塚本 菜
塚本さん自身の食への深い愛情を発端として、「食べる」と「作る」を介した交わりを促す住空間を再定義している。台所の歴史を調べた上で、水平面の連なりを手立てとし、軸組や機能性という現実にも向き合い、細やかに居場所を設計した。過不足なく美しい図面や模型は彼女の4年間の学びを物語っている。規模は小さくとも、丁寧に密度高く三次元空間を設計し、他者の目に留まり理解できるよう表現すれば評価されることを彼女は証明してくれた。松本 崇