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染織コース

2021年01月20日

【染織コース】冬のオンライン1日体験入学が開催されました

皆さんこんにちは。染織コースの久田多恵です。通信教育部では毎年1日体験入学を開催しています。京都を含むいくつかの都市で緊急事態宣言が出されており、今回はオンラインで行われました。染織コースでは秋に「紅型」を、そして冬は「カード織り」の授業を行いました。

カード織り



カード織りは織物の一種です。カードは薄い板状のもので、現在では厚紙製で正方形のものがよく使われています。先史時代の出土品に糸を通したカードが見られ、古い時代から行われてきたことがわかっています。紙がなかった時代は木や動物の骨が使われました。
体験授業に先立って事前準備があります。スクーリングでも事前課題があり、自宅での準備課題を踏まえて授業が進行します。事前にやっておくことは大切なのです。今回の体験授業では自宅で紐を探してしてもらいました。

いろいろな紐



様々な紐があり、材質や作り方も違います。そしてそれぞれ用途があります。必要に迫られて紐を作ってきた私たち。人と繊維との関わりを知ることができます。もう一つ、紐はカード織りのための必要なアイテムでもあります。織るためには糸をピンと張る必要があり、そのために腰に結びつけます。腰に紐を巻き、そこに糸を結びつけます。

腰に巻いた紐



もう一つ準備があります。オンライン授業はパソコンやタブレットの画面を見ながら進めます。画面を見ることができて、同時に作業ができる場所を見つけておきます。

作業できる場所を見つける



カード織りの作業は、まず図の通りにカードに糸を通すところから始まります。実際は糸の長さと本数を切りそろえる作業があるのですが、今回はあらかじめ切った糸をキットにして送りました。

送付キット



カードには穴があいています。四角形のカードには4つの穴です。カードは三角形や六角形のものもあるそうですよ。カードを自分で作る場合は文房具の穴あけパンチを使うと便利です。

穴あけパンチ



糸の通し方はカードの上から通すか下から通すかで、図では↗️と↘️で記されます。白と黒に分かれているのは、二色使う糸の色の濃淡を表しています。通し方は無限にあって、慣れればオリジナルデザインも可能です。
これは8枚のカードを使う織り方の一つです。カードの枚数や糸の通し方、カードの回し方で織り出される模様が変わります。

糸を通し終わったらカードを回しながら織ります。カードを回すって(?)どういうことでしょう。やってみましょう。糸の端を手ぐしですくようにして整えます。もう一方の端は机の足などにしっかり固定します。手ぐしで整えた方の端に麻紐をかけて、自分の腰に結んだ紐に結びつけます。

腰に取り付ける



腰にしっかりと結びつけたら座っている位置を調節して糸がピンと伸びるようにします。糸がきれいに整っているとカードの穴と穴の間に分かれ目ができます。これは口が開いた状態なので「開口(かいこう)」と呼ばれます。よこ糸を通すところです。

開口



ここによこ糸を通します。通したら手で打ち込みます。カードを回すと次の開口ができます。カードの回し方は前に回すか後ろに回すかです。まずは前に前に回しながらよこ糸を入れていきます。最初は糸が不揃いなのですが、しばらく織ると紐らしくなってきます。

織り出したところ



 

裏の模様



どんどん織り進めます。カードを90度回すとたて糸は交差します。交差させてよこ糸を通し、また交差させてよこ糸を通す、その繰り返しです。しばらく織るとカードの向こう側の糸がよじれてきます。逆回転させてみましょう。後ろ回しにすると糸のよじれが解消し、織り出される模様も変化します。

模様が変わったところ



この斜めの模様、糸の通し方図と同じですね。裏を見て織るので裏織りの状態です。どちらを表にしてもいいので裏表はあまり気にすることはありません。織物でも完成時に裏になる方を自分に向けて織ることがよくあります。
長く織ると手が届かなくなるので、腰に結びつけている位置を変えます。幅広のものを織るなら巻き取る工夫が必要です。今回の紐は幅が2センチ弱なので巻き取らなくても織り進められます。

結んでいる位置を変える



どこまで織れるか、というと開口しなくなるまでです。好きな長さまで織ったら糸を切ってカードから抜き、織り出しと織り終わり部分を糸で巻くなどの仕上げをします。さて何に使いましょうか。輪のように仕上げて金具をつけるとストラップになります。他にも便利に使えますね。
とても簡単な仕掛けなのですが、その仕組みは本当によくできていて、人が生活の中で手に入る繊維と手作りの道具を使って工夫を積み重ねてきた歴史を感じます。興味がある方はぜひやってみてください。

【参考図書】
『カード織りのテキスタイル・ストラップづくり』 学研教育出版 (カードと糸付き)
『SPINNUTS No.81より抜粋 特集カードウィーヴィング』鈴木美幸 スピナッツ出版
『カード織を理解するために』日下部啓子 トラジャテキスタイルアート

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