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空間演出デザインコース 南條 緑

講義用テキスト(B5、39ページ)とベンチ(W1400㎜×D約400㎜×H約500㎜)の2点を制作しました。


作品タイトル:森林学習プログラム『Our Grove』

コンセプト:木材から森林を想像してもらう

木材を利用・消費することは、少なからずその“産地”に影響があることを認識・実感してもらい、森林を『自分ゴト』化することを目指しました。
森林が成長する途中で必要となる、木を間引く『間伐』。間伐現場では“ 細い”から捨てられる木材があります。強度はあるのに、何に対して“細い”と判断されているのでしょうか。一方、社会的な環境意識の高まりから、企業や学校では「森林について学びたい」というニーズが生まれてます。そこで、この“ 細い”間伐材(以下「小径間伐材」)を使って、その木材が捨てられる理由も含め森林について学べる学習プログラムを作成しました。
既存製品にも「間伐材(使用)」を謳っているものは数多くありますが、他に売られるはずだった間伐材を単に買取っただけだった場合、林業の現場にどれほど影響があるのか、日ごろ疑問に思っていました。

“本当に”間伐材を使うことによって環境や自然に良い影響をもたらすとしたら、

① その製品・プロジェクト企画による間伐材買取が見込まれたから間伐事業が実施された
② 従来の丸太買取価格相場よりも高い価格で買取り、製品化した
③ 本来捨てるはずだった間伐材を買取った

のいずれかではないかと考えるからです。本作は、明確に③の観点に基づき制作を進めました。

小径間伐材を使った製品と講義をパッケージ化した「学習プログラム」として販売することにより、小径間伐材を相場以上の値段で買取り、パッケージ価格に納得してもらえるようプログラム全体の満足度を上げることを目指しました。

『木材から森林を想像してもらう』ことをコンセプトに講義内容を練り、木材を利用・消費することは、少なからずその“産地”に影響があることを認識・実感してもらい、森林を『自分ゴト』化する狙いです。
『小径間伐材を使った製品』の部分は、半製品として材料の下準備だけしておき、プログラム当日にワークショップ形式で参加者が仕上げるものとして、ベンチを制作しました。木自体に触ってもらい良さを実感してもらうとともに、丸太などの『四角くない木材』を使うことにより、参加者に“木材の価値”を分解・再認識してもらうことも意図しています。

プログラムはテキストによる講義とワークショップをセットにした4セクションで構成し、『木が生まれてから木材として届くまで』の理解を深めます。

プログラム中のWork4で、参加者に『四角くない木材』でベンチを作ってもらいます。『四角く』なくても使える木材、『四角い』ことによる扱いやすさ、『四角くする』ことによって捨てられる間伐材。それらを照らし合わせて、自分にとっての“木材の価値”を見つめ直してもらえればと考えます。

南條 緑

空間演出デザインコース

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