多様な時代や地域の芸術活動を研究する。

本分野では、ただ単に、確立された芸術ジャンル間や作品相互間の比較を行うのではなく、さまざまな時代や地域における芸術活動について、比較という視点をもちつつ、その特性を研究します。
今日の美術史研究に不可欠な、こうした基礎的な態度を共有したうえで、具体的な作品研究に取り組みます。

この分野を志す人へのメッセージ

比較芸術学分野では、ある地域や時代の芸術を、多角的な視点で捉えることを目指します。いつの時代も、芸術はけっして孤立した領域ではなく、それが生まれた社会・歴史・政治と深く関わってきました。その複雑な結びつきを解きほぐすためには、方法論を学び地道に研究を重ねることが必要になります。絵画や彫刻といったハイ・アートだけではなく、デザインやアニメーションなど人間をとりまく広い意味での視覚文化も研究対象です。芸術をもっと知りたい、という熱意のある方を待っています。(教員:池野絢子)

池野絢子『アルテ・ポーヴェラ——戦後イタリアにおける芸術・生・政治』 2016年

学びのすすめ方1年次

物事を多角的にとらえる視点を養い、研究に必要な考え方や手法を学ぶ。

科目ピックアップ

芸術環境特論Ⅱ-1~10、Ⅳ-1、2(スクーリング)

芸術環境研究領域に関わる諸問題を、芸術作品の歴史・理論的研究、文化遺産・伝統芸術の歴史的研究、文芸研究、芸術教育と芸術計画の実践という4つの視点から考察。専門性の高い10の講義群から2つ以上を選択して受講します。

例:芸術環境を巡る諸問題、祭礼と感性、近現代美術の諸相、外国文学、日本芸能史の諸問題、西洋芸術史の諸問題、東洋芸術史の諸問題など(2016年度実績)

芸術環境演習Ⅰ・Ⅲ(スクーリング)

Ⅰ(前期)・Ⅲ(後期)では、学生が各分野で研究を遂行するために必要な考え方や方法を、ディスカッションや共同作業、各ゼミ独自の課題等を通して身につけます。さらに、ゼミ内での発表やディスカッションを通じて修了研究につながるテーマを設定し、〈調査・分析・まとめ・提案・報告〉という方法論を学びながら、各自の研究の方向性を決定します。

学びのすすめ方2年次

独自の着眼点で掘り下げた研究を、論文や報告書として結実させる。

科目ピックアップ

芸術環境研究Ⅰ(スクーリング)

「芸術環境演習Ⅰ・Ⅲ」での研究成果に基づいて、修了にむけての研究を行います。各自が設定した研究テーマに沿って、適切な資料の収集、分析、調査などをすすめると共に、その成果を論文あるいは研究活動実施報告書にまとめます。指導は主に年5回のゼミと2回の「中間報告書」に対する講評で行います。1週間に1回(必須)のWEB上での研究過程の記録のほか、必要に応じて個別指導も行います。

年間のスケジュールモデル

年間のスケジュールモデル

スクーリングは各年次毎に、年間を通して週末(土・日)を中心に開講しています。
詳しい日程は下記『大学院スクーリング日程2017』でご確認ください。

■スクーリング日程 大学院スクーリング日程2017
   

学生紹介

武内 治子山形県 33歳 大学院2年次

大学卒業後、学芸員として就職したものの、「院に進んで研究・論文発表したかった」という後悔が消えませんでした。そこで、まず東京藝術学舎の講座を受講し、東京まで通えるか、仕事とのスケジュール調整は可能か、何より自分の気力がつづくかなどをじっくり考えた結果、「やはり学びたい」と入学を決めました。現在の研究テーマは「ジェンダー美術史」。大学時代よりも、多様な物事の捉え方や研究のアプローチ方法にふれ、自分に合った研究方法を探ることが大切だと気付かされました。よく「研究は孤独な作業」と言われますが、私はこの大学院でゼミの皆さんに出会い、美術について討論できる仲間を得られました。怠け心が出たときはairU(研究記録)で皆の進み具合を見て、自分にはっぱをかけることも。将来、修士資格を活かして研究をつづけられる環境を探しつつ、まずは修士論文を納得できる形で書きあげることが、今の一番の目標です。

教員紹介

出願分野 開催地 学べる内容 担当教員
比較芸術分野 東京 西洋美術史
視覚文化論
池野 絢子
武井 美砂
吉良 智子
京都 美学
芸術理論
文学理論
梅原 賢一郎
加藤 志織
大辻 都

修了生の研究テーマ

  • ヘンリー・ムーアの彫刻における「空洞」(―1930年代の「横たわる人体」像を中心に―)
  • スペイン黄金期のセビーリャにおける「無原罪の御宿り」(図像の形成と規範化)
  • 抽象表現主義の作品をめぐる言説の考察(--形式・構造・類縁・社会--)
  • サンタ・フェリチタ聖堂 カッポーニ礼拝堂の図像プログラム(ポントルモの構想と変遷を中心に)
  • イタリア近世絵画における複製版画の引用(-アンニーバレ・カラッチ≪オデュッセウスとキルケ≫におけるラファエッロ版画の影響-)
  • ギャラリスト イリアナ・ソナベントと現代美術考(-ラウシェンバーグの《キャニオン》をめぐって-)

資料請求 あたらしいパンフレットができました。

芸術×大学院×通信 京都造形芸術大学通信制大学院 入学説明会