芸術環境研究領域比較芸術学
Art and Environment Studies Field
多様な時代や地域の芸術活動を研究する。
本分野では、ただ単に、確立された芸術ジャンル間や作品相互間の比較を行うのではなく、さまざまな時代や地域における芸術活動について、比較という視点をもちつつ、その特性を研究します。
今日の美術史研究に不可欠な、こうした基礎的な態度を共有したうえで、具体的な作品研究に取り組みます。
学びのすすめ方1年次

物事を多角的にとらえる視点を養い、研究に必要な考え方や手法を学ぶ。
科目ピックアップ
芸術環境特論I-1・2、III-1・2(テキスト科目)
この科目では、芸術環境に関する研究にとって基本的な文献の解読を通じて、基礎的な知識や問題、研究の手法を学びます。各自の専門性に応じて課題を選択し、指定の文献を批判的に検証してレポートにまとめます。過去の研究を知り、その方法論的な意義を考えることで、各自が研究を進めていく上での基礎的な知識を身につけることが目標です。
芸術環境演習Ⅰ・Ⅲ(スクーリング)
Ⅰ(前期)・Ⅲ(後期)では、学生が各分野で研究を遂行するために必要な考え方や方法を、ディスカッションや共同作業、各ゼミ独自の課題等を通して身につけます。さらに、ゼミ内での発表やディスカッションを通じて修了研究につながるテーマを設定し、〈調査・分析・まとめ・提案・報告〉という方法論を学びながら、各自の研究の方向性を決定します。
学びのすすめ方2年次

独自の着眼点で掘り下げた研究を、論文や報告書として結実させる。
科目ピックアップ
芸術環境研究Ⅰ(スクーリング)
「芸術環境演習Ⅰ・Ⅲ」での研究成果に基づいて、修了にむけての研究を行います。各自が設定した研究テーマに沿って、適切な資料の収集、分析、調査などをすすめると共に、その成果を論文あるいは研究活動実施報告書にまとめます。指導は主に年6回のゼミと2回の「中間報告書」に対する講評で行います。1週間に1回(必須)のWEB上での研究過程の記録のほか、必要に応じて個別指導も行います。
年間のスケジュールモデル
スクーリングは各年次毎に、年間を通して週末(土・日)を中心に開講しています。
詳しい日程は下記『大学院スクーリング日程2018』でご確認ください。
※『大学院スクーリング日程2020』は2020年1月に公開予定です。
■スクーリング日程 | 大学院スクーリング日程2018 |
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学生紹介
大野 貴也愛知県 53歳 大学院2年次
「絵画をどう観たら良いのかわからない」。それが、美術史を学ぼうと思ったきっかけで した。絵画全体の歴史や作家の立ち位置など。その絵が描かれた背景について理解を 深めていくと、作品を観たときの「綺麗」「美しい」といった感覚の質が変わることに気 づきました。医師という職業柄、仕事がひと段落するのは毎晩、深夜近く。そこから論文 作成の時間を捻出するのは至難ですが、なるべく日常と切り替えて感性を研ぎ澄ますよ うに意識しています。大学院で学び、人文科学の思索が、想像を絶するほど深いものだ と感じるようになりました。高齢化社会など、サイエンスだけでは解決できない難題が あふれる現代。だからこそ、サイエンスという強力なエンジンのアクセル・ブレーキを加 減できる、人文科学(humanities)の思考が求められるはず。今後も、芸術が人の感性 を揺り動かす時代を見届けたいと願っています。
教員紹介
出願分野 | 学べる内容 | 開催地 | 担当教員 |
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比較芸術学 | 西洋美術史 視覚文化論 |
東京 | 池野 絢子 |
武井 美砂 | |||
吉良 智子 | |||
西洋美術史 視覚文化論 文学理論 |
京都 | 池野 絢子 | |
加藤 志織 | |||
大辻 都 |
修了生の研究テーマ
- モードの再構築 - 20世紀初頭の前衛芸術運動が与えた影響
- マカオの聖パウロ学院教会堂ファサードの研究 - イエズス会東アジア布教の図像と造形 -
- 雲仙・普賢岳災害写真から読み解く砂守勝巳のリアリズム
- レイナルド・アレナス『夜になるまえに』における母親の存在
- レオナール・フジタの宗教美術 - 「平和の聖母礼拝堂」を中心に -
- 第二次世界大戦期における女性像の表象分析 - 『主婦之友』を中心に -