グローバリズム資本主義が極まり、富と権力が集中して格差が拡大する現在、それへの抵抗として個人が実践できることとはなにか。アナキズムの歴史と理論を踏まえながら、「海賊する」行為の意義を大胆かつ真摯に考え抜いたのが、本評論である。生きる指針としてのアナキズムというメッセージは、とりわけ若者世代に訴えかける熱を帯びている。卒業制作に小説や脚本、ノンフィクション作品を手掛ける学生が多い本学科において、評論での学長賞受賞は初の快挙となった。
江南亜美子