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2016年2月18日  授業風景

【歴史遺産コース】京都「歴史遺産学研修3 江戸時代の京都」スクーリング

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こよみの上では「春」を迎え、梅の花の香る季節となりました。みなさんいかがお過ごしでしょうか。京都では時折、風花の舞う日もあれば、今年は汗ばむ陽気もあり、極端な三寒四温の日々が続いています。さて今回は、そんな早春の京都でのスクーリングのご紹介です。

 

江戸時代の京都というとどういうイメージが浮かぶでしょうか?
やはりさまざまな名所に彩られた観光都市としての京都でしょうか?
もちろんそのとおりで、都名所図絵などが盛んに出版され、多くの人が京都を訪れました。

 

しかし今回のスクーリングでは、当時もてはやされた名所ではなく、京都で生活していたさまざまな身分の人々の歴史と空間をみていこうというものです。

 

二条城(武士)、杉本家住宅(町人)、八木家住宅(壬生郷士)を訪ね、それぞれを象徴する建造物の歴史と機能、そしてそこにあらわれるそれぞれの美意識の違いにも目を向けました。

 

1日目の2月14日は、瓜生山キャンパスにてフィールドワークで訪ねる場所の歴史とそれぞれの関係性についての講義をじっくりと聴いたうえで、2日目の15日が実際のフィールドワークとなります。ではさっそく、その一部をご紹介しましょう。

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まずは二条城。観光ガイドブックで登場する「東大手門」は保存修理中でした。
完成は来年2017年3月末予定だそうです。
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今や世界遺産として、世界中の人が訪れる二条城。
この二条城に天守閣があったことをご存知ですか?
寛永元年(1624)より大御所秀忠の命で、家康の建造した二条城を大改修。そのときに増築された本丸の南西隅に、五層の天守閣が建てられました。
御所も見下ろす天守閣。まさに幕府権力の誇示ですね。
寛延3年(1750)の雷火で焼け落ちた後は、再建されませんでしたが、現在残るのは、石積みの天守台だけとなっています。写真はその天守閣跡から比叡山の方向を望んだ風景です。当初はもっと高くから京都の町を望めたのでしょうね。

 

そして、同じく寛永元年に増築された本丸自体も、天明8年(1788)京都を襲った大火で焼失。その跡地に、明治26〜27年(1893〜4)京都御所にあった旧桂宮御殿が移築されました。
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写真は宮家の建築の貴重な遺構です。柔らかな丸みのあるムクリ屋根が独特の美しさで、京都ならではの公家の美意識を感じます。

 

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二の丸御殿
二の丸御殿も、大御所秀忠の大改修で完成。豪華絢爛の二の丸御殿は、幕府御用絵師をつとめた狩野探幽一門の障壁画で彩られました。寛永3年(1626)後水尾天皇の二条城行幸が大御所秀忠、将軍家光の迎えで行なわれました。この大広間からみえる庭園には、能舞台が設けられ、賑々しく能の観覧が行なわれました。

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二の丸庭園のソテツ
樹齢140年以上とされるソテツ。南方の植物ソテツを庭園に取り込むことは、桃山から江戸時代はじめに流行しました。京都での越冬は厳しいものがある為、毎年こも巻が施され、冬独特の姿に仕立てられます。

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なお二の丸御殿の中は撮影禁止です。この中の武家の御殿の設えについては、授業に参加してのお楽しみに。

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杉本家住宅
新町綾小路西入るに位置する杉本家住宅。
京都の他国店持(たこくだなも)ち商人として成功した豪商の町家建築ですが、京都の町家で初めて重要文化財に指定されました。

 

道に面した所は店の間。そこには糸屋格子が嵌められ、二階にはむしこ窓。
典型的な町家の佇まいです。

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その屋根には柔らかい曲線が。ここにもムクリ屋根の意匠がみられます。

こちらの内部も写真を撮影できませんが、独特の商家の町家空間に、実際に身を置いて、初めてわかる美の世界があります。授業ではハレの日の祇園祭と、ケの日(日常)の対比を通じて、江戸時代の町人のありようを実感していただきました。

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壬生寺

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新撰組の壬生の屯所で有名な八木家。
この地に独特の壬生郷士という身分。帯刀を許された農業にも従事する武士。その屋敷には長屋門、式台付の玄関、書院風の座敷など武家屋敷風とむしこ窓や走り庭と呼ばれる土間などの町家の特徴が混在します。
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その郷士宅を屯所とした新撰組はあまりにも有名です。壬生寺の中院の一室をお借りして、小説ではない、歴史史料を読み解くことでみえてくる新撰組の実像についての講義をうけます。

 

このように本スクーリングでは、二条城や新選組に関わる史跡、蛤御門の変で焼失した屋敷を再建した杉本家住宅など、幕末の動乱を越えて遺された文化遺産をまわります。観光客も多く、今回も壬生寺界隈は女性たちでにぎわっていましたが、そうした歴史小説やドラマの土地を、最新の歴史学的な成果を通して改めて学び、歴史の実相に触れて頂くことが、本科目の目的といえます。

 

次回はぜひみなさんも、本物の江戸時代の京都を体感しにいらして頂ければと思います。

 

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