芸術文化領域

ART & CULTURE FIELD

JOHN PILONE/深海の空~Sky of the deep sea~(博士課程2年次)

JOHN PILONE/深海の空~Sky of the deep sea~(博士課程2年次)

21世紀における「新しい教養」を身につける

アートや社会そのものが多様化している今、あまりにも情報が多様化され大量であるがゆえに、かえって分断や閉塞感が生まれています。本領域では、他の学問・芸術分野と自由に交流しながら、今の時代にふさわしい「新しい教養」を身につけ、複合的・統合的な視点をもって社会と向き合える研究者や、アートの実践家を輩出していきます。

領域の特長

自由な交流と探求を生む、多様性にあふれた領域

伝統的な芸術論・美術史をはじめ、現代のサブカルチャーを扱うマンガ論、あるいは芸術教育や文芸表現まで、非常に多様なテーマを包括し得るのが本領域の特色です。さらに、「研究テーマによっては、論文と作品のどちらでも修士学位取得が可能となるため「研究」と「創作」の両面から自由な探求が生まれています。

一人では得られなかった気づきを与え合う「共通ゼミ」

少人数のゼミで論文指導や制作指導を行い専門性を深める一方で、領域全体で集まり、お互いのアイデアを交換できる「共通ゼミ」を設けています。多様な研究・創作にふれると同時に、お互いの発想やアプローチの中に共通性を見出すなど、お互いに気づきを与え合える場となっています。

領域長メッセージ

多様性をつなぐ鍵、「物語/身体/イメージ」

私たちは、多様な研究・創作をつなぐ、ひとつのキーコンセプトとして「物語/身体/イメージ」というものを掲げています。たとえば「物語」は、文芸表現だけでなく、絵画の中にも聖書やギリシャ神話を題材にした「物語」が描かれています。「物語」というコンセプトをひとつの分析の視点として、マンガや映画、舞台など、様々な分野について考えることができます。このように同じコンセプトを共有したうえで、異なるテーマを探求する者同士が論じ合うことで、一見異なる領域の間に思いもよらなかったような関係が生まれ、その中から新しいものが生まれていくことを期待しています。

芸術文化領域長 森山直人

芸術文化領域長

森山 直人

本学舞台芸術学科教授。同大学舞台芸術研究センター主任研究員、及び機関誌『舞台芸術』編集委員。1968年生まれ。演劇批評家、現代演劇研究。「KYOTO EXPERIMENT (京都国際舞台芸術祭)」実行委員長(2013~)。著書に『舞台芸術の魅力』(共著、放送大学教育振興会)、論文多数。

修了生紹介

ひとりの演出家の人生を辿り、日本の舞台芸術と、自分の生き方を考える。

劇の見学や文献の閲覧によるメモ。自らの考えが論文になっていくひな形でもある。

修士論文「演劇における物語の語り方 -蜷川幸雄の演出術を中心に」

陳 彦丞
陳 彦丞(チン ゲンジョウ)さん

学生 [ 2018年度修了 ]

中国陝西省にある西安美術学院で演劇や映像の美術を学び、日本へ。舞台芸術や論文の書き方について一から学び、修士論文「演劇における物語の語り方―蜷川幸雄の演出術を中心に」を書き上げる。現在は博士課程に進み、自身の興味を学術の領域にまで高めるべく、活動を拡げる。

物語を描く媒体はたくさんあるのに、
「私の物語」がどこにもなかった。

子どもの頃から物語をつくることが好きで、家族や友だちが飽きるまで、夢に見た不思議の世界への冒険を語っていました。高校でアニメーターに憧れ、大学では映像制作に打ち込みました。卒業前に将来を見つめたとき、私の前にはたくさんの選択肢がありました。絵本、小説、アニメ、映画、3DCG。どの表現も「物語」を描く媒介となれるけれど、「私の物語」がどこにもないような気がしました。迷いと葛藤の中、古くからの美術の流れを汲み、演出、身体表現、照明、音楽などの総合芸術である「舞台芸術」に惹かれていきました。ここを入り口にすれば、新しい世界がひらけるかもしれない。そんな想いで大学院に進みました。

何を考え、作品をつくるのか。
領域を超えたつながりが、研究の支えに。

修士課程では、演出家の蜷川幸雄さんについての研究に取り組みました。長いキャリアを持つ彼の作品と人生を辿ることは、戦後日本の舞台芸術を辿ることにもつながると考えたのです。彼が何を考え、舞台をつくってきたのか。考察を進めるうえで、この大学院の特徴である「領域横断」の環境が支えになりました。様々な領域で創作や研究に打ち込む人と出会い、それぞれが何を大切していて、何に躓き、どう乗り越えていくのか、間近で見ることができたのです。蜷川幸雄という人生の物語や、多様な人々の考えにふれて、これから自分はどんな人になりたいのか、私自身の物語と向き合う時間も手に入れたように思います。

資料請求 あたらしいパンフレットができました。