環境デザイン領域
建築デザイン

Environmental Design Field

一流の現場に立ち、実践を身につける。

日本の大学で不足しがちな「実務教育」に力点を置き、働きながら学び、学位が取れるプログラムを実施。気鋭の現役建築家が率いるスタジオに所属し、スタジオ独自のプログラムを通して、建築設計の思想と実践を追究します。時が過ぎても変わらない建築設計の本質を探究しつつ、プロをめざす人たちに、具体的な実務への入り口をつくります。

分野の特長

現役建築家×少人数スタジオ制

堀部安嗣(東京)と、横内敏人(京都)。現役建築家が主催する2つのスタジオから1つを選択し、入学時から修了まで一貫した研究指導を受けながら、実務で通用する知識や技術を修得。ここでしか得られない、建築設計における思想やノウハウを学ぶことができます。

実務経験2年間に相当する一級建築士免許の登録要件を満たせる

本課程における指定の30単位以上を修得することで、一級建築士免許登録要件の一部(建築に関する2年間の実務経験)を充足することが可能です。

※教育訓練給付制度 指定講座 ※詳細は『募集要項2022』をご確認ください。

教員紹介

東京堀部スタジオ

堀部 安嗣

筑波大学芸術専門学群環境デザインコース卒業。益子アトリエにて益子義弘氏に師事。1994年 堀部安嗣建築設計事務所を設立。住宅を中心に質の高い建築のあり方を探って設計活動を行っている。

鎌倉大町の家 外観

南荻窪の家 内覧

このスタジオで学べること

建築の設計を学び、持続して行うには、“心・技・体”3つのバランスと質の高さが求められます。最近は、概念や言葉の理解のみで建築を考える傾向があるようですが、当然ながらそうした建築には生命感がなく、人間の素直な等身大の身体感覚になじめない環境を生むことになります。また、風土や気候を無視した建築が、あっという間に廃れることも、ここ数十年で明らかになっています。このスタジオでは、「人や環境のための建築とは何か」をあらためて、心技体のバランスを鍛えることで学べます。その学びは必ず、持続可能な建築につなげられるでしょう。

こんな人におすすめ

建築は日頃の食生活と同じように、自身の身体や気持ちと密接に結びついています。言い換えれば、日常の生活そのものが建築であり、いつでもどこでも建築を考え、勉強しつづけることができます。特に、その性格が強いといえるのが住宅です。住宅の設計が好きで、そこから建築や生活、環境へと大きく視野を広げられる人に、当スタジオで学んでいただきたい。建築とは、多くの人々の良心が出会い、育まれる、喜びの行為です。そんな謙虚さと自信を兼ね備え、建築をつくる喜びをたくさんの人に伝えられる人材を、育成したいと願います。

学び/研究のステップ

  1. 建築の原初を考える

    なぜ建築は生まれたのか、なぜ住宅が必要なのか、人々は建築に何を期待しているのかを考え、原初的な建築のあり方を探ります。

  2. 時代に左右されない、かつ時代を反映した住宅を考える

    建築は時代を映す鏡と言われています。けれども同時に時代を超えた価値を示すものでなくてはなりません。その両方の視点を手放すことなく住宅を設計するトレーニングをします。

  3. 小さな木造住宅のプランを解く

    小さな木造住宅は建築の基本です。この基本ができれば応用に楽に進むことができます。ここで徹底的に、そのプランニングの技術を学びます。

  4. 利他的な建築のあり方を探る

    自分だけよければいいという時代は終わりました。「自身の設計する住宅が周囲にどのような良い影響を与えているのか」「日本の風景のためにしっかり寄与できているのだろうか」そんな視点を鍛えてゆきます。

  5. 省エネルギーな住宅を考える

    これからの時代、ますますエネルギー消費量を抑えていかなければなりません。イニシャルコスト、ランニングコストを抑えられる設計手法を、科学的にも追究していきます。

  6. 堅牢な構造を考える

    住まいにおける開放感を損なうことなく、質実剛健で構造的に整った住宅は、住む人に大きな安心感を与えます。こうした当たり前の価値を、時代の要請とあわせて考えていきます。

  7. 素材を研究する

    住宅の素材は、住む人の人生に大きな影響を与えます。「どういった素材が人の心身に良い影響を与えていくのか」について、実体験できる機会を設けていきます。

  8. 住宅の歴史を知る

    古今東西の名住宅と言われている住宅が、なぜ人々の心を惹きつけるのか。その理由をともに探っていきます。

  9. 実際の住宅空間を体験する

    授業内において、あるいは授業とは切り離された時間の中で、実際の住宅空間を体験できる機会を設けていきます。この体感は、住宅設計をする上でとても大切なことです。

京都横内スタジオ

横内 敏人

1954年山梨県甲府市生まれ/1978年東京藝術大学建築科卒業/1981年マサチューセッツ工科大学建築学科大学院修了/1983年~87年前川國男建築設計事務所/1987年~91年京都芸術短期大学専任講師/1991年より京都造形芸術大学環境デザイン学科専任講師、助教授、教授を経て2013年より京都造形芸術大学通信教育部大学院特任教授/1991年に横内敏人建築設計事務所設立。住宅を中心に設計活動を行う。

桜並木の家 外観

桜並木の家 内観

このスタジオで学べること

大学院の2年間は、建築設計を修得するのに十分な時間とはいえません。そこで本スタジオでは住宅設計に特化し、「住宅設計を通じて建築を学ぶ」プログラムを設定。初期のコンセプトワークにはじまり、本来は設計事務所に勤めなければ修得できない、実践的で具体的な素材の扱いやディテールの納め方までみっちり学べます。特に木造住宅の設計は、多くの需要があるにもかかわらず、大学の建築教育ではまったく抜け落ちている部分です。だからこそ、木構造の考え方や架構の方法といった、基礎の学習もあえて取り入れています。また、普段は見ることができない「建築家の設計による個人住宅」を見学できるのも、このスタジオならではの大きなメリットといえるでしょう。

こんな人におすすめ

住宅は、建築としては規模が小さいものの、人の生活を支える器。深く人と関わりあい、生活の豊かさに大きな影響を与えます。それだけに、注意深く丁寧に設計する必要があり、 質の高い住宅をつくるには、多くの知識と経験、センスが求められます。そんな奥の深い領域への入り口が、このスタジオです。住宅が好きな方なら、ぜひ参加を。建築家になりたい人、ハウスメーカーや工務店で設計に携わる人だけでなく、設備やランドスケープなど住宅の周辺領域に関わる方、または教養として住宅設計を学びたい方も大歓迎です。

学び/研究のステップ

  1. 敷地の特性を生かす

    与えられた敷地にはそれぞれ個性があります。その個性を読み解き、メリットは活用し、デメリットはできるだけその影響が出ないように、あるいはそれが家の個性となるように、発想を転換することを学びます。

  2. 人間の生活を形にする

    人の生活にも個性があり、住み手の家族構成や職業、年齢の違いによって「家の適切な在り方」が変わります。まずはその家における生活を具体的にイメージした上で、それに形を与えることを学びます。

  3. 平面計画の基礎について学ぶ

    家の内部は機能的でなければなりません。そのために、機能のゾーニングや動線のまとめ方、単位空間の適切な大きさなど、住宅の平面図作成に必要なスキルを学びます。

  4. ボリュームと外観について学ぶ

    雨が多い日本の気候から木造の家を守る意味でも、家が街並みの一部になるという意味でも、家の外観、特に屋根の役割は重要です。平面的な計画に断面の考察を加え、美しい屋根と外観をもつ家のつくり方を学びます。

  5. 構造と架構について学ぶ

    木造の家は「骨組みをどう組むか」がとても重要です。構造的に丈夫であると同時に、いかに美しく組むか、その美学についても学びます。

  6. 家とエネルギー関係について学ぶ

    家の内部におけるエネルギー消費を、できるだけ抑える方法について学びます。断熱の方法や設備の形式、さらに、建築的な工夫により自然エネルギーを活用する具体的な方法などを学びます。

  7. 住宅の仕上げとディテールを学ぶ

    仕上げの素材やディテールの納め方は、その家の空間の質に大きく影響します。それらを細部までイメージした計画を学びます。

  8. 庭と家具について学ぶ

    良い住宅づくりには、庭と家具が家そのものと同じくらい重要な要素となります。家だけでなく庭と家具の設計についても学びます。

以上、さまざまなステップを通じて、一軒の家が、ある時代につくられた一個人の所有物であることを超えて、永く多くの人の共感を得ること、つまり普遍性と美を手に入れることを目標に、2年間で4軒の設計課題に取り組みます。なかでも最後の修了制作は、個々の学生の問題提起に基づいて自由に課題を設定し、2年間の成果の集大成とします。

■教員 横内 敏人(教授)堀部 安嗣(教授)

学びのすすめ方1年次

プランニングの基礎をじっくり修得。住宅設計に何が必要かを考える。

環境デザイン演習(建築デザイン)
(スクーリング科目、スクーリング研究制作科目)

具体的な条件設定に基づいた建築の設計を通じて、改築、増築、建て替えについてのプランニングを徹底して行い、設計の考え方、何を手がかりにそれをすすめるかについて学びます。クライアントから提示される要求を真摯に受け止めることからはじめ、建築設計に何が大切かを議論・考察していきます。「環境デザインIV‒3・IV‒4」では、建築現場や建築物の具体例を実地で見学します。

環境デザイン特論Ⅲ-1、2
(テキスト科目)

「プロジェクト研究」「工法・素材研究」について、それぞれ基礎的資料収集・調査、あるいは教材の精読、および整理・分析を行います。それらを通して建築設計業務に関するインターンシップに関連する知識を身につけることを目的とします。さらには、修了制作のテーマを抽出するための基礎知識や観察力を獲得し、自身の設計を客観的に位置づけることのできる判断力を養います。

学びのすすめ方2年次

第一線の建築家が指導するスタジオで生きたノウハウを学ぶ。

環境デザイン研究(建築デザイン)
(スクーリング科目、スクーリング研究制作科目)

敷地と建て主を実際に設定し、現実的制約条件の中で基本設計から実施設計までの作業を行います。修了制作では人の活動を取り巻く環境に対する疑問や問題提起を持ち、明確なコンセプトに基づいた住空間の提案をするとともに2年間の集大成として設定した研究テーマについての考察を行います。

年間のスケジュールモデル

年間のスケジュールモデル

スクーリングは各年次毎に、年間を通して週末(土・日)を中心に開講しています。
詳しい日程は2021年12月下旬発行予定の『大学院スクーリング日程2022』でご確認ください。
『募集要項2022』にて、各科目と紐付けた年間のスケジュールモデルを記載しております。

■スクーリング日程 大学院スクーリング日程(2022年度予定)
■授業一覧 授業一覧(2022年度予定)

学生紹介

角 彩34歳 滋賀県 大学院2年次

住宅設計の技術を深め、仕事のスキルアップにつなげようと進学。先生方と対話するスクーリングを通して、「物事の根拠をよく考え、その考えが練られるほど、説得力のある回答にたどり着ける」と学べました。「なぜそうなのか」「なぜそう考えたのか」を何度も自問自答し、理由をつけて考えを組み立てる。その過程では、ひとつの視野に縛られず、周囲の意見をよく聞くことも、より良い着地点をめざすために大切だと発見。これは設計だけでなく、マネジメントにも共通します。住宅は、人の生活を受け入れる器。「完成した時にきれいでも、人が住んだときに荒れてしまうようではだめだ」という先生の言葉が心に刻まれています。「人が住み始めてから、住宅は呼吸を始める」と、設計に対する意識が大きく変わりました。この学びを周囲の人に伝え、自身の設計に活かし、長く愛される住まいづくりをしていきたいです。

修了制作 作品ギャラリー

関野 裕樹48歳 静岡県 2020年度修了(堀部スタジオ)

[修了制作について]設計者にとって「自邸」というテーマはひときわ特別なものだと思います。しかしそこはグッと抑え、個別の背景や独りよがりな考えに傾向することなく、あざとさを感じることのない設計を心がけました。

[成果、そして、これから]手応えを感じては、確信に近づけるため俯瞰的に眺め、疑い、積み上げた設計を崩す。大学院での学びはその繰り返しでした。面倒な設計工程ですが、継続することで後悔や犠牲を最小限にできます。このような学びや気づきを今後の設計活動に活かしたいと思います。


裾野の家
―自邸の研究―

後藤 逸泰41歳 兵庫県 2020年度修了(堀部スタジオ)

[修了制作について]造形はむろん、機能や情景を踏まえたありかたが建築の魅力であることを学び、それを表現しようと試みた。完全などあり得ないが、自身のやりたいことを素直に出せたことへの充実感を得ている。

[学びの振り返り]実務で建築に関わるうちに閉塞感を感じ、進学を決意。抜け出せたのかは分からないが、前進したことは確実。学ぶには遅いかもしれないと案じていたが、実務を経た上での学びの2年間は、この上ない濃密な時間となった。問いと学びの継続をこの機に改めて誓いたい。


姫路の家
―高低差を活かした庭の研究―

中山 大輔44歳 栃木県 2020年度修了(横内スタジオ)

[修了制作について]「自然と呼応する建築」の研究として取り組みました。あえて周りに人工物が何もない土地を選び、その土地の自然と向き合いながら、建築を探っていきました。自分の中で向き合っているものが、少しだけ見えたぐらいの感触はあります。

[成果、そして、これから]この大学院で学んだこと、得たものは多くあります。そうした種をいただいて、自分の中に植えているような感覚でした。今後の自分の設計活動の中で、その種が着実に育ち、実ることを期待して、精進していきます。


大地の家
―自然と呼応する建築の研究―

木村 敏51歳 滋賀県 2020年度修了(横内スタジオ)

[修了制作について]研究テーマは、集落や民家から、その美の根源や暮らす人々の精神性を学び、これからの住居像を描くこと。集落や民家の美しさは、そこに暮らす人々の「信仰心」や「自然への畏怖」と大きく関係していると知りました。

[学びの振り返り]大学院では多くのことを学びましたが、教えを吸収するだけでなく、その教えを破って独自の建築を追求しなくてはならないと知りました。2年間を終えて、これまでとは違う新しい視界が開けたと感じています。


住者との協同で描く集落の未来像
―地方における「風景」と「暮らし」の研究―

建築デザイン分野 オンライン説明会(分野の特長編)

建築デザイン分野 オンライン説明会(カリキュラム編)

資料請求 あたらしいパンフレットができました。

芸術×大学院×通信 京都芸術大学通信制大学院 入学説明会