アートプロデュースコース

【特別講義レポート】『目の前に何がある?から始まる「つなぐ」仕事』 鈴木一郎太さん

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10月4日(水)に行われた特別講義は、ゲストに株式会社大と小とレフ取締役の鈴木一郎太さんをお招きし、『目の前に何がある?から始まる「つなぐ」仕事』というテーマでご講義いただきました。

 

今回鈴木さんをゲストとしてお招きしてくれたのは、3回生の大場美里さん。夏期から鈴木さんの元でインターンシップを行っていることがきっかけで、アートプロデュース学科で特別講義をしていただくことが決定しました。当日ははじめに似顔絵のワークショップを行い、後に大場さん、阿部先生(アートプロデュース学科教員)を交えて、鈴木さんの活動についてお話をしました。

 

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以下、大場さんの講義レポートです。

 

 

 後期第一弾の特別講義は、株式会社大と小とレフを設立しプロジェクト企画、マネジメント、アートディレクションに携わる「鈴木一郎太さん」をゲストとしてお招きし、どのような活動をしてきたのか、活動する時に大事にしていることなどをお話していただきました。

 一郎太さんはさまざまな活動をする中で「肩書を持たない」という姿勢で物事に取り組んでいます。どんなことをやっている人なのかを一言で表すことができません。しかし、肩書きを持たないところが一郎太さんの面白いところのひとつだと私は考えています。一郎太さんと初めて会った時に「僕自身はやりたいことがない。でも、誰かのやりたいことに関わって相手のやりたいことを成功させたい。」と言っていたことが、私の中で非常に強く印象に残りました。私以外にも、アートプロデュース学科の学生の中に、この言葉が響く人がいるのではないかと思い、今回講義をお願いしました。

 

 一郎太さんに「アーティストを子どもへの療育を行っている施設に招きたい」という依頼がありました。一郎太さんは施設では何が行われているのか、何か困っていることがあるのかなどを聞き、その施設に合ったアーティストを探し「織り込み」ます。その施設には演奏者が選ばれました。本来ならば「異物」である存在なのに、その場にとても溶け込み、空気のように馴染んでいました。こちらから積極的に動きすぎるのではなくその場に合わせて、子どもたちにとって居心地の良い場をつくるということが、この施設のしたかったことなのかなとお話を聞いて思いました。

 

 講義中、一郎太さんが活動の時に大切にしているキーワードとして「織り込む」という言葉が挙がりました。さまざまな糸が重なり合って布ができていくように、活動の中で関わりあう人たちが互いのことを意識することで、ひとつのモノができてくようなイメージが一郎太さんの中にあり、「織り込む」という言葉を大切にしているのかなと思いました。

 また、一郎太さんが「織り込む」という表現をした時、教室中が一気にざわざわしだし、多くの学生がメモを取っていました。学生たちにこのワードが響いたのだとすぐに分かりました。一郎太さんのいう「織り込む」という表現は、アートプロデュース学科の学生にとって「繋げる」という言葉と似たような感覚かもしれません。人と作品を繋げることを学んでいる学生として「織り込む」という表現は新鮮で、面白く、自分たちにも当てはまると感じたのだと思います。と同時に、一郎太さんの活動に興味が湧いた学生が多いということを改めて感じました。

 

 講義後、ある学生が「私も自分のやりたいことをやって自由に生きたい。会社に縛られないで生きていきたいと思っていたから、一郎太さんの講義は面白かった」という感想を言っていました。自由に生きていきたいけど、どのようにして生きていったらいいのか分からなかった学生にとって、ひとつのヒントになったのかなと思いました。

 

(大場美里)

 

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