グローバル・ゼミ

Global Seminar

グローバル・ゼミ

トップアーティスト、キュレーターを生むことだけを考え抜いたゼミ

このゼミでは総合力と跳躍力のあるアーティストやキュレーターを育てます。つまり、世界を俯瞰的に捉え、広い視野から世界の動向を把握できるような総合的な視点をもち、自分なりのリサーチを蓄積していくことによって、その後の跳躍を助ける知識をもつ人材になるということです。加えて、世界のアートシーンでは英語力が問われるため、授業やゲスト講師とのコミュニケーションはすべて英語で行います。在学中に可能な限り多くの学びと気づきを得て、卒業後にアーティストやキュレーターとして世界のアートシーンで高くジャンプできる人材を育てたいと思っています。

ゼミの特長

世界のアートシーンを肌身で学ぶ

世界のアートシーンで活躍するためには、その現実を実体験から学ぶ必要があります。そこで本ゼミでは、京都、東京、海外といった様々な学外研修プログラムを用意。著名美術館、ギャラリー、スタジオビジットを通して「世界の空気」を学びます。

時代を生き抜くための能力を培う

ポスト・インターネット時代を生き抜くために必要な素養は、創作技術だけにとどまりません。情報収集、調査研究、知識の編集、プレゼンテーション能力といったクリエイターに求められる様々な「サバイバル術」を、共同リサーチ・プロジェクトを通して培います。

ディレクターメッセージ

世界のトップアーティスト、キュレーターと学ぶ2週間

様々な文化圏、歴史、社会環境、そして価値観をもったトップレベルのアーティストやキュレーターと出会うことで、アートシーンで活躍するための選択肢が星の数ほどあることを、「実例」にふれながら学んでほしい。一度きりの講演では、彼らが探求する領域や実践への深い理解も得られず、学生たちが具体的なアドバイスを受けることも難しい。そのため、1学年5名の少人数制にし、複数の視点をもった年間6名のゲスト講師からそれぞれ2週間集中して学びながら、現代社会を取り巻く課題について議論を深める「ここにしかない学びの形」を生み出しました。

大学院 グローバル・ゼミ ディレクター

芸術研究科 教授 片岡 真実
片岡 真実

京都造形芸術大学大学院芸術研究科教授。森美術館副館長兼チーフ・キュレーター、第21回シドニー・ビエンナーレ芸術監督(2016〜2018年)。国際美術館会議(CIMAM)理事(2014年〜)。日本およびアジアの現代美術を中心に企画、執筆、講演等多数。

授業紹介

作品制作

ゲスト講師 島袋道浩氏の京都での展覧会「大京都 2018 in 京田辺」と新潟での展覧会「越後妻有トリエンナーレ」の作品制作サポートを行いました。京都では、展示予定地である一休寺のリサーチに同行。展示予定の作品について話し合い、展示に必要な什器の採寸から制作、搬入までをサポートしました。また新潟では、展示予定地近くに滞在し、島袋さんや現地のサポーターの方々と打合せを重ねながら現地制作を経験。世界で活躍するアーティストの作品制作現場に立ち会うとともに、滞在中には日本や海外のアーティスト達の活動について話を聞くことができ、制作以外のコミュニケーションの場もとても貴重な経験となりました。

東京研修

学生が興味のある場所をピックアップし、ギャラリーや美術館をリサーチする3日間の東京研修を行いました。「ギャラリー小柳」「メゾン・エルメス」「水戸芸術館」など20近くの美術館やギャラリーを訪問し、ギャラリストやキュレーターの方々から解説を受けながら作品を鑑賞。その後、アーティストと展覧会をつくることや展覧会開催の裏話など、キュレーターの仕事について話を聞く機会をいただきました。また、美術展設置などを手がける東京スタデオを訪問。1984年に西武美術館で開催されたヨーゼフ・ボイスのドキュメンタリービデオ鑑賞や、事務所代表の小澤氏との懇話会も設けられ、アートの現場を知る貴重な機会となりました。

ギャルリ・オーブでの展覧会

学内にある「ギャルリ・オーブ」にて、『石のお金と傾いた時計 ― 四つの視点(Stone Money and Tilted Clock ― 4 perspectives)』を開催しました。「グローバル化とは何か?」を展覧会のテーマの主軸にし、「距離」「時間」「価値」「差異」をキーワードに、キュレーターの学生が企画と展示会場を構成。アーティストの学生がそれぞれ数作品を展示しました。会期中は浅田彰先生とマイケル・ジュー氏をゲストにトークイベントも開催。また、現代美術家の宮島達男氏も来場され、作品について講評していただき、ゼミでの成果を様々な視点から確認することができました。

オーストリア・ウィーンでの展覧会

オーストリアのウィーンを拠点に活動するノン・プロフィット・アート・アソシエーション「See You Next Thursday」と展覧会企画をし、半年間以上の打合せを重ねながら、グループ展『YESTERDAY’S TOMORROW IS TODAY』をウィーンのギャラリー「VBCÖ」にて開催しました。日本とオーストリアとの遠く離れた状況で企画を進めていくのは大変でしたが、学生がウィーンへ、またアソシエーションのメンバーが来訪するなど、相互にコミュニケーションを深めながら展覧会までこぎつけました。展覧会には多くのアート関係者が訪れ、今後のウィーンでのアーティスト活動にもつながりをもつことができました。

グローバル・ゼミ2020年度ゲスト講師

5月 サスキア・ボス(Saskia Bos)
6月 ヤン・ジュン(Jun Yang)
7月 島袋道浩(SHIMABUKU)
10月 ヤン・ヘギュ(Haegue Yang)
11月 ブレット・リットマン(Brett Littman)
1月 ライアン・タベット(Rayyane Tabet)

グローバル・ゼミ2019年度ゲスト講師

スーザン・ノリー

アーティスト|オーストラリア

シド―ニーを拠点とし、美術、ドキュメンタリー、フィルムなどのジャンルを多用する実践を展開。環境や人権、生存に関するプロジェクトを手掛ける。2007年に第52回ヴェネチア・ビエンナーレ・オーストラリア代表作家。2011年に横浜トリエンナーレで発表した<TRANSIT>はその後ロンドンのテートモダンに収蔵された。オーストラリア現代アートセンター(メルボルン)およびオーストラリア現代美術館(シドニー)の理事会にてアーティスト代表を務める。スールン・ホアス・ドキュメンタリー賞や、カールスルーエ・アート・アンド・メディアセンター(ZKM)2001をはじめとする多くの国際レジデンス賞を受賞。2016年にオーストラリア戦争記念館のコミッションで、イラク、タジ・キャンプに派遣。オーストラリア協議会より2019年ヴィジュアル・アーティスト賞に選出された。

 Courtesy: Australia Council

デビッド・テ

インディペンデントキュレーター、シンガポール国立大学准教授|シンガポール

キュレーター、シンガポール国立大学准教授。専門は東南アジアの現代美術。これまでに、Unreal Asia(第55回オーバーハウゼン国際短編映画祭 2009)、Video Vortex #7(ジョグジャカルタ 2011)、TRANSMISSION(ジムトンプソンアートセンター、バンコク 2014)、Misfits: Pages from a Loose-leaf Modernity(世界文化の家、ベルリン 2017)and Returns(第12回光州ビエンナーレ 2018)など数々の展覧会を手がける。Third Text、 ARTMargins、Afterall、Artforumなどの美術ジャーナルにも積極的に寄稿している。2017年にはMIT PressよりThai Art: Currencies of the Contemporary、2018年にはAfterall Booksよりデビッド・モリスとの共著として展覧会史シリーズArtist-to-Artist: Independent Art Festivals in Chiang Mai 1992-98 を刊行。

神谷幸江

ジャパン・ソサエティー(ニューヨーク)ギャラリー・ディレクター|日本、米国

広島市現代美術館、ニューミュージアム(ニューヨーク)のキュレーターを経て2015年より現職。日本、アジアを中心とした展覧会企画、執筆を国内外で行う。第12回上海ビエンナーレ(2018-2019)、コ・キュレータ。

リー・ミンウェイ

アーティスト|台湾

1964年台湾生まれ。近年はニューヨークとパリに拠点を置く。他人同士の間で生まれる信頼感や親密性、自己認識といった課題を追求する参加型のインスタレーションや、作家とともに食事、睡眠、散歩や会話をすることでそれらの課題について熟考する一対一のイベントをつくりだす。彼が手がけるプロジェクトは常に、日常の相互作用を生み出すオープン・エンドなシナリオであり、参加者の関わりや変化を含んだ異なる形態を帯びるものである。1997年イエール大学より美術学修士を取得。ホイットニー美術館、ニューヨーク近代美術館、イザベラ・スチュワート・ガードナー美術館、ロサンゼルス・カウンティ美術館、台北近代美術館、クィーンズランド近代美術館、ポンピドゥ・センターなどで主な個展を開催。また、ヴェネチア、リヨン、リバプール、台北、シドニー、ホイットニー美術館のビエンナーレやアジアパシフィック・トリエンナーレなどに参加。

Courtesy: Matteo Carcelli; originally published in Gallery, September-October 2016, the National Gallery of Victoria.

アーニャ・ガラチオ

アーティスト|英国、米国

1963年スコットランド、ペイズリー生まれ。カリフォルニア州サンディエゴやロンドンを拠点に活動を展開。コンテンポラリー・オースティン(テキサス州オースティン 2017)、サンディエゴ現代美術館(カリフォルニア州サンディエゴ 2015)、カムデン・アートセンタ、(ロンドン 2008)、スカルプチャー・センター(ニューヨーク 2006)、テートブリテン・コミッション・デューヴェンギャラリー(ロンドン 2002)などで個展を開催。2003年ターナー賞にノミネート。現在、カリフォルニア大学サンディエゴ校教授を務める。

田中功起

アーティスト|日本

アーティスト。主に参加した展覧会にミュンスター彫刻プロジェクト(2017)、ヴェネチア・ビエンナーレ(2017)、リヴァプール・ビエンナーレ(2016)など。2015年ドイツ銀行によるアーティスト・オブ・ザ・イヤー、2013年ヴェネチア・ビエンナーレでは参加した日本館が特別表彰を受ける。主な著作、作品集に『Precarious Practice』(Hatje Cantz、2015年)、『必然的にばらばらなものが生まれてくる』(武蔵野美術大学出版局、2014年)、『共にいることの可能性、その試み、その記録-田中功起による、水戸芸術館での、ケーススタディとして』(グラムブックス)など。

写真:題府基之

2018年度ゲスト講師

サスキア・ボス

キュレーター、エデュケーター、美術史家|オランダ

アムステルダムのキュレトリアル・プログラム[デ・アペル]の創設者兼キュレーター、ニューヨークのクーパー・ユニオン大学芸術学部長などを30年以上にわたって歴任。その間にベルリン・ビエンナーレ(2001年)、ヴェネツィア・ビエンナーレオランダ館(2009年)などキュレーションも多数。

島袋 道浩

アーティスト|日本

1990年代初頭より国内外の多くの場所を旅し、そこに生きる人々や動物、風習や環境に関係したインスタレーションやパフォーマンス、ビデオ作品を制作している。2004年から2016年まではドイツ、ベルリンを拠点に活動。パリのポンピドー・センターやロンドンのヘイワード・ギャラリーなどでのグループ展に加え、ヴェネツィア・ビエンナーレ(2003年)、サンパウロ・ビエンナーレ(2006年)などの国際展に多数参加。

《携帯電話を石器と交換する》 2014年|札幌国際芸術祭|携帯電話を石器と交換する。そして、かつて鮭のいた川まで歩き水の音を聴く。

ヒーマン・チョン

アーティスト|シンガポール

イメージ、パフォーマンス、シチュエーション、ライティングなどのメディアを融合させるコンセプチュアル・アーティスト。ロックバンド美術館(上海)、サウスロンドンギャラリー、アートソンジェセンター(ソウル)での個展の他、「未読本のライブラリ−」プロジェクトや小説執筆など活動は多岐にわたる。

《近代世界における日々の生活、今日のアーティストの役割とは、抗議、親交》 2005年|香水瓶4本、書籍4冊のタイトルの連鎖から意味を想像する。

シュレヤス・カルレ

アーティスト、CONAディレクター|インド

ビジュアル・アーティストとしての活動の傍ら、インド、ラージャスターン州にあるアーティスト・ラン・レジデンシーSandarbhの芸術監督も務めた。第1回コチ・ムジリス・ビエンナーレ(インド)、エセル美術館(オーストリア)などでの展示のほか、若手作家のための奨学金や受賞多数。2012年には、ムンバイに非営利団体CONAを創設。現在は同クリエイティブ・ディレクター。

授業概要

多言語、多宗教、多文化の大国インドでも、経済発展とともに新しいアートシーンが生まれています。そこからは既存のシステムに代わる新しいアーティストの役割も見えてきます。

《谷崎潤一郎の厠にいるモンテーニュのカガネル(うんち人形)》2016年|モンテーニュや谷崎潤一郎の哲学を参照しながら、その思索を日本家屋のなかで彫刻へ反映。

マイケル・ジュー

アーティスト|米国

彫刻、パフォーマンス、ドローイング、ビデオ、インスタレーションなど多岐にわたるメディアを駆使して制作。生物学専攻からイエール大学美術科に進み、科学、宗教、文化、性、死など人類の壮大なテーマを探求し続けている。作品はニューヨーク近代美術館、グッゲンハイム美術館などに収蔵されている。

授業概要

美術の枠を越えた多様な分野の研究を重ねながら、それを大規模なスケールの彫刻やインスタレーションに転換できるアーティストです。思想に形を与えることの意味を考えさせてくれます。

《樹木》 2001年|倒れたオークの木を200のパーツに切断し、スチールロッドで全長13メートルに再度繋げた。自然と人間の意志の力、年輪とグリッドなど、破壊と生成が同時に存在する。

手塚 美和子

キュレーター、美術史家|米国

ニューヨークのアジア・ソサエティ美術館現代アジア美術キュレーター、ジャパン・ソサエティ・ギャラリー館長を経て、2015年より故・荒川修作がニューヨークに設立したリバーシブル・デスティニー財団のコンサルティング・キュレーター。2003年、日本戦後現代美術に関わる研究者、キュレーター、アーティスト等を国際的にオンラインでつなぐ「ポンジャ現懇」を共同で創設。

授業概要

海外から日本やアジアの現代美術はどう見えているのでしょうか。世界で活躍するにはそうした客観的な視点も不可欠です。近年広がる日本戦後美術の研究の最新動向とともに学んでいきましょう。

資料請求 あたらしいパンフレットができました。