挑んだ卒業論文だったと思います。

大学での学びはこの4年で一つの区切りを迎えますが、卒業論文テーマがそのまま進路につながっている人も、そうでない人も、論文の執筆を通して積み重ねてきたものは、何らかの形で自分の人生の一部とこれからもなるだろう思います。

自信も悔しさも今後のバネにして、生かして行ってもらいたいです。

 

 

 

さて、卒業展もあっという間に会期の半分が終わってしまいました。今週の5日が最終日です。

どうしても土日にはたくさんのお客様にお越しいただくので、ゆっくりと落ち着いた空間で作品を鑑賞したい方には、平日のご来場がお勧めですよ〜。

 

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そして、4日(土)には、卒業展会期中のイベントとして、アートプロデュース学科の2、3回生たちがアートをとりまく環境を様々な角度から調査するプロジェクト「わたしたちがみた芸術と文化の現在」の報告会を開催します。

アートプロデュース学科では、2006年より美術館を主な対象とした調査プロジェクト「わたしたちがみた当世美術館事情」を実施、報告書を発行してきました。
11年目の今年は、調査フィールドを広げ、アート、芸術、文化に関することならなんでも調査テーマとする「わたしたちがみた芸術と文化の現状」に一新。
学生ならではの発想と努力で積み上げた調査データの分析・考察からは、「日本の芸術と文化の現在」の意外な姿がみえてきます。ぜひ、ご来場ください。


日時:3月4日(土) 14時〜17時
会場:京都造形芸術大学 天心館H22教室(大階段をのぼらず、北白川通り沿い南側の棟2階)
   無料、予約不要
問合せ:075-791-9296(アートプロデュース学科 担当:山下、能勢)
主催:京都造形芸術大学アートプロデュース学科、アートコミュニケーション研究センター

 

 

== 当日プログラム ==
第一部
<学生からの調査報告>
芸大生からみる小・中・高等学校の美術館・科学館・歴史博物館体験の影響
アーティストが求める制作環境に関する調査
日本のアーティスト・イン・レジデンスの運営側からみる「目的」と「成果」
文化政策が行き届くプロセス~京都市の文化事業の目的と実践、人々の反応まで~

第二部
「豊島つなぐプロジェクト」における調査と実践、その成果
ゲスト報告:豊島の現在(香川大学経済学部地域システム学科 学生)
調査報告:芸術祭で設置されたアート作品と住民の関係~瀬戸内国際芸術祭と豊島を事例に~
シンポジウム:登壇者/香川大学経済学部 原直行教授、東京大学大学院学際情報学府博士課程 山本暁美、豊島コーディネター森島丈洋、京都造形芸術大学アートプロデュース学科 山下里加准教授

京都造形芸術大学

卒業展/大学院 修了展 

日程:2月25日(土)〜3月5日(日)

時間:10:00~18:00(入退場自由)

 

アートプロデュース学科の会場は

人間館4階 NA413教室!

 

オープンキャンパス同時開催◇3月4日、5日

詳細はこちら→https://www.kyoto-art.ac.jp/opencampus/sotsuten/

 

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