芸術活動で、人、もの、地域と関わる。

本分野では、芸術活動によって、人、もの、地域の関係を再構築することをめざします。
たとえば地域の伝統的な素材や技法、産業を活かした芸術活動など。
絵画や工芸といった既成のジャンルにかかわらず、みずからのプロジェクトを計画遂行することで、芸術的な環境を育成する人材を育てます。

この分野を志す人へのメッセージ

当時、だれもその価値を省みたこともなかった日常の雑具である「下手(げて)もの」のなかに美を発見し、その調査や収集の旅のなかで「用の美」という全く新しい価値観を築き上げた柳宗悦や河井寛次郎らは、大正15年の日本民藝美術館の設立趣旨に「恐らく美の世界に於いて、日本が独創的日本たる事を最も著しく示しているのは、此『下手もの』の領域に於いてであろう。」と語っています。その「下手もの」も民藝という美しい記憶の向こうに輝きを失いつつある今日、新たな「下手もの」的価値を創造し、この世界の価値観をシフトチェンジしようと欲する人材を求めています。(教員:松井利夫)

「世界考古学会議京都開催記念 ーアートと考古学展ー」 京都文化博物館 2016年 監修:松井利夫

学びのすすめ方1年次

物事を多角的にとらえる視点を養い、研究に必要な考え方や手法を学ぶ。

科目ピックアップ

芸術環境特論Ⅱ-1~10、Ⅳ-1、2(スクーリング)

芸術環境研究領域に関わる諸問題を、芸術作品の歴史・理論的研究、文化遺産・伝統芸術の歴史的研究、文芸研究、芸術教育と芸術計画の実践という4つの視点から考察。専門性の高い10の講義群から2つ以上を選択して受講します。

例:芸術環境を巡る諸問題、祭礼と感性、近現代美術の諸相、外国文学、日本芸能史の諸問題、西洋芸術史の諸問題、東洋芸術史の諸問題など(2016年度実績)

芸術環境演習Ⅰ・Ⅲ(スクーリング)

Ⅰ(前期)・Ⅲ(後期)では、学生が各分野で研究を遂行するために必要な考え方や方法を、ディスカッションや共同作業、各ゼミ独自の課題等を通して身につけます。さらに、ゼミ内での発表やディスカッションを通じて修了研究につながるテーマを設定し、〈調査・分析・まとめ・提案・報告〉という方法論を学びながら、各自の研究の方向性を決定します。

学びのすすめ方2年次

独自の着眼点で掘り下げた研究を、論文や報告書として結実させる。

科目ピックアップ

芸術環境研究Ⅰ(スクーリング)

「芸術環境演習Ⅰ・Ⅲ」での研究成果に基づいて、修了にむけての研究を行います。各自が設定した研究テーマに沿って、適切な資料の収集、分析、調査などをすすめると共に、その成果を論文あるいは研究活動実施報告書にまとめます。指導は主に年5回のゼミと2回の「中間報告書」に対する講評で行います。1週間に1回(必須)のWEB上での研究過程の記録のほか、必要に応じて個別指導も行います。

年間のスケジュールモデル

年間のスケジュールモデル

スクーリングは各年次毎に、年間を通して週末(土・日)を中心に開講しています。
詳しい日程は下記『大学院スクーリング日程2017』でご確認ください。

■スクーリング日程 大学院スクーリング日程2017
   

学生紹介

廣瀬 智哉兵庫県 27歳 大学院2年次

現在、地元の淡路島を舞台にした映画の絵コンテを描きながら、その創作過程を詳細に記述、考察するという研究に取り組んでいます。大学院で得た思考法をもとに、居住地のまわりで興味あることをひとつひとつ調べる、という学びの集積から生まれた研究です。大学院で身につく考察力や発見力は、自身の研究だけでなく、周囲のさまざまな物事を考える時にも活かせます。たとえば、以前は気にもとめなかった街の風景を注意深く観察するようになったり、静態として捉えていたものの動きにも強い関心を持つようになったり。興味の持ち方が広がり、「すごく良い虫眼鏡を手にした少年」の気分です。芸術環境のテーマは幅広く、先生も同じゼミ生もそれぞれ多種多様な研究をしています。だからこそ、立体的な意見やアドバイスを得られる。それを自身の考えに上手く役立てることで、予想もできなかった方向へと制作や研究がすすむのも、大きな喜びです。

教員紹介

出願分野 開催地 学べる内容 担当教員
芸術環境計画分野 東京 芸術計画
創作文芸
春日部 幹
松井 利夫
田中 尚史
中村 亮二
京都 芸術計画
伝統文化・工芸構想
松井 利夫
下村 泰史
井上 治
伊達 伸明

修了生の研究テーマ

  • 造形と共に生きる街―常滑―(日本の近代産業が作った風景群の絵画的記録及びその普及に関する研究)
  • 移動型洋服仕立業を通じて提案するものづくりの光景
  • 八重山諸島最後の土器文化、パナリ焼きの研究
  • 地域ブランド戦略における場の「体験価値」と交流による「情緒的価値」の考察(直島・豊島・犬島アートプロジェクトを事例として)
  • 小学校家庭科教育における布を用いたカリキュラムの構築
  • 復興の先の出口を見据えて、地域活性化を担う中核的人材育成のための環境と仕組みづくりの実践的研究~貞山運河流域を場とする地域おこし人材の育成~

資料請求 あたらしいパンフレットができました。

芸術×大学院×通信 京都造形芸術大学通信制大学院 入学説明会