DOUBLE ANNUAL2024 瓢箪から駒 ―ちぐはぐさの創造性

2024年2月24日(土)-3月3日(日) 10:00–18:00 ※観覧締切時間は17:30 国立新美術館3階 展示室3A 会期中の休館日:2月27日(火) 入場無料

Double Annualは京都芸術大学と東北芸術工科大学の学内選抜展です。
Double Annualでは毎回テーマを設定し、両校の学生から作品プランを募集します。今回の募集テーマは「問い合わせ中」でした。コロナ禍を経て世界全体が次のフェーズを模索する中で、私たちの心理状態やそこに起こるアクションを念頭に置いたワードです。このキーワードに応答するかたちで、問いかけそのものに重きを置き、確たる答えを求めないオープンな姿勢の作品プランが多く寄せられました。
1次の書類選考、2次の面接を突破して最終的に選ばれた10人は、応募時のプランをディレクター陣と対話しながら発展させていきます。その中で、興味深いことに「容れ物」のイメージが浮かんできました。意識と体、自分自身と社会、空いている土地、などなど。中身と容れ物の用途やサイズは合っておらず、そこには常に大小の疑問が生じます。
時代が動く時、既存の枠組みや、慣れ親しんだ感覚などに違和を感じ始め、それはやがて無視することのできない大きなギャップになるということは、ありえることでしょう。その初期微動を、アーティストたちは敏感に感じ取っていると言えます。
またいっぽうで、今回の参加作家たちは、それら中身と容れ物が合っていない「ちぐはぐ」な状況を、必ずしもネガティブに捉えてはいません。ちぐはぐさ、つまり距離やギャップを無理に埋めようとはしなくとも、遠いどこかや誰かに何らかの呼びかけをしているようにも見えます。両義的な私たち自身を逆照射したり、あるいはその状況からクリエイティブで新しいヴィジョンを導き出そうともします。
問いと答えはいつもダイレクトに繋がっているわけではないはずです。時には、「瓢箪から駒」のように、思ってもみなかった面白い何かが飛び出してくることもあるのではないでしょうか。

「DOUBLE ANNUAL」は京都芸術大学ならびに東北芸術工科大学の全学部生と院生を対象とした学生選抜展です。
京都芸術大学は2017年度より、第一線で活躍するキュレーターを招聘し、キュレーターの提示したテーマに応答する形で、学生を募集・選抜し、キュレーターから制作指導を受けながら展覧会をつくり上げる実践的な芸術教育プログラムに挑戦してきました。昨年より姉妹校である東北芸術工科大学からも学生選抜を行うプロジェクトへと発展させ、京都と山形という二つの異なる地点から、芸術教育のあり方を問い直し「アートになにができるのか」問いかけています。

総合ディレクター:金澤韻・服部浩之 監修:片岡真実

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DOUBLE ANNUAL 2024プレビュー展(京都芸術大学・東北芸術工科大学)

2023年12月、両大学で開催されたプレビュー展(中間発表展)。ディレクター陣、片岡真実、金澤韻、服部浩之らによる講評会が開催されました。両大学の展覧会のレビュー記事をお届けします。プレビュー展を踏まえ、国立新美術館での本展をご覧いただくと作家の軌跡や成長が感じられます。

京都芸術大学:https://uryu-tsushin.kyoto-art.ac.jp/detail/1184

瓜生通信

東北芸術工科大学:https://www.tuad.ac.jp/gg/report/10483/

東北芸術工科大学GG

DOUBLE ANNUAL 2023「反応微熱―これからを生きるちから―」2023年2月25日(土)- 3月5日(日)

DOUBLE ANNUAL 2023

アクセス

国立新美術館

〒106-8558 東京都港区六本木7-22-2
TEL:03 6812 9921 (会期中のみ)

東京メトロ千代田線乃木坂駅 青山霊園方面改札6出口(美術館直結)
東京メトロ日比谷線六本木駅4a出口から徒歩約5分
都営地下鉄大江戸線六本木駅7出口から徒歩約4分

当館には駐車場はございませんので、車でのご来館の際はご注意ください。

お問合せ

京都芸術大学 教学事務室

  • 075-791-9165