有形無形の文化遺産について研究する。

本分野では、特に日本や東アジアに伝えられてきた、有形無形の文化遺産について学術的に研究します。
文字による史料はもちろん、保存されてきた造形物や代々伝承されてきた技術まで、各地に残されたさまざまな文化の歴史的および芸術的な価値や、保存継承のありかたについて、それぞれの環境特性などを考慮しつつ、研究をすすめます。

この分野を志す人へのメッセージ

この分野への入学をお考えの皆さんは文化遺産や伝統芸術についていろいろな想いをお持ちだと思います。歴史や伝承への関心、あるいは作品や思想への興味など、さまざまな方向からの想いがあるでしょう。本分野では、皆さん自身の中にあるそのような想いを教職員と一体となって論文という「かたち」にすることを目指します。論文とはただ調査したことを記述しただけの文章ではなく、皆さんの想いを「かたち」にしたものに他なりません。また同時に、その成果は皆さん自身にとってのみならず社会においても貴重な財産となるものです。この分野で学び大学院を修了する頃には、入学時には漠然としていた想いが素晴らしい「かたち」になっているはずです。(教員:井上治)

井上治『花道の思想』 2016年

学びのすすめ方1年次

物事を多角的にとらえる視点を養い、研究に必要な考え方や手法を学ぶ。

科目ピックアップ

芸術環境特論I-1・2、III-1・2(テキスト科目)

この科目では、芸術環境に関する研究にとって基本的な文献の解読を通じて、基礎的な知識や問題、研究の手法を学びます。各自の専門性に応じて課題を選択し、指定の文献を批判的に検証してレポートにまとめます。過去の研究を知り、その方法論的な意義を考えることで、各自が研究を進めていく上での基礎的な知識を身につけることが目標です。

芸術環境演習Ⅰ・Ⅲ(スクーリング)

Ⅰ(前期)・Ⅲ(後期)では、学生が各分野で研究を遂行するために必要な考え方や方法を、ディスカッションや共同作業、各ゼミ独自の課題等を通して身につけます。さらに、ゼミ内での発表やディスカッションを通じて修了研究につながるテーマを設定し、〈調査・分析・まとめ・提案・報告〉という方法論を学びながら、各自の研究の方向性を決定します。

学びのすすめ方2年次

独自の着眼点で掘り下げた研究を、論文や報告書として結実させる。

科目ピックアップ

芸術環境研究Ⅰ(スクーリング)

「芸術環境演習Ⅰ・Ⅲ」での研究成果に基づいて、修了にむけての研究を行います。各自が設定した研究テーマに沿って、適切な資料の収集、分析、調査などをすすめると共に、その成果を論文あるいは研究活動実施報告書にまとめます。指導は主に年6回のゼミと2回の「中間報告書」に対する講評で行います。1週間に1回(必須)のWEB上での研究過程の記録のほか、必要に応じて個別指導も行います。

年間のスケジュールモデル

年間のスケジュールモデル

スクーリングは各年次毎に、年間を通して週末(土・日)を中心に開講しています。
詳しい日程は下記『大学院スクーリング日程2021』でご確認ください。

■スクーリング日程 大学院スクーリング日程(2021年度予定)
■授業一覧 授業一覧(2021年度予定)
   

学生紹介

丸本 加寿世京都府 大学院2年次

京都で観光業に携わっており、茶道など日本の伝統文化体験が観光商品とされ、その質が問われてきていることを実感。より良い伝え方を研究し、実践できればと入学しました。フィールドワークでは、茶道・いけ花・能楽などの伝統文化従事者からお話を伺い、体験現場を視察。論述面では、自身の情報や主張を伝えるためのテクニックを習得。最初はバラバラだった情報や考えが、少しづつ整理され、構造的に組み立てられ、一つのストーリーとして完成するという過程を体得できました。これらの学びが仕事でも、質の高いツアーづくりにつながり、海外のゲストだけでなく、社内スタッフの知識もアップ。文化従事者からの信頼も厚くなり、やりがいが高まりました。また、研究を通じて、文化の伝承に取り組まれている方々の真摯な姿勢に感動。私自身も観光業を通して、さらに良い伝え方を追究、実践していきたいです。

教員紹介

開講地 主担当 学べる内容
東京 三上 美和 日本文化史 / 日本美術史 / 伝統文化研究 / 文化遺産
野村 朋弘
石神 裕之
京都 五島 邦治 日本文化史 / 日本美術史 / 伝統文化研究 / 文化遺産
井上 治

修了生の研究テーマ

  • 扇面に描かれた京洛名所・風俗と洛中洛外図屏風
  • 近世後期における表千家家元制度の発展 ―京都・大坂・和歌山の事例から―
  • 近代前期の風俗画の一考察 ―月岡耕漁の作品を中心として―
  • 「いけ花」における「出生」の系譜 ―宗匠たちの流儀からみる「自然なる姿」と「造形美」の関係―
  • 中世・近世の絵画資料に描かれた琵琶 ―形状からその系譜を考える―
  • うた沢節の通史 ―文化集団としての側面から―
  • 近世庶民の「時」の実用状況について ―京坂地域の商人及び庄屋を中心に―
  • 十九世紀後期の福岡における茶道南坊流の芸態と受容 ―立花有得とその門人からの考察―

資料請求 あたらしいパンフレットができました。

芸術×大学院×通信 京都芸術大学通信制大学院 入学説明会