学長賞

アートプロデュース学科 アートプロデュースコース

Title
「文化的な生活」は誰が決めるのか?――生活保護制度の理念と現実をつなぐ「窓口」の可能性――

コメント

憲法25条の「文化的な生活」が描く豊かな理念と冷徹な制度基準の乖離。その境界において「窓口」が有する両義的な可能性を鋭くすくいあげたのが本論である。筆者は「窓口」を具体的事務の場に留めることなく、理念を具体的な生へと接続し、不断に更新し続ける「装置」として理論的に昇華させてみせた。裁量が孕む不公平の危険性を直視しつつ、なおそこに創造的な余白を見出そうとする姿勢は誠実で心強い。社会保障の現場に文化探求の灯火を見出すその視座は、人と社会を編み直すアートプロデュースの理念および実践と深く響き合っている。

林田新