![フィールドワーク 2020年2月23日日–26日水 9:30–17:30(最終入場時間 17:00)|会期中無休|入場無料 東京都美術館[1階 第2・第3展示室]](img/annual_logo.png)
京都芸術大学は、近年芸術教育の成果発表ともいえる卒業・修了制作展のあり方について改めて問い直してきました。芸術大学の学びが、個人的な興味・関心から生まれる一方向的なメッセージに終始するのではなく、歴史・文化・社会・政治を複層的にリサーチし、未来の社会に対して芸術的視点から何が提案できるのかを考えてきました。
そこで、これまで『シュレディンガーの猫』(2018)、『宇宙船地球号』(2019)というテーマで2年間本展を開催してまいりました。3年目となる本年度は『KUAD ANNUAL 2020 フィールドワーク:世界の教科書としての現代アート』と題して、出展者を学部3年生以上に広げ、12人と3組の学部生・院生の作品を展示いたします。ぜひご高覧ください。
今日、現代アートと呼ばれるものは、多様化する「世界」を俯瞰し、そこに投影された過去を再考し、さらに未来を考える総合的な領域として拡張しています。メディアや図画工作的なテクニックの問題に限定されず、現代アートはあらゆる分野と接続しながら、「世界」を学ぶガイドブックでもあります。したがってアーティストは、自らの内面を見つめるだけでなく、自分の立ち位置と他者、現在と過去、とりわけ語られない歴史などを相対化させ、人類や地球の未来のための総合的な叡知を伝えていかなければならないのです。
「KUAD ANNUAL 2020」では、「世界の教科書としての現代アート」を
「フィールドワーク」という視点から探ります。フィールドワークは、多様な分野で採用される研究方法で、自ら対象となる場所に赴き、参加、観察、記述するものです。本展ではそれを、自らの体験と観察、他者との対話等によって私たちが生きている現代世界を学ぶ機会として捉えています。参加アーティスト15名(組)が多様な関心からフィールドワークを進め、そこから見えてきた世界をいかに芸術作品として転換したのか、ご高覧いただければ幸いです。企画:片岡真実
京都芸術大学大学院芸術研究科 教授
森美術館 館長
ニッセイ基礎研究所都市開発部、 東京オペラシティアートギャラリー・チーフキュレーターを経て2003年より森美術館。2020年より森美術館館長。2016年度より京都芸術大学大学院芸術研究科教授。「第21回シドニー・ビエンナーレ」 芸術監督 (2018)。

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