宝塚音楽学校合格を目指す少女の奮闘を描いた劇映画脚本。タカラジェンヌに必要なのは「きらめき」であるという観点で、「きらめき」を持つ者と持たざる者の間で揺れ動く少女の葛藤を、リアルに残酷に積み上げることで、端正で上品、かつ奥行きと強度のある、これぞ「劇文学」を書きあげた。巧みなシャレードと魅力的なセリフ、チェーホフへのオマージュを感じさせる洗練されたモノローグ。これらの「きらめき」に拍手を送りたい。
山田 隆道