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2018年5月9日  日常風景

【芸術教養学科】卒業生からの手紙

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すっかり青葉の季節ですね。芸術教養学科の教員上村です。卒業式を過ぎて、ひと月半ほどです。毎年、卒業式のころになると、ほっとした気持ち、喜ばしい気持ちもありますが、忸怩たる思いも強まります。教えるべきことは教えた、などという自負など到底ありません。そもそも大人を教える大学教育ですし、そんな一方的なやり尽くし感はありえません(こどもあいてでもそうだと思いますが)。

 

そんななかで苦手なのが「謝恩会」という文化です。謝恩会というのは、卒業式のあと、はなやかに着飾った卒業生が恩師を招くパーティです。しかし学恩を感じられるほどのことをして差し上げた実感がないままに、恩に着られるとか、晴れ着を着られるとか、そういったことが苦手なのです。かつては、卒業生が謝恩会の企画を言い出す前に「送る会」を企画したことさえあります。謝恩のペイジェントの機会を奪ってしまいました。しかし最近は年を取ったせいか、そんなわだかまりも薄れ、頭髪も薄れ、みなさんが互いに祝いあうイヴェントのすみっこで、心おだやかに参加させてもらっています。

 

卒業式はバタバタと過ぎてゆくのですが、式のめでたさよりも心に沁みるのは、その後の卒業生からのお便りです。それも、教員に対する感謝感激とか大学バンザイとかではなく、普通に近況を知らせてくれたり、あるいは、必要に迫られて推薦状や身元保証人(学問的な)になってほしい、という頼みだったりがほとんどです。それが十分嬉しいです。そういえば、昨年は海外からのお便りがいくつかありました。大学院でお庭のことを調べに来ていた海外の作家がスペインで博士号をとった、とかイギリスの王立芸術大学(RCA)の院に進学がかなったとか。RCAに行った卒業生は2名いて、昨年は偶然それぞれからお便りがありました。ひとりは芸術学科卒、もうひとりは芸術教養学科卒で、ふたりとも大学では研究系の学科にいましたが、本学に入学する前もあとも、ずっと制作活動を続けていたようです。それからもうひとり、NYでデザイナーを目指してがんばっている卒業生からもお便りがありました。しかしこちらは、残念ながらグリーンカード(永住許可証明書)申請がだめだった、またトライする、とのこと。

そうやって、今後の進路にかかわるお知らせがあったかと思うと、知り合いの学生の訃報であったり、体が弱ってしまい、もう多分あえないだろう、というお知らせであったり、人生の終盤にかかわるお便りもあります。寂しい気もします。しかし、それはそれで、しばらくでもお付き合いできたからこそのお便りです。通信制の大学なので、べったり毎日のように顔を合わせて過ごすことはありません。ですが、学問や芸術の分野ではそのくらいがちょうど良いかもしれません。たまに会うからこそ、お互いの成長も衰えも話の種になりますし、そもそも学問も芸術も自分自身でするしかありません。それぞれ切磋琢磨することが、なにより同学のみなさんと繋がる方法です。

 

もしこの文章を在学生や卒業生のかたがご覧になっていたら、たまにはお手紙をください、と言いたいところですが、ときどきお返事しそびれてしまうことがあります。ごめんなさい。また道でばったり会って、お名前を思い出せないこともしょっちゅうあります。そのときも、お怒りにならず、根気よくお名前を思い出させてください。物忘れが激しい私がいうのもなんですが、ときどきで結構ですので、大学は卒業してからも思い出してくださいね。

 

 

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