優秀賞
マンガ学科 マンガコース

石塚 千夏 【ころがる毎日】

コメント

自身の体験した「家族が認知症を発症したら…」というリアルを描いた本作。『ころがる毎日』と題されたとおり、おだやかで優しくコミカルなタッチで描かれるが、徐々に家族の異変を抱えながらそれを「日常」におさめようと奮闘する一家の様子が読者に鋭利な現実を突きつけ、誰もが経験しうることとして様々な思いが胸に迫る快作であり傑作。作者の精細な眼は、展示・造本・描線・書体・コマの罫線に至るまで行き届き、唯一無二の作品世界を生み出すことに成功した。井本 圭祐

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