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B5版レシピ本1冊、B5版ブックレット1冊、

デザイン科 - 空間演出デザインコース

中川 里紗

「おからっこおやつ ーおからを使って食品ロスについて考える学童おやつー」

食品廃棄物として捨てられてしまう「おから」を材料にした手作りおやつを、放課後児童クラブで調理・提供する活動を行い、児童クラブでの毎日のおやつ習慣を地域や食育、食品ロス削減に繋げられるものにしました。おからは小学生からの認知度が非常に低く、ほとんど馴染みのない食べ物です。子ども達にとっておからをもっと身近な食べ物にするためには、おやつを通してその魅力を知ってもらい、親しみやすさを感じてもらうことが必要だと考えています。


テーマ「おからを使って食品ロスについて考える学童おやつ」

コンセプト「おからのおやつで繋がる地域の輪」
児童クラブの子どもたちに、食品廃棄物として捨てられてしまうおからを材料にしたおやつ作りを体験してもらうことで、作ること・食べることの楽しさを感じながら食について一緒に見つめ直していきます。材料となるおからは全て、地元の豆腐屋から作られるおからを使い、地域の豆腐屋へ貢献できる活動を行います。

児童クラブの子どもたちにとって、おやつの時間はみんなで揃ってコミュニケーションを取りながら過ごす大切な時間です。おからを使ったおやつを一緒に作り、食べることで、コミュニケーションをはかれる空間を作ることも目指しました。

おからの年間廃棄量は約55万トン。石川県金沢市にある豆腐屋「高山豆腐店」では、毎日10キロ以上のおからが処分されていました。また、金沢市にある放課後児童クラブでアンケートを取り、子どもたちからのおからの認知度がとても低いことがわかりました。

おからの廃棄量を減らすにはどうすればいいか、まずは子どもたちにおからをよく知ってもらう必要があります。そこで、子ども達におからをもっと身近に感じてもらうためには、おやつを通してその魅力を知ってもらい親しみやすくすることが大切だと考えました。

活動の拠点は石川県金沢市。夫婦で営む小さな豆腐屋、「高山豆腐店」に協力していただきました。高山豆腐では毎日10kg以上のおからが処分されていました。これらのおからを購入し、おからを材料としたおやつを「おからっこおやつ」と名付け、レシピを考えました。そしてそのレシピを元に、金沢市にある放課後児童クラブで作って食べるワークショップを開催しました。この取り組みによって、おからを通じた人のつながり、モノ・コトのつながりが生まれます。

イメージキャラクターを設定し、企画全体を親しみやすいものにしました。紙面やアイテムのデザインは明るく、温かみのある色使いや手描きのイラストで、子どもからの興味関心を得られるような可愛らしいものにしています。また、おからっこを主人公にした、おからやおからっこおやつについて楽しく学べるストーリーを作り、この活動を広めていくことにしました。

ワークショップで作ったケーキは、材料4つをレンジで焼き上げる簡単なレシピです。児童らと一緒におやつ作るだけではなく、在籍している他の児童や職員に振舞うことも出来ました。ほとんどの児童がおからを食べたことがなく、おからが大豆からできるものだと知りませんでしたが、ケーキを焼きながら夢中漂う大豆の香りに、「良い香り〜!」と夢中になっていました。初めてお菓子作りをするという子もいました。協力して作り、盛り付けをし、時々つまみ食いをしたり、出来上がりを嬉しそうに食べている子どもたちの様子を見ていると、私もおやつを作る楽しさを改めて感じることが出来ました。

この活動をするに当たって、おからっこおやつのレシピはを20種類以上考えました。

子どもも大人も楽しくおからについて学ぶことができるよう、おからっこを主人公としたブックレットを作りました。

  • 京都芸術大学 通信教育部