京都芸術大学 大学院

社会と芸術の
あらたな関係を目指して。
2023年4月京都芸術大学
大学院を改編します。

近年、デザイン思考・アート思考に注目が高まっています。今回の改編では、オンライン学習の浸透を背景に、それぞれの環境にあわせた学びのスタイルで修士研究を進め、社会に芸術の専門的な知見と技倆を身につけた人材を送り出す大学院を目指します。

対面による小人数のゼミ指導を行う「芸術専攻」と対面授業とオンライン授業を併用した「芸術環境専攻」。そして、完全オンラインで修了まで学べる「芸術専攻(通信教育)」の3つに改編します。

大学院の新しい専攻形態

芸術専攻・芸術環境専攻・芸術専攻(通信教育)のそれぞれの学び方や、
芸術専攻・芸術環境専攻を学ぶ留学生が安心して授業に取り組める特長的な学びを紹介します。

  • 対面
    芸術専攻 【定員60名】

    京都・瓜生山キャンパスで少人数ゼミのなか、研究指導を受けつつ、研究や制作を進めます。美術作品の制作や文化財保存修復の研究などに適した専攻です。国内外のアート関係者との交流機会をさまざまに設け、大学附属の研究センターと連携して学びを深めていきます。また、グローバル・ゼミは英語による受講で修士号の取得が可能です。

    【修士課程】
    グローバル・ゼミ/歴史遺産研究領域/美術工芸領域
  • 対面+オンライン
    芸術環境専攻 【定員180名】

    京都・瓜生山キャンパスや東京・外苑キャンパスなどでの集中授業と遠隔授業とを併用することで、授業の場所や時間割の制限が比較的少なく、現地調査やスタジオワークに適した専攻です。オンライン授業の割合を増やすことで、対面授業を専門分野の特性に応じて週2日〜月1日とし、各自に合わせた学びの形態が選択可能。個人の実践的な活動や社会参加をサポートします。授業外での関わりにも注力し、バーチャル空間でのコミュニケーションツールを使用して、密な関係を築き上げます。

    【修士課程】
    情報デザイン・プロダクトデザイン領域/文化デザイン・芸術教育領域/建築・環境デザイン領域
  • 完全オンライン
    芸術専攻(通信教育) 【定員450名】

    通学0日、完全オンラインで修了まで学べます。学習用webサイト「airU(エアー・ユー)マイページ」やオンライン会議システムZoom等を活用。レポート・作品提出、動画講義、個人ワークまたはグループワーク、研究記録、個別指導等をすべてweb上で行うことで、忙しい社会人でも限られた時間のなかで存分に学び、これからの芸術運動の担い手となります。

    【修士課程】
    芸術学・文化遺産領域/美術・工芸領域/写真・映像領域/文芸領域/コミュニケーションデザイン領域/学際デザイン研究領域

専攻比較表

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領域 募集人数 学び方 授業料(年間) 入学選考 出願期間 留学ビザ
芸術専攻 ■グローバル・ゼミ
■歴史遺産研究
■美術工芸
60名 対面
京都・瓜生山キャンパスで授業を実施
1,429,430円 二段階方式
【一次審査】書類選考
【二次審査】口述試験
【前期】
2022年8月15日(月)〜 8月26日(金)

【後期】
2022年11月23日(水・祝)〜 12月5日(月)
取得可能
芸術環境専攻 ■情報デザイン・プロダクトデザイン
■文化デザイン・芸術教育
■建築・環境デザイン
180名 対面+オンライン
京都・瓜生山キャンパスや
東京・外苑キャンパスなどでの
集中授業と遠隔授業とを併用実施
※必修履修科目は、基本的に
前期・後期各6〜8回の
対面授業(曜日固定形式)への参加、
または、時差配信される各回の
授業動画の視聴が必要です。
972,430円
芸術専攻
(通信教育)
■芸術学・文化遺産
■美術・工芸
■写真・映像
■文芸
■コミュニケーションデザイン
■学際デザイン研究
450名 完全オンライン
芸術学・文化遺産領域、
写真・映像領域、
美術・工芸領域はオプション(有料)
で対面授業も受講可能
360,000円~375,000円 書類選考
※web手続きと郵送での書類提出
2023年1月23日(月)~ 2月21日(火) 取得不可

領域比較表

芸術専攻美術工芸領域
×
芸術専攻(通信教育)美術・工芸領域

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分野 学び方・領域の特長

芸術専攻
美術工芸領域

彫刻・立体造形、陶芸、
染織テキスタイル、
写真・映像、日本画、油画、版画
対面
京都・瓜生山キャンパスで
授業を行います。

世界の第一線に立てるアーティスト、
あるいは、各々の分野でプロフェッショ
ナルとして活躍できる人物の輩出をめざし
ます。現役作家と直結したゼミ活動と実践
を重ね、社会とつながるチャンスがふんだ
んにある環境のもとで必要なクオリティー
を磨き上げていきます。

芸術専攻
(通信教育)
美術・工芸領域

日本画、洋画、工芸デザイン 完全オンライン
学習用webサイト「airU(エアー・ユー)
マイページ」やオンライン会議システム
Zoom等を使用します。オプション(有料)
で対面授業も受講できます。

日本画、洋画分野は研究・制作を通して
各自の絵画表現を深めます。
工芸デザイン分野は工芸観の再構成を試み、
各自の制作や実践活動につなげます
(授業で制作指導は行いません)。

芸術専攻 美術工芸領域 写真・映像分野
×
芸術環境専攻文化デザイン・芸術教育領域 メディアコンテンツ研究分野
×
芸術専攻(通信教育)写真・映像領域

学び方・領域の特長

芸術専攻
美術工芸領域
写真・映像分野

対面
京都・瓜生山キャンパスで
授業を行います。

世界の第一線に立てるアーティスト、
あるいは、各々の分野でプロフェッショ
ナルとして活躍できる人物の輩出をめざし
ます。現役作家と直結したゼミ活動と実践
を重ね、社会とつながるチャンスがふんだ
んにある環境のもとで必要なクオリティー
を磨き上げていきます。

芸術環境専攻
文化デザイン・芸術教育領域
メディアコンテンツ研究(映像)分野

対面+オンライン
年間8回程度のゼミ発表+オンラインによ
る遠隔研究指導+年2回(2日間)の集中
授業を実施します。
その他、教員が関わるプロジェクトへの
オプション的な参加も可能な場合がありま
す。

ギャラリーや劇場といった作品鑑賞の場に
とどまらず、出版や放送、web配信など、
さまざまなメディアで公開される文化的コ
ンテンツについて、その表現や受容のあり
かたを研究する分野です。今の時代にふさ
わしい「新しい教養」を身につけ、複合的
・統合的な視点をもって社会と向き合える
研究者や、アートの実践家を輩出していき
ます。

芸術専攻
(通信教育)
写真・映像領域

完全オンライン
学習用webサイト「airU(エアー・ユー)
マイページ」やオンライン会議システム
Zoom等を使用します。オプション(有料)
で対面授業も受講できます。

自己の表現や、社会と写真の新たな関わり
方を企画・提案・発信する力を身に付けま
す。作家・制作者に限らず、研究者、写真
・映像編集者、ギャラリスト、アーキビス
ト、兼業作家等、写真・映像に関わる人材
を広く募集し、世界とつながりを持つ写真
・映像活動の担い手を育成します。

芸術専攻 歴史遺産研究領域
×
芸術専攻(通信教育)芸術学・文化遺産領域

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分野 学び方・領域の特長

芸術専攻
歴史遺産研究領域

歴史文化論、文化財科学、考古学、
文化財保存修復論、庭園文化論
対面
京都・瓜生山キャンパスで授業を行います。

大学附置研究機関「日本庭園・歴史遺産研
究センター」と連携し、外部から調査研究
・保存修理事業を受託したり、研究会やセ
ミナーを開催したりしています。さまざま
なプロジェクトで実務経験を積むことを通
じて、現場の即戦力を目指します。

芸術専攻
(通信教育)
芸術学・文化遺産領域

芸術学
〈芸術理論・西洋美術史、
日本・東洋美術史〉、
文化遺産
〈歴史遺産学、
芸能史・伝統文化研究〉
完全オンライン
学習用webサイト「airU(エアー・ユー)
マイページ」やオンライン会議システム
Zoom等を使用します。オプション(有料)
で対面授業も受講できます。

芸術学分野(芸術理論、西洋美術史、日本
・東洋美術史)または文化遺産分野(歴史
遺産、芸能史・伝統文化)に所属し、専門
性を高めた本格的な研究を開始し、研究者
の道を後押しします。

芸術環境専攻情報デザイン
・プロダクトデザイン領域
×
芸術専攻(通信教育)コミュニケーション
デザイン領域

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分野 学び方・領域の特長

芸術環境専攻
情報デザイン・プロダクトデザイン領域

情報デザイン、グラフィックデザイン、
ビジュアルコミュニケーションデザイン、
キャラクターデザイン、
ゲームデザイン、プロダクトデザイン、
メディアコンテンツ制作
〈イラストレーション、絵本、マンガ、
アニメーション 〉
対面+オンライン
原則として週1回程度、対面とオンラインを
併用するゼミ形式で実施します。
専門分野ディレクター教員によるオフィスア
ワー(週1回)への参加も可能です。

6つのスタジオ(プロダクトデザイン、情報
デザイン、イラストレーション、アニメーシ
ョン、パブリッシングデザイン、キャラクタ
ーデザイン)を設け、社会的課題を発見し、
情報伝達や生活の新たな仕組みを提案する人
材を育成します。

芸術専攻
(通信教育)
コミュニケーションデザイン領域

グラフィックデザイン、
映像デザイン、空間デザイン
完全オンライン
学習用webサイト「airU(エアー・ユー)
マイページ」やオンライン会議システム
Zoom等を使用します。

グラフィックデザイン、映像デザイン、空間
デザイン3つの専門領域を軸に、「社会課
題」を見つけ、具体的な「戦略とデザイン」
で未来にイノベーションを起こす人材を育成
します。

芸術環境専攻 文化デザイン・芸術教育領域
×
芸術専攻(通信教育)学際デザイン研究領域

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分野 学び方・領域の特長

芸術環境専攻
文化デザイン・芸術教育領域

文化創生〈芸術教育(社会人学習支援、
こども芸術教育、福祉のアート)、
地域文化デザイン(SDGsデザイン、
地域ブランディング、文化資源活用)〉、
メディアコンテンツ研究
〈映像、舞台、文学、マンガ、
アニメーション〉、
超域制作学プログラム
〈アートプロデュース(後藤ラボ)、
アートプロジェクト(保科ラボ)〉
対面+オンライン
年間8回程度のゼミ発表+オンラインによる
遠隔研究指導+年2回(2日間)の集中授業
を実施します。
その他、教員が関わるプロジェクトへのオ
プション的な参加も可能な場合があります。

芸術を、ただ個人の表現や贅沢な商品とし
てだけ考えるのではなく、人間の福祉や生
きがい、また地域での調和ある生活環境を
作るものとして探究し、人や社会の成長を
支援する人材を育成します。

芸術専攻
(通信教育)
学際デザイン研究領域

〈デザイン思考・伝統文化の活用〉 完全オンライン
学習用webサイト「airU(エアー・ユー)
マイページ」やオンライン会議システム
Zoom等を使用します。グループワークに
よるアクティブ・ラーニングを用いて、徹
底したピア・ラーニングの対話と、細やか
なフィードバックにより習熟度を効果的に
高めます。
「旧きを知る文化・伝統の探究力」と、
「現在~未来を構想するデザイン思考の創
造力」を両軸に、地域や社会の課題を解決
し、創造的に働きかけられる人材を育成し
ます。

留学生支援※芸術専攻・芸術環境専攻のみ

本学では、芸術専攻・芸術環境専攻を学ぶ留学生が安心して授業に取り組めるよう、日本語学校と連携しています。

日本語を母国語としない留学生に向けて、学校法人瓜生山学園内の併設校である「京都文化日本語学校」と連携した、日本語力向上のための科目を開設しています。日常的なコミュニケーションはもちろん、論文執筆においても高い日本語力は必要不可欠。どれだけ日本語力を高められるかで、研究制作のクオリティが変わるといっても過言ではありません。本研究科では、入学から学位審査までに必要となる日本語力の修得を目標としたサポート科目をカリキュラム中に配置することで、留学生の学びを最大限に後押しします。

京都文化日本語学校 公式サイト

学べる領域

本大学院修士課程を修了すると、「修士(芸術)」(MFA)または「修士(学術)」(MA)が取得できます。

芸術専攻 【定員60名】 対面

少数精鋭の体制で専門性を磨き、トップアーティストへの道を拓く

修士課程

芸術環境専攻 【定員180名】 対面+オンライン

多様性にあふれた自由な交流と探求から、芸術を社会へ還元する

修士課程

領域別授業イメージ

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芸術環境
専攻

専攻共通履修形態 領域別授業の特長
(研究指導・分野特論等)
対面授業開講地
必修特論 原論 原論
(通信教育科目)

情報デザイン
・プロダクトデザイン

基本的に前期
・後期各6〜8回の対面授業
(曜日固定形式)への参加
または、時差配信される各回の
授業動画の視聴
対面授業
(曜日固定形式)への参加
または、時差配信される
各回の授業動画の視聴
オンデマンド動画の視聴、
課題に対する学習、
オンライン形式による
ディスカッション
原則として週1回程度、対面とオン
ラインを併用するゼミ形式で実施
専門分野ディレクター教員による
オフィスアワー(週1回)への参加
も可能
※ 基本的に平日の時間割内で実施さ
れますが、研究計画に応じて夕刻以
降あるいは週末に実施される場合も
あります


分野特論は対面授業(曜日固定形
式)への参加
または、時差配信される各回の授
業を録画した動画の視聴と、課題
に対する学習およびディスカッシ
ョンを組み合わせて履修
京都 瓜生山キャンパス

文化デザイン
・芸術教育

年間8回程度のゼミ発表
+オンラインによる遠隔研究指導
+年2回(2日間)の集中授業を
実施(集中授業の開講地は東京、
京都、長野など、ゼミによって異
なる)
※ その他、教員が関わるプロジェク
トへのオプション的な参加も可能な
場合があります
文化創生
〈京都、東京、長野など〉
/メディアコンテンツ研究
京都 瓜生山キャンパス〉
/超域制作学プログラム
〈東京 外苑キャンパス〉

建築・環境
デザイン

月1~2回程度の対面とオンライン
を併用するスタジオ授業を実施
対面授業の開講曜日や開催地は
選択スタジオによって異なる
京都 瓜生山キャンパス
または東京 外苑キャンパス

芸術専攻(通信教育) 【定員450名】 完全オンライン

社会人が学びやすいweb環境で思考と実践力を磨き、芸術運動の担い手となる

修士課程
  • 芸術学・文化遺産領域
  • 美術・工芸領域
  • 写真・映像領域
  • 文芸領域
  • コミュニケーションデザイン領域
  • 学際デザイン研究領域

研究科長メッセージ

社会と芸術のあらたな関係をめざして

本大学院では、「芸術専攻」「芸術環境専攻」「芸術専攻(通信教育)」の3専攻の中に、美術、デザイン、文化財科学、文化研究、芸術教育など実に多様な専門分野がひしめき合っています。それぞれ弾力性のある実践的な研究制作指導によって、清新な価値創出に取り組む研究機関です。既存の方法に甘んじることなく、方法そのものを組み立てる構想力を持ち、社会的要請に応えつつ、さらに新たな価値観を提示しようという意欲のある方は、ぜひ本大学院に集まってください。芸術の力で、新しい社会のかたちをつくりましょう。

上村 博

京都大学大学院文学研究科博士課程中退。京都大学文学部哲学科助手、パリ第四大学研究員を経て、1995年より本学に勤務。2019年4月より現職。芸術の理論的研究、特に芸術による場所と記憶の形成作用について研究。長らく社会人教育に携わる。