2019年5月
2019年5月30日 授業風景
こんにちは、日本画コースです。
一年生は学内の風景を墨で描くという課題が終わりました。
紙のサイズが大きかったため、最初は少し戸惑った学生もいたかもしれませんが、外で描いているということと天気にも恵まれ皆さんのびのびと筆を走らせていました。
これで大きな作品を描くということに少しでも慣れていただけたらと思います。
紙に墨だけで描くため、一度描いたら洗い流すことはもちろん出来ないので、その濃淡に気を配らないといけません。
墨の特性を知りながら自身の描き方を模索して行ってもらいます。
出来上がった作品を大学内の広いスペースを借りて講評していきます。
皆さんの作品を並べてみると、墨といえど黒色の幅の広さに気づきます。
退いて見ることにより描いていた時と見え方が違い思っていたよりも画面に締まりが無かったり色の濃さが薄かったり濃かったりした人もいたと思います。
ついつい描くことに夢中になってしまうと大きいサイズの作品では全体像が分かりにくくなってしまうのでその都度画面から離れて全体を見つつ描くことが大事です。
それでも、皆さんよく頑張って大きなサイズに対して魅力ある作品ができたと思います。
皆さんには「墨で描く」だけでなく「墨の特性」も学んでもらいました。
授業内容すべてを話すと長くなってしまうので、、、
今回は伊藤若冲が使っていた筋目描きの技法を体験してもらった様子を紹介します。
筋目描きとは、墨の滲みと滲みの境に白く残る筋を活かした技法のことです。
説明が難しいですが、白く線を残したいところを避けて描いているのではなく、墨の特性でそこに色がのらないということです。
適切に道具を揃えることで誰にでも簡単にこの技法を体験することができます。
絵のスキルアップには描く枚数をかさねていかなくてはなりません。
しかし、使っている道具、材料という観点も大事にして学んでいって欲しいです。
2019年5月24日 授業風景
昨年度から美術工芸学科では3年生のキャリアの授業内で、6コース合同の授業を行っています。
先週の「多様なキャリアを知る」という授業に続いて、今週は「本当に使えるポートフォリオ講座」です。
メインの担当は染織テキスタイルの河野愛先生。京都市立芸術大学の学部と大学院で染織を学んでその後電通に入社して働いていたという経歴を持っています。電通で働きながらも自分の作品も作り続けてきた人なので、ポートフォリオの授業と言いながら、河野先生の学生生活や社会人生活(どういう時間の使い方をしてきたのかなど)の話などから導入が始まりました。またデザイン系の学生ではない美術工芸学科の学生では分かりにくい広告代理店の仕事の仕組みなども最初に解説してくれました。
ポートフォリオの授業内容に入ってからは、ご自身の具体的な就活体験を踏まえながら、かなり突っ込んだ授業が展開されました。
「自分特集の雑誌を作る気持ちでポートフォリオ作ると良いよ」「社会人は忙しい。作る側の視点ではなくて、何十・何百という数のポートフォリオを1冊5分ほどで見る社会人の視点でポートフォリを作ってはどうだろう?」「ポートフォリオの中の一枚の作品を覚えてもらうのではなくポートフォリオ全体を覚えてもらう印象的なポートフォリオを作ろう」などなど。河野先生の問いかけはよくよく考えたら当たり前なのですが、普通に学生目線で就活用のポートフォリオを作ろうと考えた時にはなかなか思いつかない内容で、目からウロコが落ちた学生が多かったのではないでしょうか。
編集の仕方一つで同じ内容でも全然違った印象になることが分かりました。
染織テキスタイルの卒業生で就活が上手くいった人たちの学生時代のポートフォリオの具体例もスライドで見せてもらい、同じ「ポートフォリオ」とはいえ学生の個性によって全然違うものになることも見えたと思います。
河野先生は話し方は淡々としているのですが、理路整然としていて本当にわかりやすかったです。(教員にもためになる!という感じでした。)
最後の質問コーナーでは最初は学生よりも教員の方がむしろ積極的に河野先生に質問をするなど不思議な盛り上がりになっていました。そしてその先生の熱に押されて徐々に学生も積極的に質問が出てきました。
2019年5月22日 授業風景
こんにちは、日本画コースです。
少し前になってしまいますが2年生、4月最初の授業は「卓上制作」でした。
初日は、和紙についての講習です。京都でも有名な和紙屋、
次の日は裏打ちです。楮紙の裏に和紙を貼り重ね、
今回は、各々が何を描けばいいのかを真剣に悩んでいました。
たまたま側にあった物を描く人、
各自の制作に入ると、
最終日の合評では、全ての絵を教室に並べ、
2019年5月17日 授業風景
京都造形芸術大学の美術工芸学科は基本的に前期を3ブロック、後期を3ブロックに分けて授業を行っています。
今日の5月17日は前期の最初のブロックの最終日でした〜。
1年生は珠寳先生の立花の授業。立花の基本だけでなく、礼儀や立ち居振る舞いや所作も学びました。滋賀県の蓬莱の竹林まで材料を自分たちで取りに行き、その竹を使用して花入を手作りしました。杜若を観察するために水生植物を専門に扱う杜若園芸さんを訪れたりもしました。最後の課題は自分が作った花入に花を生けて、プレゼンテーションをします。
最終的に出来上がった作品は一年生と思えないくらいクオリティの高いものでした。この一年生が、今後どのように育っていくのか本当に楽しみです。
2年生は佐藤峰雄先生の漢詩の授業。最初から漢詩をスラスラと読める学生はもちろんいません。美術大学の学生向きに、まずは造形的な要素の強い自分の印を作る篆刻の授業から入りました。そうやって徐々に漢詩の世界に入っていきながら、最終的にはすべての学生が自分で漢詩を詠むことができました。みんなで詠んだ漢詩は漢詩集としてまとめましたが、今年は詠んだ漢詩にまつわる絵も一緒に描きました。「さすが美大生」と佐藤先生も喜んでいました。
次のブロックは1年生は美術工芸学科の他のコースの授業を取れるファンデーションの授業。2年生は漆芸の授業が始まります。
今後の基礎美術の授業も楽しみです。
2019年5月17日 授業風景
今日の午前中1・2限は美術工芸学科の3年生の6コース中5コースによるキャリアの合同授業でした。(美工の進路の優等生の染織コースは今日は別課題に取り組んでいます。)
3年生の初回の合同キャリアの授業ということで、美術工芸学科の学生が進み得る多様なキャリアの方向性について研究しました。
まずは本学の大学院の美術工芸領域の大庭大介先生がアーティストになることも見据えた大学院への進学について説明してくださいました。
「日本の美大の大学院に進んでもアーティストになる方法は教えてくれない」などとメディアやネットで囁かれている中、本学の大学院ではアーティストになるためのプログラムを充実させて、実際にその成果として卒業生でアーティストとして活躍している人が出てきている話をしてくださいました。大庭先生自身が本学の学部の油画コースを卒業してその後東京芸大の大学院を卒業して、アーティストとして活躍しているので説得力は抜群でした。
そのあと、やはり同じく本学の大学院のグローバルゼミ(片岡真美先生が2年前に立ち上げた、世界のアートシーンで活躍する人材を育てることに特化した領域)からサブディレクターの中山和也先生による説明がありました。グローバルゼミには本学の卒業生のみならず海外からも問い合わせが多く、授業もずべて英語で行われるなど、日本の美術系大学院の教育内容としてはかなり新しい取り組みだということが学生にも伝わったと思います。
そしてキャリアセンターからは就職を見越した3年次のインターンシップの説明がありました。
ここ数年でインターンを行う企業がさらに増えたこと。またインターンを行うことで選択肢が広がったり、就活に際して過度に慎重になりすぎないで済むなど、良いことづくめだという話がありました。先輩が残した「インターンに行っていれば後3か月は就職が早まった(はずだ)」という言葉は実感がこもってましたね。。。
最後にフリーランスでクリエーターとして活動した経験がある教員によるミニ座談会を開催。お金の話を含めて卒業後にどのように活動してきたかのリアルな話が飛び出してなかなか刺激的でした。
美術工芸学科では今までは各コースで別々に行ってきたキャリアの授業を昨年度から合同で行う試みを始めました。
多様な分野の6コースに広がる美術工芸学科なので合同でキャリア授業を行うとコース間の交流にもなって良い感じだと思います。
京都造形では学生の卒業後の進路に関して各教員が真剣に考えていますが、今後さらに美術工芸学科全体で協力して学生のキャリア支援を充実させていきたいと思います。
来週5月24日金曜日の3年生の午前中のキャリアの授業は「実践ポートフォリオ講座」と称して河野愛先生による実際の就活に対応できるポートフォリオの作り方の授業を行います。これは必見です!
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