2016年8月
2016年8月31日 イベント
8月7日から10日にかけて開催された京都の夏の風物詩、「五条坂陶器まつり」に通信教育部 陶芸コース
の在学生、卒業生、教員の有志で出店しました。
「五条坂陶器まつり」の歴史は、「精霊迎え 六道まいり」のために六道珍皇寺にお参りに来られる大勢
の人を目当てに安売りをした陶器市がはじまりでした。
現在では、清水焼の窯元、京都の陶芸作家はもとより全国から約400もの出店があり、約40万人もの焼物
ファンが全国から訪れる国内最大規模の陶器市と言われています。
陶芸コースからは、在校生、卒業生、教員合わせて8名で作品を持ち寄り出店しました。8名分の作品を
陳列するにはスペースが狭いのでごちゃごちゃとした感じになってしまいましたが、これも陶器まつり
ならではかと…。展示棚や展示方法は今後の課題としました。
また、初めての陶器市なので値段をどうするか悩まれていました。
「五条坂陶器まつり」は酷暑の中、朝10時から夜10時までと長いので交代で店番をしながら4日間を乗
り切りました。特に昼間の当番の方は、本当に大変だったと思います。
「五条坂陶器まつり」に出店しようと企画した時、参加者が集まってくれるか、作品が集まるかと不安
でしたが、皆さん、沢山の作品を持参して下さり杞憂に終わりました。卒業後もこんなに沢山の作品を
制作しておられる事は本当に嬉しく思います。
日本有数の陶器市に実際に出店された事は得難い経験になった事と思います。自分の作品の値段の付け方、
お客さんとのやり取り、他の陶芸家がどんな作品をどんな値段でだしているのか、見るだけでは気に留め
ていなかった事が、実際に出店してみると色々と勉強になった事と思います。また、売上も事前予想より
良かったのではないでしょうか。展示棚や展示方法など一から見直し、来年も出店する事を誓いました。
参加者の皆さん、酷暑の中の4日間、本当にお疲れ様でした。
陶芸コース教員 西村充
陶芸コース|学科・コース紹介
2016年8月30日 ニュース
ランドスケープデザインコースを担当しております髙梨です。 今月のブログでは、私の専門分野を紹介してみたいと思います。 私の専門分野は森林美学といいます。あまり聞きなれない分野かと思います。ランドスケープデザイン・造園分野では知らない人はいないと思いますが、それでも専門に研究をされている方は少数派です。
森林美学は、明治中期にドイツに林学を学ぶため留学し帰国後東京帝国大学で教授・指導をされた本多静六博士などが講義をしたことにはじまります。
当時のわが国は近代国家たらんと奔走していた時代でした。 そして都市化が進行する情勢のなかで都市公園の整備がなされる一方で、人々の生活に近隣に存在する森林地帯での休養のあり方が大切であることが認識されるようになっていったとされます。
このような背景をもって、森林美学は当初、林学の一分野としてスタートをきりました。森林の風致・風景としてのあり方を考える分野とでもいいましょうか。
今日では林学科そしてランドスケープデザイン・造園の分野、そして私のように芸術大学にあるランドスケープデザインの分野などにあって調査・研究されています。 私が専門に研究している内容は森林風致施業といいます。どのように森林の美しさを見出し、美しい森林に誘導するための取り扱い(施業)はどのようであるのかを考究しています。森林の取り扱いは実に明治期から研究されてきていますが、時代の要請によって森林の取り扱いも相当に変化しています。
最初は、木材をいかに多く収穫できるのかからはじまり、木材の収穫をしつつ森林を荒らさない方法はどのようなものかについて研究されてきました。 近年では森林の多面的機能(公益的機能)を発揮するための取り扱い、例えば温暖化対策として二酸化炭素をより吸収する森林についての研究などが、話題になったりしています。
森林の多くの機能を身近に感じることはなかなか難しいのですが、レクリエーションを通じて人々がより森林を身近に感じてもらえるように、美しい森林とすることで人々が森林内を散策してもらうようになれば良いなと思っています。
ランドスケープデザインは調査・構想・設計・施工など多くの専門分野から成り立つコースです。 身近に取り巻く自然環境・社会環境、違った専門をそれぞれを専門とする講師陣が、学生の皆さんをわかりやすく指導しています。 また、京都・嵐山は、森林風致施業を行っています。ここ京都には、国有林であり林野庁が管轄管理している森林があります。 一見、自然のままの森林に見えますが、ヤマザクラやヤマモミジが引き立つように、実は取り扱われているのです。 こんど訪れたとき、見ていただければと思います。
そして、是非、ランドスケープデザインコースにも、興味をもっていただけたらと思います。
【特別講義のお知らせ】 ランドスケープデザインコースでは、「コウノトリを軸にした包括的再生」と題し、 菊地直樹氏(総合地球環境学研究所)をお招きします。 現在コウノトリで話題となっている兵庫県豊岡市での事例などを紹介しつつ、 これからの地域再生にどう野生生物の生態を取り込んだ方向性が見えるのかをお話し、そして議論したいと思っています。 9月3日(土)18:00-19:30 会場:京都瓜生山キャンパス 上記にて開催しますので、興味のある方は、是非足をお運びください。 会場は、当日の掲示でご案内します。 皆さまのご来場を、お待ちしています。 髙梨武彦 ランドスケープデザインコース | 学科・コース紹介
2016年8月26日 授業風景
こんにちは、通信洋画コースです。
古野恵美子先生と西垣肇也樹先生より、1年次スクーリング「洋画II-2(人体油彩1)」の報告が届きました。
受講された皆さんお疲れ様でした。
初めは時間が足りず、10分では描き切れなかったポーズも、後半は3分で1枚。ぐいぐい鉛筆が動くようになりました。
補色対比?視覚混合?バルール(色価)?耳慣れない言葉に戸惑いながらも、実際に画面でやってみたらどうなるのか、皆さん積極的に絵具を画面に置いて、いろいろ実験、工夫しながら取り組んでおられました。絵具の置き方や混色の幅がぐっと広がった方も多くいらっしゃいましたね。
自分で引っ張った画布が少しずつぴんと張られていく様は、なかなか嬉しいものでした。
全員のデッサンです。写真は小さいですが、31名分となると壮観です!
続いて後半が始まりました!キャンバスに、木炭で大まかな形が入ったところです。
2016年8月22日 ニュース
外苑キャンパスで7/2~3に行われたグラフィックデザインクラス1年次スクーリング「タイポグラフィ1」の授業の様子をご紹介します。
また今回は、7/2に開催されたモリサワフォントセミナーの様子も含めてご報告します。
まずは「タイポグラフィ1」の授業から。
この授業は活字の歴史を知ることから始まり、正しく美しく配置させる技術と感覚を学びます。
欧文書体の歴史は14世紀頃のドイツからはじまり、その後広くヨーロッパに伝わりました。
そういった背景を、授業の冒頭で丁寧に説明されます。
歴史を知ることで、単なる文字と言ってもそれぞれの特徴が見えてきます。
その後、今回の課題である欧文書体9種の中から一つを選び、その書体の活版見本帳の表紙を作っていきます。
文字の配置や文字間の微妙な調整などもカッターやピンセットを使い、あくまでも手作業で行います。
学生のみなさんも、ひたすらに黙々と作業する時間が続きます。
最終的に完成したものを壁に張り出して講評。
はじめてのアナログ文字組み体験にもかかわらず、かなりの力作が揃いました。
皆さん、その文字の背景を学ぶことで理解が深まり「こういう表現をしたい」という意思をしっかり持って、取り組んでいました。
今回の授業で行った文字組みの作業は、今の時代ではPC上で簡単にかつ効率よく行えるものですが、実寸サイズで作ってその目で見るという習慣もとても重要です。
そのきっかけとして、学生さん方にとって良い経験になったのではないかと思います。
続いて、本学が認定校制度を結んでいる株式会社モリサワさんによる「モリサワフォントセミナー」の様子です。
はじめにモリサワの会社や、そのフォントの特性を紹介。
日常にある見慣れた駅の看板などにもモリサワさんの書体は使われています。
そしてフォントと一口に言っても、その作られ方はスゴ技で、アナログ・デジタル両方の作業を経て、熟練の職人さんが何度も何度も検査を重ねることでようやく完成するそうです。
一字一字が作品のようなものとおっしゃられていたのも納得です。
他にもクイズ形式で書体の特性を紹介されたり、書体選びの際に覚えておくべき知識など、非常に親しみやすく分かりやすいお話の連続でした。
具体的に使用するシーンをあげながらの解説が、イメージもしやすく好評でした。
他コースからの参加もあった大入りの会場では、みなさん終始食い入るように聞かれていました。
今回は、「タイポグラフィ1」の授業と「モリサワフォントセミナー」とフォント漬けの二日間でしたが、どちらにも共通するポイントとして「書体は適したシーンで使うことが大切」という話が出ていました。
さらに、適材適所で間違った書体の使い方を避けるためには、歴史や背景などの知識も必要になるということでした。
大変ためになるお話をたくさん聞けて、また一つ学生の皆さんの刺激になったのではと思いました。
業務担当非常勤講師 山崎由紀子
2016年8月20日 授業風景
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