通信教育部

授業風景

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2017年12月5日  授業風景

【歴史遺産コース】スクーリング報告 歴史遺産学研修4(茶の湯と文化遺産)

 

 

 

京都の紅葉も終盤にさしかかってきました。瓜生山も、はらはらと小雨が舞う北山しぐれの季節です。

 

 

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さて今回は、今年からリニューアルした京都での授業のご紹介です。 

 

 

茶道に関わる授業は、総合教育科目や芸術学科では和の伝統文化コースにおいて開講されていますが、以前には歴史遺産コースにも存在していました。

 

近年、学生のみなさんからの要望も強いことから、本学に移築された茶室「颯々庵」を軸に、茶室の文化遺産としての意義や伝統文化としての茶道の基礎的な知識を理解することを目的とした授業が設けられることになりました。

 

 

 

 

1日目の11月25日(土)は、座学で茶道と茶室を学びます。

 

とくに2008年に移築された茶室の移築については、その具体的な作業にも携わった本学通学部の中村利則先生に学びました。

 

現在、千秋堂と呼ばれるキャンパスでも最も高い位置にある建物には、茶室が設えられています。

この茶室は、元は1960年に京都市内の銀行支店のビル4階内に作られたものでした。

 

裏千家の第14代家元、淡々斎宗匠のお好みで作られた茶室「颯々庵」。
それがビルの建て替えにより、本学に移築、再建されることになったものです。

 

 

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約80平方メートルほどで、淡々斎の近代茶室の中でも代表的なもののひとつと言われている茶室です。

 

移築に際しては、柱、建具はもちろん、土壁まで元の素材をそのまま生かして、ほぼ原型通りに再建されました。

 

 

講義ではDVDの記録映像により、ビル内にあった当時の姿、解体時、再建時の様子を具さに知ることができ、中村先生の茶室の建造、素材についての解説で、近代茶室「颯々庵」の文化遺産としての意義も改めて学ぶことができました。

 

 

そして茶の湯の歴史については、裏千家学園講師も務められる横田八重美先生に、わかりやすくご教授を頂きました。

 

 

 

さて2日目は実践的な講義となります。

 

颯々庵を教室として、裏千家今日庵の業躰を務められる北見宗樹先生にご指導いただきました。北見先生は通学部にもご出講されていて、裏千家と縁の深い本学ならではの講義です。

 

 

 

 

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颯々庵は御客である学生さんを迎える設えが万全です。

 

 

 

床のお軸は淡々斎筆の「松風颯々聲」。花入れも淡々斎作、銘「三和」の竹一重切が使われ、瓜生山で咲いた西王母という椿と黄色にもみじした伊予水木が活けられています。

 

 

そして待合にも太田南畝の歌に酒井抱一の紅葉の画。なんとも豪華な設えです。

 

 

 

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普段の講義とは異なり、学生の皆さんも緊張感に包まれています。

 

 

 

 

 

講義が始まり、お茶の心得について、柔らかな語り口の北見先生が語られます。先生の話術で、学生さんも少しづつ和らいだ雰囲気になってきました。

 

 

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そして「濃茶」を頂きます。

 

主菓子を頂いてから、お茶を頂戴するのですが、一連の作法は北見先生から丁寧にご指導頂いているものの、ほとんどが初めての方ばかりで、やはり緊張している学生も。

 

主菓子は緑菴の「もみじきんとん」。穏やかな甘みが口に広がります。そして濃茶を頂くと、程よい苦みの中にある甘さを感じ、みなさんの顔もほころびます。

 

 

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さて濃茶の次は、学生自身が「薄茶」を点てます。

 

お干菓子は亀末廣の玄米落雁「一休寺」。任意で二列に分かれて対面に座り、一方がお茶を点て、もう一方の側の学生が頂きます。

 

 

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お茶は点てる相手がいて、飲んで頂いて初めて意味があるもの。そうしたお茶の心を体感します。

 

 

 

 

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なかなかうまくクリーミーな泡を作ることができない方もおられましたが、それぞれお茶の心をしっかりと学ぶことができたのではないでしょうか。

 

 

 

お道具の拝見などもさせて頂き、午前の授業はこれで終了。午後は千家ゆかりの大徳寺へのフィールドワークです。

 

 

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今回は北見先生のお計らいで、かの千利休切腹の理由にも挙げられた木像の安置されている大徳寺楼門である金毛閣を特別に拝見することができました。

 

 

特別ですので、内部の写真はありませんが、長谷川等伯筆の天井画や千利休の木像(これは幕末に作られた複製で、真像は今日庵にあります)、正面には釈迦如来像、その左右に十六羅漢が並びます。大変貴重なものを拝見することができました。

 

 

 

そして大徳寺本坊を拝観したのち、千家ゆかりの聚光院に伺いました。

ここには三千家(表・裏・武者小路)の歴代の墓所が営まれており、千利休の墓も安置されています。

 

こちらも特別拝観ですので写真はないのですが、千利休の墓は宝塔のようですが、経典などを納める部分なのか、四方から四角く刳り貫かれており、台座には仏立像が刻まれている珍しいもの。渡来した石造物という説もあるようですが、その真偽はわかりません。

 

 

そして重要文化財の方丈や茶室「閑隠席」、「桝床席」を拝見しました。

閑隠席は定説では、利休150回忌の寛保元(1741)年に、表千家7代の如心斎が寄進したものとされますが、かつて利休が自刃した茶室を移したものとも言われていました。近年の調査で、その材や造りが江戸期のものよりも古いので、利休の時代に遡る可能性もあるという見解も出ているようです。

 

桝床席は閑隠席と同じ建物にあり、表千家6代・覚々斎の好みと伝わるそうで、枡形の踏込床があるため桝床席と呼ばれるとか。

 

 

 

いずれも普段は非公開であり、貴重な文化遺産です。こうした茶道の伝統が積み重ねられてきた空間を実際に体感できたことに、みなさん深い感慨を持たれたようでした。

 

 

改めて北見先生はじめ、大徳寺本坊、聚光院のみなさまに、篤く御礼申し上げたいと思います。

 

 

 

茶室という「もの」に込められた茶道の「こころ」を学ぶ。ぜひ来年はご一緒に、日本の伝統的な芸道の一つである茶道について、文化遺産という側面から学ばれてみてはいかがでしょうか。

 

 

 

 

 

 

 

 

入学説明会スタート!

 

事前予約は不要です。会場に直接お越しください。(途中入退場も可能です。)

 

【東京】

授業名 :京の師走・正月行事-今も続く、いにしえからの年中行事

開催日 :12/10(日)12:00~

担当教員:栗本徳子

持ち物 :筆記用具、メモ

 

詳しくはこちらから ↓

http://www.kyoto-art.ac.jp/t/briefing_dec/

 

 

 

 

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学科コース紹介|歴史遺産コース

 

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