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文芸コース

2018年01月26日

【文芸コース】境界領域を跳べ! 編集者が語る小説家の創作秘話

文芸コース主催の特別講義「作家と編集者はどのように仕事をするか」が、1月20日(土)の午後5時30分から開催されました。

文芸 平尾先生特別講義

会場の外苑キャンパス206教室は開始前からおおぜいのみなさんが参集して、急遽、椅子が追加される事態に……。

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講師は編集者で元・文藝春秋社長、現・神戸市外国語大学客員教授の平尾隆弘さんです。お話の中心は、編集者として担当された山崎豊子先生の小説『大地の子』の創作秘話。作家は取材に8年を費やし、1980年代半ば、中国の当時の総書記・胡耀邦に面会して信頼を得、ヴェールに包まれていた「労働改造所」(一種の強制収容所)にまで調査に行ったというエピソードや、山崎先生が小説の構想を書き記した「進行表」にたいして、担当編集者の平尾さんが感想や注文、時にはダメ出しをつけながら作品が執筆されていった経緯が、その「進行表」をスライド映写しつつ興味深く語られました。

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編集者が目撃する小説家の苦闘も、心に響くものでした。小説家にはやがて“境界領域”にさしかかる時が来る。創作の壁というか、作品がどのような方向に向かっていくのかの岐路のようなことです。編集者にはその時が微かに判るが、境界を突破するのは小説家自身にしかできない。境界を小説家が“垂直に跳ぶ”か“水平に跳ぶ”かでその後の小説家のありようは変わる──。それを宮城谷昌光、北方謙三、村上春樹などの作家諸氏を例に語られました。

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さて、質問タイムも設けられましたが、参加者から「山崎豊子作品のように、ある時代の全体を克明に描くことは、この現代に可能なのか」という鋭い問いかけがありました。それについて平尾さんは「たとえば、村田沙耶香さんの『コンビニ人間』のように、ごく限られた、狭い世界で生き延びる術を手に入れた人間を描くことで、現代を描くことになるのではないか」と答えられました。

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質問の挙手はその後も続きましたが、終了時間を超えて盛況のうちに午後7時45分にお開きとなったのでした。

門崎敬一(教員)


 




 

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