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2017年1月11日  イベント

【和の伝統文化コース】「香りの文化」

和の伝統文化には、さまざまな文化が含まれます。お茶やお花は代表的なものでしょう。一方で、それらと並んで三大古典芸道と呼ばれることもあるお香の文化は、ややマイナーになっているようです。今回は、このお香の文化について触れたいと思います。  

基本的に香の原料は日本では産出しません。ほとんどは東南アジアからもたらされたものです。代表的なものは沈香(じんこう)でしょう。ジンチョウゲ科の植物が偶発的に特定の状態に至って生成されるものです。最高級の沈香は伽羅(きゃら)と呼ばれます。この他にも白檀(びゃくだん)、安息香(あんそくこう)、薫陸(くんろく)などさまざまな香料がありますが、これらは中国を経由して日本にもたらされました。のちに琉球(沖縄)を中継基地として直接香料を輸入できるようになると、それらを朝鮮半島に輸出していたようです。このように、香文化は非常に国際的な性格をもつものでした。  

平安時代の香文化は、薫物(たきもの)とよばれるものです。粉末状にした香料を練り合わせ、蜜などで丸く固めたものを焚く(たく)文化です。当時の貴族はそれぞれ独自の調合を研究していたようで、当時記された『薫集類抄(くんじゅうるいしょう)』には個々のレシピが載っています。また清少納言は『枕草子』の中で「良き薫物してひとり伏したる」と書いています。気持ちよさそうに寝転んでいる様子が伝わってきますね。

中世に入り武家の時代になると、薫物のようにブレンドするのではなく、香木をストレートで焚く方法が盛んになります。質実剛健の武家的気質と通じるものがあったのかもしれません。この香木の香文化の中から、香道が出てきます。この文化は、室内に香りを漂わせるのではなく、聞き香炉という写真のような形の香炉から直接香りを聞くものです(灰の上に銀葉(ぎんよう)と呼ばれる薄い盤を置き、その上に香木をのせます)。ちなみに、香は「聞く」といいますが、江戸時代の国学者本居宣長(もとおりのりなが)は「聞く」という表現は中国風のもので、「かぐ」というのが平安時代以来の純和風な表現だと主張しています。

 

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江戸時代に入ると「組香(くみこう)」が盛んに行われます。香を聞いて当て物をするゲームです。「組香」は数百種類ありますが、その中でもっとも有名なのは「源氏香」でしょう。ルールは知らなくても、五本線の「源氏香之図」を見たことがある人は多いはずです。数種の香木をランダム焚いた聞き香炉を各自五回ずつ聞き、同じ香りと判断すれば五本の縦線の上端を結ぶものです。たとえば一回目と二回目、四回目が同じ香りで、三回目と五回目はそれぞれ別の香りだと判断すれば図の真ん中の形(澪標(みおつくし))となるわけです。組み合わせとして五十二通りが考えられます。『源氏物語』は五十四帖ですので、最初の「桐壷(きりつぼ)」と最後の「夢浮橋(ゆめのうきはし)」を省いた五十二の形に巻名をつけたのが、「源氏香之図」です。じつに優雅な遊びですね。

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1月15日(日)の「一日体験入学」の「和の伝統文化」コースのミニ講義では、この香の文化についてお話したのち、聞き香炉の実演をします。興味のある方はぜひおいでください。

 

[冬の1日体験入学のご案内]

(京都)1月15日(日)

井上治教員による体験授業『香りの伝統文化』の講義をおこないます。

お申込みはこちらから

 

(東京)1月22日(日)

森田都紀教員による体験授業『芸能における「道成寺物」』の講義をおこないます。

お申込みはこちらから

 

皆様にお会いできることを心よりお待ちしております。

 

 

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