芸術学コース
とある美術展で画家・橘小夢の《地獄太夫》に出会い、生まれて初めて芸術作品の前で動けなくなる経験をした羽鳥さん。「なぜこんなにも心を奪われたのか?」「芸術には、いったいどんな力があるのか?」と強烈な疑問を持ったタイミングで、藝術学舎の講座を受ける機会があり、小学校にあがる息子とともに入学を決心。「大げさでなく、大学の授業や勉強が楽しかったおかげで、育児がより楽しくなり、卒業研究が楽しかったおかげで、コロナ禍における医療機関での仕事も頑張ることができました」と、学びの喜びを語る。
「仕事と育児と学生」をかけ持ちする忙しさは半端ではない。けれど、「自分の好きな勉強」をやることは、精神衛生上とてもよいことだった、という羽鳥さん。「子どもに”宿題をやりなさい“と言わなくとも、私がリビングで勉強をしていると、息子は隣に座って”一緒にやる“と言ってくれるし」。また、芸術の学びを通して、世界の見方が変わったともいう。「患者さんを診る眼も、変わりましたね。人が大切にしてきたもの、大切にしているものを、よく見ようとするようになりました」。尊敬する先生方に出会えたことも、嬉しい出来事だったという羽鳥さん。とにかく研究することが楽しくて、卒業後は本学通信制大学院に進み、引きつづき橘小夢を研究。研究の成果を修士論文にまとめること、発表することが現在の目標だという。
羽鳥 朋恵
東京都在住 47歳
芸術学コース
21年度卒業
[大学の思い出]収集する情報量が膨大になっていくので、読んだものの要点や印象に残ったこと、文章を書く上で使えそうな言葉やレトリックまで、ノートに抜き書きすることが大いに役立ちました。入学以来、レポートでも卒業研究でもずっと助けになってくれた「自作ノート」は私の財産です。