本研究は、江戸時代の佐賀城とその周辺地域について、近代以降の変遷を絵図など史資料に基づき丹念に解明しています。また、佐賀の景観として特徴的な豊富な水路網に焦点をあて、農業生産や生活用水、流通など多様な機能を持っていることを現地調査で明らかにし、その保全と活用を提言しています。文化財に込められた知恵や工夫を探究しその価値を今後に活かそうとする歴史遺産学科の「探究と創造」にふさわしい成果をあげていることを讃えます。仲 隆裕