超域プログラム 制作学[Poietics]
保科 豊巳 ラボ 【2022年4月新設】

Interdisciplinary Program: Poietics

超越したアートの感触を生み出す。

今日、現代芸術作品のありかたは、アトリエ内での個人制作にとどまりません。前世紀後半から、芸術のモダニズムを乗り越えるために、広く社会環境や自然環境との関係性の中で、場所の意味や地域の特性を踏まえた芸術実践が試みられてきました。自然に息づく生命体、風土のもたらす民俗学的造形、共同体における産業文化の記憶などは、今日的な表現課題でもあり、古いものの中にこそ、新しい芸術の手法が隠れています。そして本ラボの芸術実践でも、そのコンテンツは絵画や彫刻などの領域にとどまりません。社会、物質、空間、自然環境、科学、時間、民俗学なども作品制作の媒体として扱い、これらの媒体を相互に関係させ、日常生活に身体が触れた時に起こる感覚や感触を作品化します。そのことを通じて、人間と環境との関わりを、芸術制作という手段によって探究し、地域の現実を明確なコンセプトと的確な技術によってアートに昇華することのできる人材や、さらに地域の芸術、文化をプロデュースできる人材を育成します。

ラボの特長

複合演習

地域やメディアなど、様々なアート媒体を複合させて生まれる感触を味わいます。この超域アートプロジェクトは、芸術の領域を超えて思考し実践していきます。芸術実践でのコンテンツは、社会、物質、空間、自然環境、科学、時間など、日常生活において自分の身体が触れる時に起こる感覚、感触です。それをもう一度、素材やメデイアによる演習を通じ、芸術作品として再構築します。これが作品制作の技術となります。

各地でのアートプロジェクトの比較検証

担当教員自身の活動例も含め、さまざまな地域芸術を超えた領域で実践されているプロジェクトや芸術祭、民族学探訪での事例を紹介しつつ、その制作過程や受容の実態を検証。事例に関する研究発表やディスカッションの成果を、ラボ生各自の研究に反映させます。

修士研究制作(リサーチワーク)

リサーチワークでは、最終的に、特定の地域や場所との関係性によって、自己表現としてのインスタレーションワークを構想します。そのことを通じ、自分の置かれた環境で、どのような作品制作が可能なのかを自ら探究できる能力を身につけます。

遠隔指導と集中ワークショップによる効果的な修了制作サポート

各地で芸術活動に携わる大学院生にも学びやすいように、遠隔指導と週末集中授業を併用した研究制作指導を受けられます。1年間を通じて、毎回発表形式で各自のリサーチ成果を発表し、教員、学生全員で討論します。夏と冬には、インスタレーションの実践集中ワークショップや各地の民俗学探訪も予定しています。

主担当教員

保科 豊巳

1953年長野生まれで東京と長野を拠点に活動。日本もの派、榎倉康二、高山登の影響の中、東京藝術大学美術学部絵画科油画専攻卒業。同期生に川俣正がいる。ポストもの派世代に属し、木、紙、墨、映像等の素材を用いたインスタレーションや絵画作品制作を展開してきた。日本をはじめスイス、台湾、ドイツ、アメリカ、中国、などで作品発表を精力的に続けている。2002年に文部科学省在外研究員として渡米。2006年から東京藝術大学美術学部教授、美術学部長、理事・副学長を歴任。2020年東京藝術大学名誉教授。

このラボを志す人へのメッセージ

超越したアートの感覚を生み出すために。
現代において美術の分野は、急激な勢いでその領域を拡大させています。アートプロジェクトは、この芸術の領域を超えて思考し実践していきます。芸術実践でのコンテンツは、社会や物質、空間、自然環境、科学、時間などの日常生活に、自分の身体が触れる時に起こる感覚、感触をもう一度、芸術作品として再構築することです。
芸術作品を創るための制作媒体は、近現代の美術において、画材や空間や物質に頼っていました。しかし現代では、技術革新によって、科学や情報領域が日常生活に関わっています。ここが現実なのか、仮想現実なのか、その境目は見えにくくなっています。芸術の実践は、この境界線上に身を置いて、確かな実存を芸術作品として照射投影するものです。この保科ラボでは、媒体の制約は問いません。絵画、立体、空間、時間、写真、映像、音、自然環境、社会環境、科学、物理学や情報やテクノロジーのコンテンツ、生命体、自然の物質、民俗学、芸術を超えた領域コンテンツ。これらの媒体を自分の身体と関係させて現実の中に再構築させ、アートインスタレーションとして投射します。
超域アートプロジェクト作品を制作することは、現代美術の独創的で普遍的な感覚、感触を芸術表現に結晶化することです。それは、自分を知ることと、他者性の世界を知ることとの、境界線上に立つことでもあります。自然な感覚に近いところに作品はあり、最終的には自分に素直な感覚の作品を、自由に表現できることをめざします。

学びのすすめ方1年次

アートプロジェクトの考え方と実践例を学ぶ

科目ピックアップ

超域制作学演習Ⅴ

対面とweb上での遠隔指導を併用したゼミ形式で、アートプロジェクトについてのリサーチを行います。

超域制作学特論Ⅵ

web上での授業で、アートプロジェクトの今日的意義と方法論を学びます。

学びのすすめ方2年次

実験的制作と研究をまとめる

科目ピックアップ

超域制作学研究Ⅴ

対面とweb上での遠隔指導を併用したゼミ形式で、各自のプロジェクトを構想・実践するとともに、それに関わる研究報告を執筆します。

年間のスケジュールモデル

保科ラボは[東京:外苑キャンパス]を中心に開講。年8回行われる対面授業(遠隔可)のほか、web上の指導を月々に実施します。
※8月と1月は学外(長野)で開講します。

年間のスケジュールモデル

スクーリングは各年次毎に、年間を通して週末(土・日)を中心に開講しています。
詳しい日程は2021年12月下旬発行予定の『大学院スクーリング日程2022』でご確認ください。
『募集要項2022』にて、各科目と紐付けた年間のスケジュールモデルを記載しております。

■スクーリング日程 大学院スクーリング日程(2022年度予定)
■授業一覧 授業一覧(2022年度予定)

超域プログラム 特別講義(アーカイブ)

資料請求 あたらしいパンフレットができました。

芸術×大学院×通信 京都芸術大学通信制大学院 入学説明会