京都芸術大学 通信教育部

芸術史講義(アジア)3

中国の文学、音楽、舞台芸術について、古代から十九世紀までの流れを学びます。

はじめに - シラバス -

担当教員からのメッセージ

受講生のみなさん、はじめまして。この科目を担当する赤松紀彦、前田尚香と申します。
この講義では、中国の言語芸術と上演芸術を見てゆきます。広大な中国にはたくさんの民族が多様な芸術を創りだしてきました。
その代表はいうまでもなく漢民族で、この科目でもまずその漢民族の三千年にわたる文学、演劇、音楽、芸能といった芸術の発展について学びます。そして最後の三章では、チベット、モンゴル、ウィグルといったそれ以外の民族の主に上演芸術を紹介しています。

  • 授業概要 主に中国の古典文学、古典音楽や伝統演劇などさまざまな上演芸術をとりあげ、紀元前の周、秦といった時代から、漢、魏晋南北朝、隋、唐、宋を経て、元、明、清へと続く、中国のこうした芸術の展開を、映像資料をふんだんに用いながらたどって行きます。また、漢民族以外の少数民族の上演芸術についても、三つの章に分けて概観します。
    視聴後、みなさんには各章の終わりで小テスト(章末テスト)を受けていただき、小テストに合格した後につぎの章に進んでいただきます。すべての章の学習を終えた方は、最後にレポートを提出して全体講評を受けてください。開講中は、質問を随時受け付けていますので、どしどしお寄せいただければと思います。
    授業目標 中国の古典文学は、そのジャンルだけを挙げても、詩、史伝、散文、小説、戯曲と、さまざまな作品が紀元前このかた持続的に生み出されてきました。ここでは、時代をおいながら、文学史に関しては、他の上演芸術とも関係の深い詩、戯曲ならびに通俗小説に焦点をあてつつ、その流れを把握していただきます。そして文学とも密接な関係にあった音楽、さらに演劇やさまざまな芸能などがどのように生み出され、発展したのかというその過程を見て行くことにします。
    こうした芸術はまた我が国にももたらされ、影響を与えました。江戸時代のそれについては特に一章を設け、理解を深めていただくこととしました。また広大な中国でその文化を紡いで来たのは、漢民族だけではありません。周辺の少数民族の上演芸術についても、最後の三つの章で学ぶことにします。
    授業の流れ ・1章 『詩経』と『楚辞』-うたのはじまり
    ・2章 礼楽-儒教と音楽
    ・3章 漢代の文学と音楽-古代帝国と芸能の原点
    ・4章 魏晋南北朝-分裂と融合の時代
    ・5章 隋唐の文化-花は舞う大唐の春
    ・6章 宋代の詩歌とさまざまな芸能-新たなる文化の旗手
    ・7章 演劇の興隆-元代 異民族支配のもとで
    ・8章 小説、演劇の黄金時代-明代 拡大する文化の裾野
    ・9章 伝統文化の集大成-清代 続々と生み出された名作
    ・10章 語り物と演劇の諸相-伝統と現代
    ・11章 民間音楽のさまざま-広大な大地に響く音
    ・12章 日本に伝えられた中国音楽と演劇-海を越えた調べ
    ・13章 チベット・内モンゴルの芸能-自然と宗教によってはぐくまれた芸能
    ・14章 中国西北部の芸能-中国の中の西域
    ・15章 西南各民族の芸能-共通性から生まれる独自性と創られた伝統
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