










本展「DOUBLE ANNUAL 2025 アニュラスのじゃぶじゃぶ池/omnium-gatherum」は、京都芸術大学と東北芸術工科大学の学内選抜展です。両校の学部生と院生を対象に、国立新美術館で展開したい作品プランを募集し、今年度は89組の応募者のなかから、ディレクターによる審査を経て11組が選ばれました。
現役のキュレーター(京都芸術大学:堤拓也、東北芸術工科大学:慶野結香)から助言を受けながら作品を発展させ、アートプラクティショナー(展覧会全体をつくるために関わる人々)とも協働し、「アートになにができるのか」と問いかけながら展覧会をつくりあげる、実践的な芸術教育プログラムの成果をご覧いただけます。
今回の方向性を示すテーマおよび展覧会タイトルとして、「アニュラスのじゃぶじゃぶ池/omnium-gatherum」を設定しました。ラテン語で有機的な「輪」や「環」を示す「アニュラス」と、公園にある浅い水遊び場である「じゃぶじゃぶ池」、そして混合物、寄せ集め、まぜこぜなどを意味する「omnium-gatherum(オムニウム・ギャザラム)」は、無限の可能性にひらかれた円環状の公共空間に、様々な表現や考え方を持っている人々が集い、混ざり合いながら戯れるイメージをもって名づけられました。
山形と京都という二つの異なる地点から、広い意味での「アート」によって、いかに現代の世界や社会を見つめ、応えることができるのか。それを両校の中間地点である東京・国立新美術館において、どのように伝えることが可能なのか。分断の行方は見通せず、戦禍はひろがり続け、価値観の対立は人々の連帯を困難にしています。また、ポストパンデミック時代という言葉もすでに後退し、社会は新しいフェーズへと移行しつつあります。このグローバルな状況を踏まえつつも個人的な視座から導き出された作品は日常を取り巻く事象に起点を置きながら、それぞれの捉える現実と熱心に向き合い、発信しようとしています。
約一年に及ぶ本プロジェクトが、これからプロのアーティストをはじめ何らかの表現活動を継続していく参加学生たちにとって、いつでも立ち戻ることのできる実験場となり、ここで出会ったものごとが、尽きない創造の水源となることを願っています。
DOUBLE ANNUAL 2025
ディレクター 堤拓也、慶野結香
監修 片岡真実
アーカイブ -ARCHIVE-
DOUBLE ANNUAL 2025プレビュー展(京都芸術大学・東北芸術工科大学)
2024年12月、両大学で開催されたプレビュー展(中間発表展)。ディレクター陣とゲストによる講評会が開催されました。両大学の展覧会のレビュー記事をお届けします。プレビュー展を踏まえ、国立新美術館での本展をご覧いただくと作家の軌跡や成長が感じられます。
京都芸術大学:https://uryu-tsushin.kyoto-art.ac.jp/detail/1334
アクセス
国立新美術館
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