- 2017年9月13日
- ニュース
夏休みの学生たちの活動-民族(俗)資料の点検作業-
こんにちは。歴史遺産学科の副手です。
日増しに秋の気配が濃くなってきていますね。
9月16日(土)・17日(日)に秋のオープンキャンパスと学園祭が開催されるにあたり、学内も
賑わいをみせてきています。
さて、今回は夏休みの学生たちの活動と題しまして、毎年夏休み期間中に行なっている
国立民族学博物館での民族(俗)資料の点検作業の様子をお届けいたします!
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大阪府吹田市の万博公園の一画に国立民族学博物館(民博)があります。
1970年代に開催された万博では、世界各国の民族(俗)資料が収集され、太陽の塔の地下で展示されていました。
こうした資料を引き継ぎ、世界の民族について総合的に研究する博物館として設立されたのが民族学博物館です。
京都造形芸術大学の附置研究センターである日本庭園・歴史遺産研究センターでは、
この貴重な民族(俗)資料の点検作業に協力し、毎年歴史遺産学科の学生が15名ほど参加しています。
民博収蔵の標本資料を毎年1200点ずつ点検作業を行っています。
標本資料は衣類をはじめ、各国の民族(俗)資料です。
点検作業とは、標本資料を構成している素材と形態を調査カードの“材質分類”に従って分類し、
それらに異状がある場合は、その発生個所と内容をチェックするものです。
学生たちは、授業で習得した資料の取り扱いや記録方法などを実際の現場で生かす良い機会となっています。
しかし民族(俗)資料の特徴として、資料を構成している素材が多岐におよぶこと、
さらに民博収蔵資料の特徴として、世界各国から収集されているため、その材質やそれらに発生した異状を特定しなければいけません。
このことから多くの資料を限られた期間内で点検するということは容易ではありません。
本作業は、実践的でかつ応用力を要し、特に資料の材質については多くの種類を見極める訓練となっています。
点検作業の様子