技を拡げ、
自身の表現を深める。

個々の感性、制作に対しての考え方や技術をもとに、より洗練され発展した陶表現をめざします。
土という素材とのコミュニケーションの中から、器も含む立体としての造形はもとより、表面に施される装飾、釉薬の表現、そして焼成という重要なプロセスを通して生み出される陶ならではの表現を確立。制作者独自の表現だけでなく、他者の生活に潤いを与えるような表現の可能性を追求します。

分野の特長

多くの教員や講師に教わり、幅を広げる

個性の異なる複数の教員から、それぞれの課題ごとに個別指導を受けたり。外部講師の作家、研究者、ギャラリストによるレクチャーを受けたり。技術の向上をめざしつつ、多様な表現力を身につけます。

新しい技法を学び、陶芸の多彩さを体感

石膏ろくろによる石膏原型の作り方や、楽焼による低火度焼成の可能性を探るなど、大学院ならではの高度な技法に挑戦。一方で、古い陶磁器資料に触れ、その意匠や機能を自分の作品に生かす取り組みなど、陶芸の多彩な世界を再認識。

社会との関わりを考える陶芸家へ

将来、陶芸家として活動できるよう、各自のコンセプトに基づいて表現の深化をはかれるのが大学院。社会との関わりのなかで陶芸にできることを考え、市中のギャラリー等での作品展示・販売なども実施します。

学びのすすめ方1年次

ワークショップや作家、研究者らの講義で、多岐にわたる陶芸世界の真髄を学ぶ。

美術・工芸演習(陶芸)(スクーリング科目、スクーリング研究制作科目)

器にも伝統的スタイルのものから現代感覚あふれる遊び心のあるもの、そして大量生産に見られるような工業製品としての器まであります。今一度、土の造形としての焼き物を見直し、自身の表現を見直すことから年度末の大学院生の展覧会へ向けて制作をすすめます。スクーリングでは鋳込み成型のための石膏原型作りや楽焼の可能性を探るなど、制作の幅を広げられるような内容のほか、活躍中の作家によるレクチャーや釉薬技法の講義などを通し、各自の制作に対する意識を深めてもらいます。

美術・工芸特論Ⅱ-1、2(テキスト科目)

本科目の目標は、美術・工芸に関する理論的著作を批判的に読み解くことと、その上で、各自の制作研究行為を今日の社会環境の中に位置づけて考察することにあります。制作研究は個人的な表現内で完結するものではなく、社会との関わりの中で熟成・発展していくものです。自己を包む環境について新たな見解を持ち、創作への思いを言語化することで、自作品の明解なビジョンが育ちます。

学びのすすめ方2年次

自己表現の確立をめざし、「見せる」ことも意識して作品を制作。

美術・工芸研究(陶芸)(スクーリング科目、スクーリング研究制作科目)

修了制作展へ向けて、各自の問題意識をもとに制作をすすめます。制作ノートとして各自の制作を文章化することは、考えをまとめる上でも有効な方法です。作品に対する論述と実作品の制作を並行して行うことで、今後の独自性のある作品づくりに向けての進展を図ります。スクーリングでは各自の方法、考え方で自由に制作・研究をすすめ、外部から作家を招いてのレクチャーも予定しています。

年間のスケジュールモデル

年間のスケジュールモデル

スクーリングは各年次毎に、年間を通して週末(土・日)を中心に開講しています。
詳しい日程は下記『大学院スクーリング日程2017』でご確認ください。

■スクーリング日程 大学院スクーリング日程2017

学生紹介

竹内 千恵愛知県 54歳 大学院2年次

子育てが落ち着き、美術系の教員として復職すると同時に、専門分野を学び直したいという気持ちが芽ばえました。本大学院で感じたのは、教育大学の学生時代に学んだ「教育」のための「美術」と、芸術そのものを追求する学びとの大きな違い。今までよりずっと美術や芸術の世界への興味が深まり、教育の現場でも、より自信をもって授業できるようになりました。現役教員と学生との両立は難しいけれど、うまく調整できた時の喜びは大きく、ぜいたくな人生を送れていると感じます。そして、ただ作品を制作するだけでなく、それを論文として示し、客観的な視点で文章化するという大学院ならではの学びがとても面白い。こうした経験を生かし、教員として若い人を教えつつ自分も成長し、定年後もどこかで「教える」仕事ができたら。その一方、作家としての顔も確立し、自分らしい特徴ある作品を発表していきたいです。

■教員 清水 六兵衞(教授)八木 明(教授)神内 康年(教授)

修了制作 作品ギャラリー

曽根 有亮24歳 千葉県 2015年度修了

[修了作品について]この修了制作では、繊細に、細部まで手を抜かずに作りこみ、いたるところに装飾があしらわれている作品をめざしました。失敗してしまったところもありましたが、自分の全力を出しきれた作品だと思っています。

[学びの振り返り]大学時代に実技の授業で経験した陶芸をもっと学び、陶芸作品を制作したい、と考えて進学しました。作品を数多く制作していくうちに、段々と自分の方向性がわかってきて、大学院での勉強はとても充実したものになりました。


夜行の灯

和久山 眞利子65歳 東京都 2015年度修了

[修了作品について]陶で「生命の誕生から輝き」「死への移ろい」など、時の流れと命の再生を表現したいと考えた。「生命の誕生」は土の豊かさを感じる黒土で、「成長」は赤土で表現。そして華やかに輝き、やがて死へ向かう予感を表現するため、白土に色彩を施した。

[成果、そして、これから]技法的なこともたくさん学んだが、一番の収穫は作品づくりへの姿勢である。「自分の想いをどう表現するのか」「なぜその方法が良いのか」などをよく考え、見つけつづけた結果が、納得できる表現につながる。そうしたことが、不十分だが身に付きつつある。


SEEDⅠ, SEEDⅡ, SEEDⅢによるインスタレーション

松田 さゆり広島県 2015年度修了

[修了作品について]磁土を使って鋳込みという技法で制作しました。めざしたのは、表面の質感をなめらかにすること。土や技法への理解、自分自身の取り組みなど、これから努力していかなければならないことを、たくさん学べました。

[学びの振り返り]この大学院での2年間は、レポートなど課題が大変だなと思うこともありましたが、とても貴重で充実した時間だったなと思います。先生方や一緒に学んだ陶芸分野のみなさんに出会えたことを感謝しています。


未来の記憶

下田 心一2014年度修了 愛知県 66歳

[修了作品について]自然の中で一本の老木が、切られても、倒されても再生していく。その力強さや再生力を、土という素材を通して表現した。年輪のような模様として、細いひも状の粘土を何本もはりつける。時間のかかる作業だが、凸凹によりボリューム感を表現できた。

[成果、そして、これから]大学院に進学した目的は、陶芸の技術、知識の向上と日展入選。日展の方は、一年次に達成できた。また、同じ目的を持つ仲間の修了生が日本中にいて、色々な勉強会を行っている。そこに参加しながら、さらに技術を磨きたい。


『再生』(やまおやじ)

結城 美治2014年度修了 滋賀県 82歳

[修了作品について]祈りと感謝の心情が背景にあって、修了作品は完成した。忸怩たる過去の作品は反省の画餅であった。が、いま、常識への反発、戈気縦横に、亡き肉親との語りが純真に作用し、結果を得た。将来、立ち位置に花を咲かせたい。

[成果、そして、これから]60有余年の事業活動は、ひたすら逆境に耐え、悲壮感は重かった。しかし、快哉に変化する楽しさ・喜びに繋がることを知っている。芸術活動も同じである。未熟さに挑み鍛えた充実度に勝るものなし。磨斧作針が身上である。


鎮魂の形

嶋田 健児2014年度修了 奈良県 47歳

[修了作品について]「時の流れ」をテーマに、土と、金属を組み合わせたオブジェを制作しました。伝統的なRAKU焼の焼成法を用いて、現代美術的な作品をつくる。伝統と革新という垣根を越えた芸術、という視点から制作しました。

[成果、そして、これから]陶芸から一歩飛び出した表現や製作を続けていたが、今回の修了研究によって、陶芸の内面にも目を向ける考えが生まれました。今後も、工芸と芸術が表裏一体ではない、という自由な視点から作品を制作したいと思います。


未来の記憶

資料請求 あたらしいパンフレットができました。

芸術×大学院×通信 京都造形芸術大学通信制大学院 入学説明会