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2018年3月9日  イベント

【ランドスケープデザインコース】アカマツ林と銀閣寺 庭園文化セミナーレポート

こんにちは、ランドスケープデザインコースの津田です。
今回は、2月24日に京都で開催されました庭園文化セミナーのご紹介です。
このセミナーは、(社)ランドスケープアーキテクト連盟(JLAU)と(社)ランドスケープコンサルタンツ協会関西支部(CLA関西支部)が共催し、毎年2~3回京都の庭園を中心に開催しており、今回が13回目になります。事務局のメンバーには、私も含め本学の非常勤の先生も多数係わっています。
今回のセミナーでは、特別史跡・特別名勝である銀閣寺(慈照寺)を訪れ、室町時代の作庭手法を学びました。また、京都の庭園において借景の技法として用いられた東山三山のアカマツ林の景観の意義について、本コースの髙梨武彦先生に解説して頂き、その重要性について学びました。

京都市内を一望できる松麟館の屋上デッキからの風景

京都市内を一望できる松麟館の屋上デッキからの風景

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はじめに瓜生山のアカマツ林を目の前に、髙梨先生にこれまでの取り扱いの経緯について解説していただきました。

アカマツは、昔からさまざまな形で京都の文化を支えてきました。庭園の背景(借景)としてはもちろんですが、例えば五山の送りや火鞍馬の火祭りの松明(たいまつ)などもアカマツとコバノミツバツツジが使われてきましたが、残念ながら現在は全て京都の材が使われているとは言えません。
室戸台風(昭和9年)による被害の後、再整備されましたが、現在ではマツ枯れ(マツノザイセンチュウ)などの被害により、部分的にしか残っていない状況です。
本学の瓜生山に残る約400本の貴重なアカマツ林を後世に残していくため、髙梨先生を中心に学生たちと一緒にアカマツ林の再生に取り組んでこられました。
林床に生育するコバノミツバツツジなどの灌木なども狙い通りに再生できたと思った矢先、シカが入るようになり、一夜にしてほとんど無くなったそうです。現在はシカ柵をしてしばらく自然の遷移に任せた再生をおこなっているところです。

現在の林床の様子

現在の林床の様子

東山に位置する国有林は1987年に風致林の指定を受けていますが、落葉広葉樹や花木等の保全を主体としていて、これまでアカマツ林の再生は考えていない施業でした。しかし、最近は『古都京都の文化財』が世界文化遺産に登録されたこともあり、アカマツ林の存在が再認識されてきているそうです。
本学内には、このアカマツ林のほかに樹齢約150~200年のヒノキが10本程度残っています。この貴重な自然の資産を大切に守り続けなければなりません。

瓜生山から見える大文字山(如意ヶ嶽)

瓜生山から見える大文字山(如意ヶ嶽)

その後、白川通りと哲学の道を散策しながら銀閣寺まで移動しました。

まず、銀閣寺入口前にある園内案内地図の前で、吉田昌弘先生に解説をして頂きました。

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吉田先生も以前に本コースの講師をして頂いていた方で、その解説は、庭が造営された時代の歴史的な背景も含めてお話しいただけるので、とても興味深く吉田節が楽しみで参加される方もおられます。
銀閣寺は、室町時代(1480年ごろ)足利義政の別荘として、西芳寺(苔寺)をモデルに京都や各地の寺院などから名石、庭木を集め庭園が造られましたが、義政の死後、荒廃が進み、16世紀中頃の戦乱により東求堂、観音殿(銀閣)を除き、ほとんどが消失、大破されてしまったそうです。その後、1615年頃に大改修されました。室町-安土桃山-江戸にわたって変遷を経た代表的な池泉庭園といえます。
そのような時代背景の説明とともに、義政がどのような人物なのか、東山文化が今の私たちの生活に大きく影響していることなど、吉田先生が面白おかしく解説してくださいました。

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中門をくぐると背景にアカマツ林が見えますが、残念ながらほんの一部分だけです。

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園内では、様々な庭園技法が使われており、入口すぐに表れる銀閣寺垣による「折れ曲り」や銀紗灘を切り取った「生け取り」、変化に富む池の形による「見え隠れ」とその池の護岸石組み、銀沙灘と向月台の造形と景観との調和・対比など、見所が満載です。

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また、庭の手入れの技術の高さについても改めて感心しました。樹木の枝を抜いて樹形を整える透かしの技術は見事です。また、マツの葉は手で毟(むし)って抜いて密度を調整します。京都の庭園では当たり前の技術ですが、庭の姿(風景)を保つことへの価値感が高く、それに投資できる京都の文化が素晴らしいと感じました。
京都に立地し、ランドスケープデザインを学べる本学では、このようなとても上質な庭園に直接触れることができ、ほかの地域では学べないとても良い環境であると改めて感じ、京都がさらに好きになった一日になりました。

 

ランドスケープデザインコースよりお知らせです。

今週末から卒業制作展がはじまります。ランドスケープデザインコースに興味がある方も、在学生の集大成を是非見てください!

 

2017年度 京都造形芸術大学(通信教育)卒業・修了制作展

会期:2018年3月11日(日)〜18日(日)11:00〜18:00(最終日16:00まで)

会場:京都造形芸術大学 瓜生山キャンパス  

 

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2017年度 デザイン科WEB卒業制作展

直接足を運ぶことができなかった方は、WEBからも見ていただけます。

公開期間 3月11日(日)11:00~6月30日(土)

http://t.kyoto-art.ac.jp/websotsuten/

 

 

 

 

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