環境デザイン領域日本庭園

Environmental Design Field

一流の現場に立ち、実践を身につける。

日本庭園の歴史を振り返ると「いつの時代にも創造的であったものだけが伝統となり、その伝統が新たな創造性を刺激する」という「創造する伝統」の思想が見えてきます。そして、それこそが、現代に求められている重要な命題だといえます。「庭園史研究」「作庭技術」「文化財庭園の保存修復」を三本柱とする本分野では、日本庭園の歴史を踏まえたうえで、伝統的日本庭園の立地・空間構成・意匠・素材・技法等を実地に検証・考察する中から現在へのメッセージを読み解き、それぞれの研究や作庭、デザインに生かしていきます。

この分野の特長

京都を中心に、週末スクーリングを開講。WEB学習も組み合わせ、効率的に学ぶ

京都と東京それぞれの立地を活かしたスクーリングを開講。土・日のみのスクーリングで修了できます。またwebを活用した自宅学習を組み合わせることで、社会人にも取り組みやすいカリキュラムを整えています。

充実した実地研修で深く学べる

文化財庭園の保存管理・修復現場、石造美術の工房などの現地を訪れ、実践的な学びを重ねます。名庭と向き合い、作庭家の意図、職人の思いを直接感じ取ることで、独自の視点を確立していきます。

学びの要となる三本柱

「庭園史研究」「作庭技術」「文化財庭園の保存修復」を学びの要とし、一流の庭師や文化財庭園保存技術者から直接指導を受けることで、多様な視点から各自の研究を深めていきます。

学びのすすめ方1年次

日本庭園の本質を見極め、その再生と創造に資する力を養う。

環境デザイン演習(日本庭園)
(スクーリング科目、スクーリング研究制作科目)

伝統的日本庭園の本質とは何か。そこから何を学び、未来へ継承・発信すべきか。この命題に応えるため、名庭と向き合い、作庭家の意図、職人の思いを感じとり、独自の視点を確立していきます。実地研修と研究発表の二本柱で、文化財庭園の修復現場なども訪問。その成果を各自の視点で発表し、研究テーマを絞り、資料収集や調査など、修了研究・制作への骨格づくりをします。

環境デザイン特論Ⅰ-1、2
(テキスト科目)

本科目では、「プロジェクト研究」「工法・技法研究」、それぞれについて基礎的資料収集・調査、あるいは教材の精読、および整理・分析を行います。それらを通して、修了制作の研究テーマを抽出するための基礎知識および観察力を獲得し、さらには自身の研究を客観的に位置付けることのできる判断力を養います。

学びのすすめ方2年次

独自性のある視点と知見を生かし、質の高い研究・制作へ。

環境デザイン研究(日本庭園)
(スクーリング科目、スクーリング研究制作科目)

自身の設定したテーマについて、学術的・芸術的・デザイン的解答を導き出すための演習を行います。先行研究や事例の資料収集などから自身の研究制作の客体化と位置づけを行い、そこから導き出される目的の明確化、方法論を検討、調査、ケーススタディ、分析評価、結論への到達といった一連の研究制作プロセスを通して、専門家としての素養を高め、独自性のある視点と新しい知見を手に入れ、質の高い研究・制作へと結実させていきます。

環境デザイン特論Ⅱ-1、2
(テキスト科目)

日本庭園はランドスケープデザインの原点といえます。本科目の「日本庭園論」と「ランドスケープ論」では、総合的な観点からの思索を通じて、修了研究・制作をより質の高いものにしていく糧とします。

年間のスケジュールモデル

年間のスケジュールモデル

スクーリングは各年次毎に、年間を通して週末(土・日)を中心に開講しています。
詳しい日程は下記『大学院スクーリング日程2019』でご確認ください。

■スクーリング日程 ※『大学院スクーリング日程2020』は2020年1月に公開予定です。

学生紹介

松田 理佐53歳 愛知県 大学院1年次

造園の仕事に関わって約20年。日本庭園、とくに茶庭を深く学びたくて進学しました。いまはまだ、地元である名古屋の茶庭や、江戸・明治・大正の茶の湯について、現地調査や資料の読み込みに取り組みだしたところ。それでも「自分が知らない」ということを知っただけで、大きな意味がありました。学んでいくうちに、点だった知識が時間軸でつながり、日本人の豊かな営みを流れとして認識できるようになりました。また、仕事や生活の空き時間を活かすことで、学習が少しずつ生活の一部となっていきました。そんな学びの楽しみや苦しさをわかちあえる、仲間との出会いも喜びです。いつか、先達の作ってきた「庭」を知識深く眺め、作庭者の声を聴けるようになりたい。そして自分自身も、細やかな配慮のある茶庭を作れる職人になりたいです。

■教員 加藤 友規(教授)尼﨑 博正(教授)、吉村 龍二(講師)、町田 香(講師)

※尼﨑 博正教員は2021年度はテキスト科目のみ担当し、研究指導は担当しません。

修了制作 作品ギャラリー

李 倫貞48歳 京都府 2018年度修了

[修了研究・制作について]「日本庭園と韓国庭園の持つ自然観についての比較」が当初の目的でした。しかし比較研究をすすめるにつれ、そもそも韓国庭園とは何かという問題にぶつかり、研究の結果、ある結論に帰納。それについては大きな達成感を得られました。

[成果、そして、これから] 「入景式庭園」という観点から、日本庭園を見つめてみようと思います。また、研究の間に浮かんできた色々な疑問についても、その答えを探して行くつもりです。大学院での学びは、私を大きく成長させてくれた、価値のある時間だったと思います。


‘入景式庭園’としての韓国庭園に関する研究
― 立地環境と自然観の分析―

日野間 康子69歳 東京都 2018年度修了

[修了研究・制作について]「庭」は本来、「住まい手」の要望に添うものだという考えに基づき、「住まい手」の視点から見た「住まい観」を明らかにすることをめざした。「近代、住まいへの純粋な願望を体現できたのは女性であった」という仮説のもと、女性作家3人に注目し、個々人が持つ「住まい」への「こだわり=固有性」を浮かびあがらせた。

[学びの振り返り]これまで「つくり手」の立場から、公園、庭園等の計画・設計業務に携わってきて、それらを総括する意味で、「造園とは、庭とは何か」の答えを見いだしたくて進学。学びの途中、先生方のサジェスチョンにより暗闇に光があたる瞬間を何度も体感した。そして、その光は、これからの導(しるべ)となった。


近代女性の「住まい観」に関する研究 ― 吉屋信子、
林芙美子、白洲正子の暮らしから探る ―

高橋 康夫68歳 東京都 2018年度修了

[修了研究・制作について]清澄庭園の造園的価値を再評価する試みで始めたが、研究を進めるうちに関東大震災で壊滅的な被害を受けた庭園が、三菱の総帥岩崎久弥と東京市公園課の井下清の見識及びそれを支えた東京市公園課の技術力により、名園として今日に存在することが明らかとなった。そのことがまさに造形美を超えた清澄庭園の本質的価値であるとの結論に至った。当初想定した方向性と大きく異なったが、本質的価値を捉えることが出来たのは研究の大いなる成果である。

[学びの振り返り]人生の卒業論文を書きたいと思い、東京から京都へ通った。世の汚れを落とすため大階段を一段一段ゆっくりと上っていく。茶室に入る前の露地を歩く心境である。最上段に着くと、平櫛田中作「岡倉天心像」に一礼する。その瞬間から学問をする心に変身している。2年間が過ぎた時、新しい自分に生まれ変わったような気がした。


清澄庭園の本質的価値に関する考察
― 東京市公園課の見識と技術力 ―

斎藤 小百合東京都 2018年度修了

[修了研究・制作について]研究の興味が広がり過ぎて、研究途中になってしまった部分が多く、やっと研究の入口に立ったという感じです。さらに研究をつづけ、善導寺型石燈籠の発生と派生についても詳しく解明したい。

[学びの振り返り]実際の修復現場を見学したり、庭の管理について多くを学べた。先生方をはじめ、庭の実務に詳しい先輩や学友と知り合えたことが大きな財産となった。修了後も、文化財庭園の石造物について学会で発表するなど、新しいことに挑戦できた。


善導寺型石燈籠の形態・意匠に関する研究
― 茶道具をモチーフとする火袋を中心に ―

資料請求 あたらしいパンフレットができました。

芸術×大学院×通信 京都造形芸術大学通信制大学院 入学説明会