本研究は、日本古代史上の変革期である弥生~古墳時代の絵画や造形表現に注目し、中でも「魚」をめぐる表現を中心に様々な考古資料を検討して、地域的な違いや変遷のありようを解明しようとしたものである。全国各地の多数の資料を集成し詳細な分析を行うとともに、GIS(地理情報システム)を活用しその空間的な広がりを捉えた。また往時の国際背景の中で大陸から及んだ影響や列島内の社会変化についても、考察を加えている。地道で緻密な資料の検討と、それにもとづく東アジアレベルの視点や見通しが示された、優れた卒業研究である。
宇佐美智之