よく見る、よく描く、よく考える。

本分野では、これまで各自が育んできた絵画表現を、さらに発展させていきます。
担当教員との対話を重ねながら、研究計画を立案し、創造活動を実践していきます。作品の創作とプレゼンテーションを主軸に、研究を進め、特別講義、作品鑑賞で自己の相対化を企ります。
また、制作研究ノートの作成で理論的思考を鍛え、絵画についての知識や理解を深めていきます。

分野の特長

少人数制のスクーリング×多彩な作家が指導

一人ひとりが教員のアドバイスを受けながら、自由に作品制作を行います。その中で現役作家による特別講義や個別指導を受けることで、自身の作品を客観的に見る機会をつくり、表現を具体化させていきます。

自身の絵画表現をさらに発展

各自の表現の核心に近づくために、また多様な作品の理解のために、教員や特別講師との、また学生同士のディスカッションを重ねます。

学びのすすめ方1年次

絵の具、支持体、モチーフなど素材を変え、描くことを模索し、新たな可能性を試す。

美術・工芸演習(洋画)
(スクーリング科目、スクーリング研究制作科目)

現代の絵画を考察しながら「創ること」「描くこと」の意味を問いなおし、形式の新しさではなく、自身の考えを深め、自身にとって新鮮なテーマを模索します。また、活躍中の作家や多彩な講師陣による特別講義、材料研究実習や合評とともに、学生同士の意見交換によって自作を客観視し、個性的で魅力のある絵画表現を探っていきます。

美術・工芸特論Ⅰ-1、2(テキスト科目)

本科目の目標は、美術・工芸に関する理論的著作を批判的に読み解くことと、その上で、各自の制作研究行為を今日の社会環境の中に位置づけて考察することにあります。制作研究は個人的な表現内で完結するものではなく、社会との関わりの中で熟成・発展していくものです。自己を包む環境について新たな見解を持ち、創作への思いを言語化することで、自作品の明解なビジョンが育ちます。

学びのすすめ方2年次

自身の中から生まれる魅力ある表現を追求し、オリジナリティーのある制作へ導く。

美術・工芸研究(洋画)
(スクーリング科目、スクーリング研究制作科目)

「美術・工芸演習」で培ってきたそれぞれの研究を核心へと近づけます。今日の絵画表現と規範は、多様であるが故に、創り手に表現の基軸を見失わせる可能性があります。社会の中の様々な状況を俯瞰しながら何をどう描いていけばよいか、発想・表現・素材・技法について研究しつつ、様々な表現の作家による講評も受けて、自身の内面の具現化に努めます。「整理より混沌」というこの国が生み出した空間構造も学んで、柔軟で新鮮な発想を備え、かつ普遍的な絵画表現を拓いていきます。

年間のスケジュールモデル

年間のスケジュールモデル

スクーリングは各年次毎に、年間を通して週末(土・日)を中心に開講しています。
詳しい日程は下記『大学院スクーリング日程2018』でご確認ください。

※『大学院スクーリング日程2020』は2020年1月に公開予定です。

■スクーリング日程 大学院スクーリング日程2019

学生紹介

中原 圭司44歳 大阪府 大学院2年次

学部の卒業後、自分が小さな絵を年に数枚描くだけの間に、研鑽を重ねた学友たちが高い評価を得ていくのをみて、このままではダメだと大学院へ。1年目は、より専門的な技法をはじめ、茶室での展示会、日本画・陶芸・染織の講義など、広く深く学べたものの自由制作では失敗ばかり。そこで気づいたのは、自分に才能や技術がないと卑下する以前に、作家になろうという強い意志、本気度が欠けていたことでした。2年目の修了制作では、もっと野心を燃やし、本気で絵や先生方と向き合おうと気持ちを新たにしています。テーマは、日々の不安や葛藤を、室内画で自画像のように表現する『内面表現としての室内画』。社会や組織では良く思われないネガティブ面を、表現に生かせるのが芸術の世界です。観る人の心を揺さぶり、いつまでも記憶に残るような作品が描けたら。大学院での学びを人生の転機として、絵画制作をライフワークとするつもりです。

■教員 奥田 輝芳(教授)川村 悦子(教授)山河 全(教授)、水口 裕務(講師)、森田 康雄(講師)、鶴田 憲次(講師)、押江 千衣子(講師)

修了制作 作品ギャラリー

林 里美滋賀県 2018年度修了

[修了作品について]このように大きな作品を描き切れたことが、大きな自信となった。私自身が感じている、「日本人として根底に横たわる何か」を表現したいと思い、色と形の響きあいを用いて描いた。

[学びの振り返り]制作や研究で忙しく、あっという間に過ぎた大学院。そのぶん、濃厚で充実した日々を過ごせたと感じている。自分らしい描き方の発見や、考え方など。これから先、どのように描いていくのかという道筋をつけられた2年間だった。


ゆくへ

鈴木 嘉志子千葉県 2018年度修了

[修了作品について]真夏の空の下、向日葵は華やかに咲き誇り盛夏を満喫し、やがて重い頭を垂れ種を残し枯れていく。また、遅咲きの冬の向日葵は台風や木枯らしに耐え雄雄しく立ち尽くす。それぞれが人生の軌跡を見る思いだ。その時の流れと目に見えない喜怒哀楽の思いを、不思議な世界で描いてみたかった。

[学びの振り返り]身近な植物のなかに宿る美。その創造性と日常性を描きたいと思いながらも、なかなか構成できずに四苦八苦。先生方のご指導やアドバイスで少し方向性が見出せたかなと思います。今後も、自分なりの意識を描き込む努力と、奥深い表現や色彩についての探求をつづけたいです。


冬の向日葵

島村 幸子宮城県 2018年度修了

[修了作品について]地元出土の縄文土器をモチーフに、縄文人の持つ生への力強さや迫力を表現しました。テーマを強調するため、モノクロームの色調に。画面構成はシンプルを心がけ、文様を描いた土器口縁を大きく上に向け、俯瞰的にしました。

[学びの振り返り]修了作品の制作中に「この穴は何か」と何度か問われ、土器の壊れた穴であると同時に、土器片を通して縄文人の生き方を今に伝え、未来につながる穴でもあることに気がつきました。描くことは、ときに苦しくも、世界や視野を広げてくれる存在でした。


回帰

中村 康子北海道 2018年度修了

[修了作品について]これまで辿ってきたこころの旅を風景を通して描きたく制作を進めました。60号M8枚という連作で達成するのは難しいことでしたが試行錯誤を繰り返すことは苦しいことであり楽しい作業でもありました。これが大学院での研究というものだったと、改めて実感しています。

[学びの振り返り]大学院の2年間は、制作を通して自分を見つめる良い時空でした。自分の「こころ」と「キャンバス」と「研究ノート」の3点を巡りながらの制作でした。込み上げる感性(主観)をどう表現したら人々の心へ客観的に響くのかを意識しました。造形性という点では更に研鑽を積まなければと考えています。


こころの旅

樋口 笑子北海道 2018年度修了

[修了作品について]私のテーマ「視線の移行」は、日常の身の回りにある、揺らぐもの、流れるもの、見えないが存在するもの、見えるものなど、たえず変化する「心にある感動」の表現。時には自分の心の輝きをそのまま、色や形として表現し、視線を移行しながら修了作品を制作できたと思う。

[成果、そして、これから]いままで描いたことがない風景画、赤色の作品、初めてのアクリル絵具など、さまざまな挑戦で多くのことを学べた2年間だった。これからも、先生方から受けた指導を胸中にとどめ、精神性を大事に考え、描ける喜びをもって絵画制作をつづけていきたい。


花と森と海

資料請求 あたらしいパンフレットができました。

芸術×大学院×通信 京都造形芸術大学通信制大学院 入学説明会